車載用ハイサイドIPS（インテリジェント・パワー・スイッチ）をサンプル出荷【IRジャパン】

インターナショナル・レクティファイアー
車載用ハイサイドIPS（インテリジェント・パワー・スイッチ）をサンプル出荷
～アクティブdi/dt制御で伝導EMI（電磁干渉）雑音を低減～

パワー・マネジメント（電源管理）技術で世界をリードするインターナショナル・レクティファイアー・ジャパン（IRジャパン）株式会社（本社：東京都豊島区）は1日、ハイサイド（*1）構成の車載用IPS（インテリジェント・パワー・スイッチ）「AUIR3330S」のサンプル出荷を開始しました。IPSは、保護回路と制御回路を備えたパワーMOSFETで、スイッチに適しています。
独自のアクティブdi/dt制御機能を備えていることが特徴で、伝導EMI（電磁干渉）雑音やスイッチング損失を低減できます。車載用のモーター駆動向けで、設計が簡素化され、システム全体のコストを削減できます。

AUIR3330Sの耐圧は40Vで、パワーMOSFET、ブートストラップ・レギュレータ、チャージ・ポンプ回路、ハイサイド駆動回路を搭載しています。デューティ比100％のとき、最大スイッチング周波数40kHzで負荷を駆動できます。過電流時や過熱時に回路を遮断（シャットダウン）する保護機能も備えています。この保護機能は、ポンプやファンなど厳しい車載環境で動作するときに要求されます。過電流保護機能で遮断するときの電流は、5A～50Aの範囲で設定可能です。電流検出の帰還、診断、ESD（静電気放電）保護などの機能もあります。スリープ・モードでは低消費電流です。
アクティブdi/dt制御は、スイッチング損失を増やさずに入力電源の伝導EMIを劇的に低減します。これによって、高効率な小型モーター・システムのヒートシンク（冷却器）やEMI（電磁干渉）フィルタの大きさを小型化できます。AUIR3330Sのオン抵抗（内部抵抗）は最大値で3.5mΩ（接合部温度25℃のとき）。最大接合部温度は150℃。パッケージは7ピンのD2Pakです。

この製品は車載部品の品質規格AEC-Q100に準拠しています。鉛フリーで欧州の規制RoHS（特定物質の使用規制）に準拠しています。ゼロ・ディフェクトを目標とするIR社の車載品質イニシアチブの対象製品です。
パッケージがD2PakのAUIR3330Sの10万個購入時の単価は1.50米ドルからの予定です（米国での参考価格）。
「AUIR3330S」のデータシートはこちらです。

用語説明

*1）ハイサイド：
大電力スイッチング回路の出力に同極性のパワーMOSFET（通常はnチャネル）を直列に接続して（トーテムポール出力）、ハーフブリッジ回路を構成した場合、上側のMOSFETをハイサイドMOSFET（電流を供給する役割）、下側のMOSFETをローサイドMOSFET（電流を吸い込む役割）と呼びます。

インターナショナル・レクティファイアー（IR^®）社について

IR社はパワー・マネジメント（電源管理）技術のリーダーです。IR社のアナログIC、アナログ／デジタル混在IC、最先端デバイス、電源のシステムや部品は、コンピュータの性能向上や、世界で最も電力消費の大きいモーターの省エネに貢献しています。コンピュータ、省エネ家電、照明器具、自動車、衛星・航空・防衛システムなどの主な製造企業は、次期製品の性能向上のためにIR社のパワー・マネジメント・ソリューションに頼っています。本社は米国のカリフォルニア州エルセグンド。