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再生可能エネルギーを活用したe-gasプラントを建設【アウディ ジャパン】

2012年12月18日

ドイツ北部に最新鋭のプラントを建設
Audi e-gasプロジェクトは、持続可能なモビリティへの道標
e-gas生成は2013年初頭に開始

アウディは、12月13日にドイツ北部のヴェルルテにおいて、Audi e-gas (アウディ イーガス) プラントの棟上式を行ないました。4つのリングのエンブレムで知られるアウディは、持続可能な燃料生成プラントを建設する初の自動車メーカーとなります。このプラントで生成されるのは、水素および合成Audi e-gasで、気候に影響を与えることなく、新型Audi A3 Sportback TCNG用の燃料を作り出すことができます。

CO2と再生可能エネルギーに由来する電気を使用して合成メタン(e-gas)を生成する世界初の商業プラントを、ドイツ北部のヴェルルテに建設中です。同プラントで生成されたAudi e-gasは、既存の天然ガスネットワークへ供給することが可能です。「このPower to gas (パワー トゥ ガス) テクノロジーは、持続可能なモビリティと未来のエネルギー産業に新たな可能性を開きます。e-gasプロジェクトは、自動車に代替エネルギーを応用するアプローチの第一歩です」と、AUDI AGサステイナブル プロダクト デベロップメント責任者のライナー マンゴールドは述べています。

Audi e-gasプラントは、再生可能な方法で作り出した電気を、電気分解に使用して、6メガワットのパワーを他のエネルギー形態に変換する能力を備えています。この電気分解を通じて、水分子を酸素と水素(Audi e-hydrogen)に分解します。Audi e-hydrogenは、将来的に燃料電池車用のエネルギーとして利用することができます。しかし、現在の時点では水素インフラストラクチャーの整備が行き届いていないため、メタン生成ユニット内で水素をCO2と反応させ、再生可能な合成メタンであるAudi e-gasを生成します。化学的には、Audi e-gasは化石燃料の一種である天然ガスとほぼ同一です。したがって、2013年から、既存の天然ガスネットワークを介して圧縮天然ガス(CNG)ステーションに供給することが可能で、天然ガス車両の燃料として利用できます。

Audi e-gasプラントで使用するCO2は、ドイツの電力会社EWEが運営する近隣のバイオガスプラントから排出される産業廃棄物です。CO2は、そのまま排出されると環境に影響を与える廃棄物となりますが、Audi e-gasプラントにおいて化学的に水素と結合することにより、気候ニュートラルなAudi e-gasを生成することができます。e-gasプラントでは、年間約1,000トンのe-gasを生成し、約2,800トンのCO2を化学的に結合させます。これは、224,000本のブナが1年に吸収するCO2量に相当します。

Audi e-gasは、エネルギー内蔵量が大きく、内燃エンジン用として理想的です。ヴェルルテプラントでは、毎年1,500台の新型Audi A3 Sportback TCNGがそれぞれ15,000kmを走行できる量に相当するCO2ニュートラルなe-gasを生成します。コンパクトな5ドアモデルであるA3 Sportbask TCNGは、2013年後半に市販される予定です。さらにアウディは、2015年にA4をベースとした第2のTCNGモデルを投入する計画です。

特殊な認証を経て、Audi TCNGモデル所有者が購入するe-gasと同一量のe-gasが、プラントからネットワークに供給されることが確認されます。グリーンパワーの調達確認には、これと同様のバランスサイクル手法が使用されます。

ドイツのエネルギー産業にも、Audi e-gas戦略の恩恵がもたらされるでしょう。アウディの新戦略は、再生可能な方法で生成した電気エネルギーを、いかに効率的かつ場所を問わずに保管できるかという非常に難解な課題に対してひとつの解決策を示しています。大量の風力エネルギーや太陽エネルギーを電気/ガス理論に基づいて備蓄する方法が確立できれば、再生可能エネルギーの大幅な利用拡大が促進されるでしょう。Audi e-gasプロジェクトは、天然ガスネットワークを持つ地域であれば、どこでも簡単に再現することができます。

ヴェルルテのAudi e-gasプラントは、電力会社EWE AGが所有する4,100m2の敷地内において、2012年9月に工事が着工し、現在建設が進められています。プラントの所有者として、アウディは装置メーカーのSolarFuel GmbHと協力して建設を行なっています。エネルギーフロー最適化のための優先順位付けもすでに完了しています。たとえば、電気分解やメタン化の課程で発生する余剰熱は、近隣施設で利用される予定で、プラント全体の効率を高める取り組みが考慮されています。

電気分解ユニットの設置が完了すると、メタン化リアクターの設置と接続が行われます。この専用ユニットは、16メートルの高さがあり、フォルクスワーゲングループにおけるアウディの姉妹会社であるMANから供給されます。e-gasの生成は、2013年初頭に始まり、同年夏には公共天然ガスネットワークに供給される予定です。

AUDI AGは、2012年11月にe-gasプロジェクトに関する表彰を受けました。「効率的で環境に優しいエネルギー利用に関するワーキンググループ」(ドイツ語略称:ASUE)は、「環境に優しいモビリティ」カテゴリーにおいて、「革新技術および気候保護のためのガス業界賞」と賞金15,000ユーロをアウディに授与しました。



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