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軽自動車への保険料と税制見直しはプチバンの今後の購入意向の6割以上に大きく影響【イード】
2013年6月27日
コンパクトカー(登録車)と軽自動車にまたがる新カテゴリー“プチバン”保有者1,000名調査
夏のボーナス、消費税増税前のクルマ選び参考情報!
満足度が8割以上の新たな国民車“プチバン”!!購入のきっかけはライフステージの変化
コンパクトカー(登録車)保有者は「安全面」を軽自動車保有者は「維持費」を重視する傾向
㈱イード(本社:東京都中野区、代表取締役:宮川洋 以下、イード)は、「“プチバン”保有者1,000名調査」を実施しました。イードは昨年5月に「“プチバン”人気の理由」について調査(http://www.iid.co.jp/news/detail/2012/0524.html)しましたが、各メーカーのプチバン投入が相次ぐ中、人気の要因を探るべく、保有者1,000名に対して調査を行いました。クルマのカテゴリーでは珍しく、コンパクトカー(登録車)と軽自動車が混在するプチバンで、購入のきっかけ、購入時の重視点、購入後の利用状況等についての違いや、2013年4月からの自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)の保険料見直しや日本のTPP参加による軽自動車の税制優遇見直しの影響についても調査しました。
調査背景
2014年4月の消費税増税を控え、今年は住宅や自動車、大型家電などの購入を検討する人が増えています。さらに、夏のボーナス支給で駆け込み需要はさらに増加すると予測されます。
そのような中、「スライドドアや室内の広さといった ミニバンの要素を持つコンパクトカー」“プチバン”は各メーカーからの新型車の投入が相次ぎ、新車販売台数(2013.5月:自販連・全軽自協調べ)でもトップ10に3車種ランクインするなど、ハイブリッドに並ぶ注目のカテゴリーと言えます。
昨年行った、「“プチバン”人気の理由」についての調査結果でも、少子化によるファミリー層の多人数乗車ニーズの減少や、「コストパフォーマンス意識(よりよいものを安く手に入れたい)」や「安近短志向(近場で安く遊びたい)」の高まりの影響で、身近なシーンでの「取り回しや駐車が楽な車」、「日常での買い物などの用途に使いやすい車」などを重視する傾向がありました。その結果、通勤や送迎、普段の買い物、レジャーと幅広く使える車を求めている世代にプチバンが人気となっていることがわかりました。
もともとこのカテゴリーは、「ラウム」が97年に開拓し、04年の「ポルテ」や、07年にスライドドア化された「タント」等の軽自動車が相次いで投入されたことにより、市場が拡大されてきました。
更に、ここ近年では「フリードスパイク」や「ソリオ」「N BOX」に続き、昨年6月には、マツダが「フレアワゴン」を発売、スズキは「ソリオ」に斬新で存在感あふれるデザインの「ソリオ バンディット」を発売しました。
さらに、昨年7月にトヨタからは「ポルテ」をフルモデルチェンジするとともに、新型車スペイドも発売、2車種をプチバン市場に投入させています。また今年に入ってからは、2月にスズキが「スペーシア」を投入しました。6月には日産と三菱自動車が共同開発した軽自動車が発売されましたが、スライドドアを搭載した次期モデルが両社から発表されるなど、プチバン市場はますます競争が激化しています。
そこで、イードではこれらのプチバンの詳細を探るため、プチバン対象車種を保有している人20代~60代の男女1,000名を対象に、調査を実施しました。
※ プチバン対象車種(イードによる選定)
コンパクトカー(登録車) :
スペイド(トヨタ)、ポルテ(トヨタ)、フリードスパイク(ホンダ)、フリードスパイクハイブリッド(ホンダ)
ソリオ(スズキ)、デリカD:2(三菱)
軽自動車 :
スペーシア(スズキ)、パレット(スズキ)、ルークス(日産)、タント(ダイハツ)、オッティ(日産)、
N BOX(ホンダ)、ekワゴン(三菱)、フレアワゴン(マツダ)
<調査概要>
調査名 : プチバン保有者の意向に関する調査
調査期間 : 2013年5月21日(火)~31日(金)
調査対象 : 日本全国20~60代男女、プチバン保有者
有効回答数 : 計1,000名<年代別(20代200s、30代200s、40代200s、50代200s、60代200s)
性別(男性500s、女性500s)>
プチバンの詳細と、コンパクトカー(登録車)と軽自動車保有者の意向について
■ プチバン購入のきっかけはライフステージの変化
まず、プチバンを購入したきっかけについて、全体では、1位「運転が楽な車が欲しくなった」15.5%、同率2位「子供が生まれる(生まれた)」14.4%、「実際に試乗してみて気に入ったから」14.4%となりました。さらに、年代別の差をみてみると20代は「子供が生まれる(生まれた)」27.0%、「移動に車が必要になる(なった)」20.5%、「結婚する(した)」17.5%、「就職する(した)・仕事が変わる(変わった)」9.0%、30代は「子供が生まれる(生まれた)」29.5%、60代は「運転が楽な車が欲しくなった」26%、「仕事を定年退職する(した)」11.0%といった項目が高くなっており、プチバン購入のきっかけはライフステージの変化(「就職」「結婚」「出産」「定年」)が影響している結果となり、幅広い年齢層が、それぞれのライフスタイルにあわせてプチバンを選んでいることがわかりました。
■ プチバン満足度は8割以上
購入後の満足度について質問したところ、60代が83.35点、20代が82.78点と特に満足度が高く、その他の年代でも全て8割以上が満足している結果となりました。性別では90点以上をつけた人が男性8.8%、女性21.2%となっており、さらに平均点でも女性が3.9点高い結果となりました。
■ プチバン購入時の重視項目は、「車内が広い」「スライドドア」「運転操作のしやすさ」
コンパクトカー(登録車)は「使い勝手」重視。軽自動車は「コスト重視」
プチバン購入時に重視した項目に関して、全体では、1位「車内が広いこと」67.2%、2位「スライドドアであること」44.5%、3位「運転操作のしやすさ」44.0%と、プチバンの特長が選ばれましたが、コンパクトカー(登録車)と軽自動車の差を見てみると、コンパクトカー(登録車)は「スライドドアが電動であること」37.2%、「ウォークスルー(前席と後席の間で車内を移動できる)」20.6%や、「普段にもレジャーにも使えること」21.0%が軽自動車よりもポイントが高く、軽自動車は「税金や保険などの維持費が安いこと」49.6%、「燃費の良さ」51.0%、「小回りの良さ」41.8%の項目でコンパクトカー(登録車)に対し、大きな差が出ました。
■ プチバン購入後の満足ポイントは、「車内が広い」「運転操作のしやすさ」「ドア開口部の広さ」
コンパクトカー(登録車)と軽自動車では、購入後の満足ポイントにも違い
購入後の満足ポイントについて、全体では、1位「車内が広いこと」(87.2%)、2位「運転操作のしやすさ」(85.3%)、3位「ドア開口部の広さ」(84.7%)の満足度が高くなりましたが、コンパクトカー(登録車)と軽自動車の差を見てみると、「ウォークスルー(全席と後席の間で車内を移動できる)」(コンパクトカー(登録車):68.2%、軽自動車:28.2%)、「税金や保険などの維持費が安いこと」(コンパクトカー(登録車):47.2%、軽自動車:84.0%)、「視界の良さ」(コンパクトカー(登録車):66.6%、軽自動車:87.0%)、「車内で体を伸ばして寝られること」(コンパクトカー(登録車):44.6%、軽自動車:30.0%)で満足しているポイントに大きな差が出ています。
■ プチバン購入時の主な使用目的は、「普段使い」が6割
コンパクトカー(登録車)は「普段使い」だけでなく、「レジャー使い」「両方」を重視する傾向に
プチバンを購入する際の主な使用目的については、全体的に、普段使いを重視する傾向(普段使い39.3%、やや普段使い20.7% 合計60%)にありますが、軽自動車とコンパクトカー(登録車)で比べてみると、軽自動車は「普段使い」が46.8%と高いのに比べ、コンパクトカー(登録車)は普段使いだけでなく、「両方」31.6%、「レジャー使い」16.2%と、レジャー使いも重視する傾向がうかがえました。
■ プチバン利用用途は、「日常の買い物」「送迎などのちょっとした外出」「ショッピングセンターでのまとめ買い」と普段使いがメイン
コンパクトカー(登録車)は「旅行」などレジャー志向が高い結果に
さらに、購入後の実際の利用用途について、全体での1位は「日常の買い物」(82.8%)、2位「送迎などのちょっとした外出」(51.6%)、3位「ショッピングセンターでのまとめ買い」(46.0%)となりましたが、コンパクトカー(登録車)では、「家族や仲間連れでの日帰りレジャー」(45.4%)、「家族や仲間連れでの泊りがけの旅行」(30.8%)などのレジャー志向のポイントが高くなっていますが、軽自動車では、「送迎などのちょっとした外出」(57.4%)など、普段使いの方を重視している傾向がうかがえます。
■ 車の選び方に変化、プチバン購入時に約3割が、コンパクトカー(登録車)と軽自動車を横並びで検討し、特に20代
と40代男性は、高い傾向に
購入の際、全体の32.3%(コンパクトカー(登録車):34.4%、軽自動車:30.3%)が、コンパクトカー(登録車)と軽自動車を横並びに検討していたことがわかりました。さらにコンパクトカー(登録車)所有の20代の57.6%が軽自動車と比較検討しており、軽自動車所有の40代男性の42.9%がコンパクトカー(登録車)と比較検討しており、コストパフォーマンス意識が高く、実用性を重視する、20代と40代男性は、登録車と軽自動車を横並びで比較する人が多いことが判明しました。
■ コンパクトカー(登録車)を選ばなかった理由と軽自動車を選ばなかった理由に大きな差
プチバンカテゴリーの中で、コンパクトカー(登録車)保有者が軽自動車にしなかった理由として、「安全面が不安だったから」(25.7%)、「車両が小さいから」(23.2%)、「室内が狭いから」(22.8%)、「エンジンの性能が不満だったから(加速など)」(20.6%)といった点が高く、安全性や広さを重視しているのに比べ、軽自動車保有者がコンパクトカー(登録車)にしなかった理由としては、「税金・保険含め、維持費が高いから」(41.2%)、「税金・保険含め、購入時の経費が高いから」(33.6%)、「車両価格が高かったから」(29.0%)といった、主にコストに関する点を重視しています。
保険・税制について
■ 自動車関連の保険と税制に関しての認知は半数以下
2013年4月からの自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)の保険料見直しについては、「聞いたことがあり、内容も知っている」が10.5%とかなり低く、「内容は詳しく知らないが、聞いたことはある」35.0%をあわせても45.5%と半数を下回る結果となりました。また、日本のTPP参加による軽自動車の税制優遇見直しの動きについての認知度は「聞いたことがあり、内容も知っている」7.9%、「内容は詳しく知らないが、聞いたことはある」34.0%で、あわせて41.9%とさらに低くなっています。
■ 保険と税制の見直しは購入意向の6割以上に影響。軽自動車保有者は7割以上
自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)の保険料見直しで、軽自動車と登録車の保険料の差額が縮まっている点や日本のTPP参加により軽自動車の税制優遇見直しなど、税金や保険などのコスト面での差をなくす動きがあることが、購入意向に対して、「非常に影響する」15.0%、「影響する」48.5%と答えた人が全体の6割以上という結果となりました。
また、コンパクトカー(登録車)保有者は「非常に影響する」が8.4%、「影響する」が46.4%、軽自動車保有者では「非常に影響する」が21.6%、「影響する」が50.6%と、コストに関する点を重視する傾向にある軽自動車所有者に、より影響が大きいことがわりました。
総評
今回の調査結果から、プチバンの購入のきっかけは、ライフステージの変化(「就職」「結婚」「出産」「定年」)が影響していることが分かりました。子供が生まれたことをきっかけに、保育園や幼稚園への送迎や、普段の買い物で使い勝手の良さを考える人や、定年をきっかけに運転が楽な車を求める人が「プチバン」を購入し、8割以上が満足感を得ているようです。
また、プチバンカテゴリーの中でコンパクトカー(登録車)保有者と軽自動車保有者では、購入時の重視点、購入後の利用状況等について違いがあることがわかりました。コンパクトカー(登録車)保有者は日常使いだけでなく、レジャーでの使用意向も高く、さらに安全面に対して重視する傾向にあります。それに対し、軽自動車保有者は、主に日常使いをメインとして考え、全体的に税金や維持費などのコスト面を重視している傾向がみえましたが、自動車損害賠償責任保険の保険料見直しや、TPP参加による軽自動車の税制優遇見直しの動きについての認知度は低い結果となりました。
プチバン購入時にコンパクトカー(登録車)と軽自動車を横並びで検討している人が3割いることから、今後、これらの情報の周知が進んだ場合プチバンカテゴリー内での車選びに変化が起きてくる可能性があるといえるのではないでしょうか。
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