ニュース

安全をスタンダードに EUでモーターサイクル用ABS装備が義務化【ボッシュ】

2013年3月8日

ボッシュがあらゆる車両クラスに対応したソリューションを提供

・ 2016年からEUでABS装備が義務化
・1994年に量産が開始されてから75万個を製造
・ABSが生命にかかわる深刻な事故の1/4を防止可能

交通事故の発生数をさらに減少させるため、3月初めに欧州議会でモーターサイクルにABS(アンチロック・ブレーキ・システム)の装備を義務化する法案が可決されました。これによって、ヨーロッパで次第に増えつつあるモーターサイクルに2016年からABSが標準装備されることになります。ヨーロッパの路上では、2011年だけでも約5,000人のライダーの命が失われているのが現状です。ボッシュ・シャシーシステム・コントロール事業部長のGerhard Steigerはボッシュの事故調査報告をもとにこう述べます。「ABSが標準装備されることで、人身事故を含め、モーターサイクルに関連する事故全体の1/4以上を防ぐことができます」

ボッシュは1994年からモーターサイクル用ABSの生産を開始し、これまでに約75万個を供給してきました。また、2010年にはモーターサイクル専用に設計した新世代のABSを発表しました。それ以降も性能を向上させるべく、継続的に追加機能の開発を進めています。 同じく2010年には、ABSが安全性の向上に大きく貢献したとして、ADAC(ドイツ自動車連盟)から「イノベーション&環境」部門のイエローエンジェル賞を授与されました。

全クラスのモーターサイクルの安全性を向上

今後は新しいEU規制に従って、排気量125cc以上のモーターサイクル全車にABSの装備が義務化されます。2016年1月1日以降、この規制は認可モデルのモーターサイクルに適用され、さらに2017年からは新車登録された全モデルに適用されることになります。また、排気量50cc程度の小型モーターサイクルには、ABSまたはコンバインド・ブレーキ・システムのどちらかの装備が課されます。このコンバインド・ブレーキ・システムは、前輪と後輪を機械的にリンクさせるシステムのことで、ブレーキング時に減速する力が常に両輪にかかります。ただ、ブレーキ圧は調整されないため、ホイールがロックする可能性があります。
欧州議会と欧州閣僚会議でABS義務化が可決されたことにより、今後はこの規制がEU官報に記載され、公に効力を発することになります。

ボッシュが車両クラスすべてをカバーするソリューションを提供

ボッシュは2010年から世界最小・最軽量のモーターサイクル用ABSの量産を開始しました。このモーターサイクル用ABS「Generation 9」はさまざまなモデルのモーターサイクルに装備することができます。標準化されたモジュラー設計をベースに、ボッシュは各モーターサイクルメーカーの要求に合わせて個別に調整したソリューションを提供しているからです。例えば、2013年初めに発売が開始されたABS 9 light(エントリーレベルのバリエーション)は、アジアの新興成長市場では一般的となっている低価格のモーターサイクルに合わせて、前輪を制御する油圧ブレーキの回路が1つになっています。さらに、ボッシュのABSには、前後両輪を制御するABS 9 base、ABS 9 plus、電子制御式コンバインド・ブレーキ・システム(eCBS)に使用されるABS 9 enhancedなど、さまざまなバリエーションが各種揃っています。特に最上位バリエーションとなるABS 9 enhancedでは、ライダーが前輪または後輪のみにブレーキをかけた場合でも、自動的にブレーキ圧を可変配分しますので、圧力を別途調整したり、ブレーキレバーを操作する必要はありません。

横浜にあるボッシュの技術開発拠点で開発された、モーターサイクルの安全に寄与する画期的な製品が2013年初旬に発売予定です。この製品は、スリップしやすい路面でも加速力をアップするTCS(トラクション・コントロール・システム)、つまりABSとトラクションコントロールのセッティングを路面に合わせて調整するためABSに付加された機能(オフロードコントロール機能)で、これを装備すれば、砂地や砂利道など、粗い路面でも安全性がさらに向上するだけでなく、よりダイナミックなライディングスタイルを楽しめるようになります。このことからもおわかりいただけるように、モーターサイクルの安定性の制御は、高性能なモーターサイクルの安全性を最大限に高めることにつながります。「この製品は、コーナリングを含め、加速/減速を行うあらゆる状況でライダーを支援する初のシステムとなります」(Steiger)。また、MSC(モーターサイクル用スタビリティコントロール)ではブレーキの介入を正確に評価するためにモーターサイクルの現在のリーンアングルに関する情報が必要となりますが、こちらもボッシュ製の新しいSU-MM5.10傾斜角センサーがこの情報を提供します。

広報担当窓口:
Stephan Kraus Tel: +49 711 811-6286

ボッシュ・グループ概要 The Bosch Group at a Glance

自動車機器テクノロジーセクターはボッシュ・グループ最大の事業セクターです。速報値では、2012年の売上高は 30.9 億ユーロで総売上高の約59%を占めています。自動車機器テクノロジーの売上により、ボッシュ・グループはリーディング・サプライヤーのポジションを確立しています。 全世界で約171,000人の自動車機器テクノロジーセクターの従業員が、内燃機関用噴射技術、パワーワトレイン周辺機器、 代替駆動コンセプト、アクティブ/パッシブセーフティシステム、ドライバーアシスタンス/コンフォート機能、車載情報通信システム、オートモーティブアフターマーケット向けのサービスや技術という7つの事業分野で働いています。
ボッシュ・グループは、電気駆動マネジメントや横滑り防止装置ESC(エレクトロニック・スタビリティ・コントロール)、ディーゼルシステム用コモンレールなどの重要な革新的自動車技術にも対応しています。

ボッシュ・グループは、グローバル規模で革新のテクノロジーとサービスを提供するリーディング・カンパニーで、自動車機器テクノロジー、エネルギー・建築関連テクノロジー、産業機器テクノロジー、消費財の4つの事業エリアで活動をしています。
速報値では2012年度の従業員数は30万6000人以上、売上高は523億ユーロを計上しています。ボッシュ・グループは、ロバート・ボッシュGmbHとその子会社 約350社、世界約60カ国にあるドイツ国外の現地法人で構成されており、販売、サービス代理店のネットワークを加えると、世界約 150カ国で事業展開していることになります。この開発、製造、販売、サービスのグローバル・ネットワークが、ボッシュのさらなる成長の基盤となっています。
なおボッシュでは2012年に約45億ユーロにもおよぶ金額を研究開発に投じ、さらに全世界で4,700件以上もの国際特許の基礎特許(第一国出願)を出願しています。
ボッシュ・グループの製品とサービスは、革新的で有益そして魅力的なソリューションを提供することを通して、人々の生活の質(Quality of Life)を向上することを目的としています。この方針に基づきボッシュは全世界においてテクノロジーを提供しています。それこそが“Invented for life”です。

さらに詳しい情報は
www.bosch.com ボッシュ・グローバル・ウェブサイト(英文)
www.bosch-press.com ボッシュ・メディア・サービス(英文)
を参照してください。




ボッシュ株式会社ホームページはこちら

キーワードをクリックして関連ニュースを検索

#ボッシュ
#アクティブセーフティ
#ABS