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世界初、車載用ディスプレイの直射日光補正機能を搭載したLSI 「Vivid View Processor™ 3」を開発【富士通テン】

カーナビゲーションブランド「ECLIPSE(イクリプス)」を展開する富士通テン㈱(本社:兵庫県神戸市、代表取締役社長:重松 崇 資本金:53億円)は、世界初(*1)車載用ディスプレイに直射日光が当たった際の視認性を向上させるLSI「Vivid(ヴィヴィッド) View(ビュー) Processor(プロセッサ)TM 3(以下VVP3)」を、富士通セミコンダクター㈱(*2)および㈱富士通研究所(*3)と共同開発しました。
このLSIでは、LEDバックライト制御による省電力化も実現しています。

当社では、カーナビの地図をはじめ様々な情報を表示するディスプレイは、人と車をつなぐ重要なインターフェースのひとつであると考え、より高い視認性、操作性を目指し開発に取り組んでいます。

今回開発したVVP3は、2007年のVVP1“くっきり・はっきり・あざやかに”と、2009年のVVP2“車載カメラ(前方・後方)映像の視認性向上”に、新たに開発した“直射日光補正技術”を加えた画質補正LSIです。

本LSIは、今後自社のカーナビゲーションシステム新製品に順次搭載していきます。まずは、市販製品ECLIPSEの国内向け次期モデルに搭載する予定です。

開発背景

車のダッシュボード前面に取り付ける車載用ディスプレイには、太陽光が直接当たることも少なくありません。太陽光が当たるとその反射でディスプレイが白っぽく見えてしまい、特に暗い色(低階調・低彩度)の区別がつかなくなり視認性が大きく低下します。カーナビの地図やバックカメラの映像など、ディスプレイを確認する瞬間に直射日光が当たることもあります。
安全で安心、快適な移動空間の提供を目指す当社では、その一瞬でさえ改善が必要だと考えました。
また、地球環境保全のため、車載電子機器の省電力化も重要課題のひとつであり、ディスプレイにおいて2/3を占めるLEDバックライトの「電力削減」と上記「視認性向上」の2つの開発に取り組みました。

VVP3の特長

● 直射日光下でも視認性の良いディスプレイ表示を実現 New!
● バックライト制御による省電力化 New!
● 映像を「くっきり・はっきり・あざやかに」表示
● 低コストLQFP(*4)パッケージ(144ピン、16mm×16mm)の採用により、カーナビゲーションシステムなど製品
への搭載が容易

今回開発した技術の特長

直射日光補正
1.  原画の階調(*5)、彩度を瞬時に補正
入力画像を解析し、画像の場所ごとに階調差をつけて、どのような明るさの領域も明暗差を拡大できるようにする「局所補正」、暗い領域の階調をつぶれが生じにくい明るい階調に移す「階調補正」、色の薄まりを抑制して鮮やかにする「彩度補正」を組み合わせて、見えにくくなる暗部のコントラストおよび彩度を瞬時に自動補正。

2直射日光の照度に応じて補正強度を調整
様々な要因(季節・時間・車両・場所)により変化する太陽光を照射センサで検知。照射量に対し補正強度を調整し、画質劣化度合いに応じた最適な映像に補正する。また、短時間での太陽光の急激な照度量変化の繰り返しにも対応できるよう、応答速度も調整。

バックライト制御

1ディスプレイ部の消費電力を最大54%、平均24%低減(当社従来品比)

2画質劣化を最小限に抑えながらバックライトを省電力化
シーン毎に映像データを解析し、暗い映像の場合は発光量を少なく、明るい場合は発光量を多く、最適な発光量に制御する。(従来はどのような映像も同じ発光量)
その際、バックライト発光量に応じ映像データの明るさレベルを補正し、原画同等の表示を行う。

(*1) 2011年5月現在当社調べ
(*2) 富士通セミコンダクター㈱:本社 神奈川県横浜市、代表取締役社長 岡田晴基
(*3) ㈱富士通研究所:本社 神奈川県川崎市、代表取締役社長 富田達夫
(*4) LQFP:Low Profile Quad Flat Package
(*5) 階調:色や明るさの濃淡の段階


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