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「耐圧痕性向上深溝玉軸受」を開発【NTN】

2013年5月17日

【玉軸受の静的負荷能力向上で、円すいころ軸受から置き換え、低燃費化の実現!】

NTN㈱(以下、NTN)は、軸受軌道面の静的強度を高め、自動車のディファレンシャル*1(以下、デフ)やトランスミッションに使用可能な「耐圧痕性向上深溝玉軸受」を開発しました。

自動車の低燃費化やCO2排出量削減のニーズから、軸受にも一層の低トルク・高効率化が求められています。デフやトランスミッションなどの動力伝達部の軸受は、大きなスラスト荷重が作用するため、円すいころ軸受が多く使用されていますが、円すいころ軸受は回転トルクが比較的大きく、また組み立て時に予圧調整が必要であることが課題でした。一方、玉軸受は低トルクで、スラスト荷重の支持も可能ですが、本用途で求められる荷重負荷能力を満足する玉軸受はありませんでした。

今回開発した「耐圧痕性向上深溝玉軸受」では、熱処理工程で特殊な表面改質を施し、静的荷重負荷能力の指標であるブリネル圧痕*2深さを標準熱処理比約1/2に低減させました。これにより、デフ等に使用される円すいころ軸受の玉軸受による置き換えが可能となり、デフサイド軸受においては約60%*3のトルク低減が期待できます。また、組み立ておよび予圧管理工数も削減できるため、自動車の低燃費化だけでなく、自動車メーカでの生産性向上にも貢献します。

NTNは、本軸受を5月22日~24日にパシフィコ横浜で開催される「人とくるまのテクノロジー展2013」に出展し、グローバルに市場展開してまいります。

*1:自動車などの車輪のついた乗り物に使われる動力伝達装置で、車がカーブを曲がる時の内輪差(内側と外側の車輪の速度差)を吸収しつつ動力源から同じトルクを振り分けて伝えるための装置
*2:2物体のヘルツ接触において、材料の弾性限界を超える力が加わり、力が除かれたときに物体に残る塑性変形によるくぼみ
*3:2Lクラスデフサイド用円すいころ軸受で、エンンジン70%トルク負荷、時速100km/h走行時の比較

特長

(1) 静的荷重負荷能力 : ブリネル圧痕深さ1/2 標準熱処理比
(2) 軸受トルク : 60%低減 円すいころ軸受比
(3) 組み立て工数削減 : トランスミッション組み込み時の予圧調整不要

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