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ボッシュの油圧式ハイブリッドパワートレイン 日常にドライブの楽しさをプラス 従来の製品よりもブレーキのエネルギーを効率的に回生する代替パワートレイン【ボッシュ】

2013年3月13日

■市街地での運転時に燃費を最大45%削減可能

■コストパフォーマンスに優れ、堅牢性が高く、メンテナンスしやすいハイブリッド駆動

■世界で初めて空圧式プレッシャーアキュムレーターを装備した油圧式ハイブリッドシステム



ボッシュの新しい油圧式フルハイブリッドパワートレインは、節約することが楽しみになると教えてくれます。ボッシュは、コンパクトカーの燃費とCO2の排出量を大幅に削減する油圧式のハイブリッドパワートレインを提供するために、PSAプジョーシトロエンと提携し、共同でこの技術の開発を進めています。このシステムは、市街地を走る小型トラックを始め、その他の車両セグメントの乗用車にも導入が可能です。

この油圧式フルハイブリッドパワートレインは、通常は複雑な電気駆動装置でようやく実現できるブースト効果をこのシステムでも得られるように設計されており、従来の内燃機関と窒素を用いるプレッシャーアキュムレーターを装備したハイドロリック ユニットを組み合わせ、シンプルなブースト効果で加速を可能にしています。ガソリンエンジンや ディーゼルエンジンが最適な効率で稼働していなくても、サポートできます。

動力分岐方式が採用されているので、さまざまな方法で車両を駆動させることが可能です。短距離であれば、内燃機関は作動させず、車両から排ガスを一切出すこともなく、油圧生成エネルギーで蓄積されたエネルギーのみを使用して走行することができます。一方、長距離や高速で運転する場合は、内燃機関を使用して加速力を生みだします。 2つの方式のパワートレインを組み合わせることもできます。この場合は、ハイドロリックシステムに蓄積されたエネルギーと内燃機関内での燃料の燃焼によって車両を駆動させ、シンプルなブースト効果を生み出します。

ボッシュとPSAプジョーシトロエンは、この技術に大きな可能性を見出しています。NEDC(新欧州ドライビングサイクル)では、従来の内燃機関と比べ、燃費を最大30%削減できる可能性があり、市街地で走行する場合に限れば、最大45%削減することもできます。この結果からみても、代替パワートレインを使用することで、コンパクトカーの幅を著しく広げられるようになります。また、2種類のパワートレインのコンポーネントを緻密に配置すれば、効率性をいっそう高めることもできます。

さらにハイブリッドシステムは、通常はそのまま捨てられるエネルギーを有効に活用することができます。たとえば、ブレーキをかけた場合には、油圧アキュムレーターがすぐに充填されます。ブレーキをかけたときに取り込まれる運動エネルギーが油圧エネル ギーに変換され、プレッシャーアキュムレーター内に蓄積されるからです。通常、このエネルギーはブレーキの摩擦ライニングの熱へと変わり、放散されるだけで終わってしまいます。ハイブリッドパワートレインの利点は、車両を一定速度で駆動する際にも明らかです。油圧エネルギーアキュムレーターを充填しながら、エンジンを高い効率の範囲で駆動させることができるからです。

この油圧機械式パワートレインシステムは、コストパフォーマンスに優れ、堅牢性が高く、メンテナンスしやすいハイブリッドパワートレインを目指しています。また、特殊なインフラが不要なため、世界中どのような場所でも導入できるシステムとなります。

システムの技術について

油圧式ハイブリッドパワートレインは、従来の内燃機関のほかに、プレッシャーアキュムレーターとリザーバータンクを備えています。油圧ユニットがハイドロリックフルードを使用してガスクッションを圧縮し、油とガスが互いに分離した状態に保たれます。ガスがコイルスプリングのように圧縮されることで、ガスクッションはエネルギーを蓄え、この時点でのシステム内の圧力は300 barを超えます。なお、プレッシャーアキュムレーターに蓄積できるエネルギー量はシステムのサイズによって異なります。アキュムレーター内の圧力が低下するとすぐにシステムが逆方向に作動し、ガスが再び膨張すると、ハイドロリックフルードに圧力が加えられて油圧モーターが駆動します。このモーターは蓄積されたエネルギーを受け取り、トランスミッションを介して車両へと送られます。

ただ、プレッシャーアキュムレーターの容量や範囲には、電気自動車に搭載されるリチウムイオンバッテリーに比べて限界があります。しかし、本システムを活用すれば、充電時間を短くし、内燃機関から排出される余分なエネルギーをより効率的に利用できるようになります。

ボッシュとPSAの協力について

PSAプジョーシトロエンとボッシュのこうした緊密な協力関係は、2008年に技術提携したことから始まります。この戦略的なパートナー関係をベースに、プジョーは2011年に、アクスルスプリットパワートレインを搭載した世界初の量産ディーゼルハイブリッド乗用車となる3008 HYbrid4の発売を開始しました。PSAプジョーシトロエンはボッシュと密な連携を保ち、電気部品(電気モーター、パワーエレクトロニクス、高圧ジェネレー ター)のほかにも、独自の技術設計を行ったハイブリッド車向けのESC(エレクトロニック・スタビリティ・コントロール)を開発しました。また、このパワートレインコンセプトはすでにPSAのプジョー508(RXHステーションワゴンとHYbrid4セダン)とシトロエンDS5 HYbrid4モデルにも採用されています。なお、ボッシュは上記モデル向けに電気式パワートレイン用の部品も提供しています。





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