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シェフラーのLuKブランドのコンポーネントを使用した無段変速オートマチックトランスミッションと、水平対向ディーゼルエンジンの組み合わせた製品をスバルが初めて量産化【シェフラージャパン】

2013年7月18日

LuKのCVTチェーンで無段変速による心地よい走りを実現

ドイツ・ビュール発】駆動力を途切れさせずに連続駆動を行うCVT(無段変速機)というアイデアは、長年にわたり、自動車の設計者と顧客を魅了してきました。シェフラーグループのLuKのマルチリンクチェーンが採用されたオートマチックトランスミッションと、水平対向ディーゼルエンジンを組み合わせた、スバルの「アウトバック2.0Dリニアトロニック」が新登場しました。

シェフラーグループで自動車のドライブトレイン用システムおよびコンポーネントを専門にするLuK GmbH & Co. KGは、10年にわたってスバルの開発パートナーを務めています。両社の協力により高効率の全輪駆動CVT「LineartronicTM(リニアトロニック)」が誕生し、2009年のニューヨーク国際オートショーにて初披露されました。チェーン変速機(右画像参照)はすでに開発の初期段階から、400Nmまでのエンジントルクと220kW/300HPまでの出力を確実にカバーする一方で、コンパクトなサイズと広いレシオカバレージを実現しました。そのため、高性能のターボチャージガソリンエンジン、さらにスバルの水平対向ディーゼルエンジンへの採用につながりました。

CVT用のチェーンおよびガイドレールは、シェフラーのLuKブランドが供給しています。2013年には、世界的自動車メーカー3社に向け、約120万本のCVTチェーンおよびそれに対応する数のガイドレール一式がドイツ南西部のビュールにあるシェフラーの製造拠点から出荷される予定です。LuKのCVT製造ライン責任者であるアンドレアス・エングリッシュは「当社は、複雑なCVTシステムに関する専門知識を活かし、様々な方面でプロジェクトの成功に寄与してきました」と述べています。広範囲にわたる開発やテスト工程には、パッケージのテスト、変速機の設計、動力学的シミュレーション、および機能、音響、稼動寿命に関する包括的なテストも含まれます。

LuKのCVTコンポーネントは高トルク用途の市場に1999年に初めて投入されて以来、その卓越した性能が専門家の高い評価を得てきました。高出力、高トルクでの安定性に加え、コンパクトサイズのトランスミッションで高い出力密度を実現し、効率性の高さにも注目が集まっています。その結果、LuKのマルチリンクチェーンは現在ではヨーロッパとアジアの世界的な自動車メーカー3社で採用され、量産に使用されています。

シェフラーは、市場には成長可能性が確実に存在していると考えています。ヨーロッパではあまり注目されていませんが、世界のCVT製造数は現時点で年間700万ユニットに迫っており、これはオートマチックトランスミッション車の全体の12.5%に相当します。この成長を大きく支えているのがアジア太平洋地域、特に、新車の乗用車の36%にはCVTが搭載されている日本です。世界全体で見れば、CVTは9%の市場シェアを獲得しています。こうした成長が今後どのような形で推移するかは、地域別の条件や好みなどの要因に左右されます。シェフラーは、自動車産業へのサプライヤーとして、トランスミッションは今後、様々なコンセプトが並存するものの、次第に似通った特性のものになっていくであろうと確信しています。

排出量と燃費に関する要件が世界的に厳しくなっていることが、CVTを強く後押ししています。駆動力を途切れさせることなくギア比を無段調整できるということは、エンジンが常に動作可能になり、データマップの中でも燃費において最も好ましい成果を上げられることを意味しています。この場合の燃費の数値は、マニュアルトランスミッションの車を理想的な形で運転した場合と同じレベルです。また、シェフラーは世界中の各市場から寄せられる様々な要件にも個別に対応すべく、モジュラー製造戦略も採用しています。シェフラーのトランスミッション事業部門で研究開発担当シニア・バイス・プレジデントを務めるハルトムート・ファウストは次のように述べています。「たとえば、現在の日本で日常的に発生している、交通量が多く走行速度の変動が大きな状況において、CVTは特に便利なソリューションです。スムーズな発車が顧客に重視されるNAFTA地域においても、CVTは成功を収められるでしょう」。

広いレシオカバレージを可能にしているのが、シェフラーのLuKブランドのコンポーネントです。これらのコンポーネントは、エンジン製造における小型化、低速化という潮流に対応するものであり、シェフラーの包括的な製品ラインナップを理想的な形で拡充しています。CVTコンポーネントはハイブリッドコンセプトとの相性も良好です。


CVT用のチェーンおよびガイドレールは、シェフラーのLuKブランドが供給しています。大きさの異なる2つの円錐プーリ、いわゆる変速機(黄色で示した部分)の間にかけられています。これは、振動を止めて騒音レベルを低く抑える役目を果たしています。





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