ニュース

ダイカスト金型の寿命を向上させる新しい表面処理プロセスの開発と受託加工の開始のお知らせ【新東工業】

2012年10月31日

新東工業㈱(本社:名古屋市、永井  淳社長)は、ダイカスト金型の寿命向上技術において、トータルでソリューションする新しい表面処理プロセスを開発し、受託加工を開始いたしました。

ダイカストマシンによる製品の生産では、高サイクルな生産やダイカスト製品の軽量化、部品一体化による金型の大型化などによって、金型へのコスト負担がますます大きくなっており、金型の長寿命化は、重要な課題となっております。

これまでは、ダイカスト金型の冷却孔に応力腐食割れが発生する度に、金型を交換しなければなりませんでしたが、新たに開発した表面処理プロセス「D-SCC」(デーエスシーシー)では、ピーニングを施すことで金型に圧縮残留応力を付与し、応力腐食割れの発生を抑制することが可能となり、金型の交換回数が半減できるようになりました。
また、従来行われていた特殊な熱処理や皮膜処理では、金型の表面のみの硬質処理のため、内部からの影響を大きく受ける熱疲労き裂を防止することができませんでした。これに対して、金型の状態に合わせて、最適なピーニングを施す表面処理プロセス『D-CHECK』(ディーチェック)では、熱疲労き裂を防止すること(耐ヒートチェック対策)ができ、金型寿命の向上を図ることができます。

当社では、これらの新技術に加え、既存の表面処理プロセスであるダイカスト製品の不良率を低減する『D-FLOW』(ディーフロー)や窒化処理+ショットピーニング処理で、耐ヒートチェック対策する『アミナイトDS』(大同DMソリューション、大同特殊鋼、新東工業の3 社で共同開発)などで、ダイカスト業界へトータルでソリューションする表面処理プロセスをお届けします。

当面は、当社の一宮事業所(愛知県豊川市)の専用設備で、受託加工を開始し、既存技術および新技術のトータルで、2014年度には、1億円/年程度の売上を見込んでおります。

尚、この新たな表面処理プロセスは、本年11月8日(木)から11月10日(土)の3日間、パシフィコ横浜で開催される「2012日本ダイカスト展示会」に出展いたします。

特長

D-SCC
適応寸法

孔径:φ4mm以上、深さ200mm以下

寿命向上 耐応力腐食割れ3倍以上
D-CHECK 適応寸法 □800mm以下
寿命向上 耐ヒートチェック2倍以上

※寿命効果は条件により異なります

用語解説

応力腐食割れ

引張残留応力と腐食の相乗作用で発生する割れをいう

ピーニング 材料表面を無数に叩く(衝撃を加える)ことにより様々な効果があり、主として圧縮残留応力の付与と加工硬化より疲労強度を向上させる工法。代表例としてショットピーニングがある
圧縮残留応力 引張・圧縮・曲げ・熱処理などの外力に対して物体内部に生じ、外力を除いたあとにも保留される応力を残留応力という
耐ヒートチェック 金属材料に熱膨張と冷却収縮が繰返し発生することで発生する熱疲労き裂をヒートチェック(ヒートクラック)といい、その耐性力。


問い合わせ先 : 新東工業㈱  コーポレート部(広報担当)
TEL : 052-582-9211
FAX : 052-586-2279



新東工業株式会社ホームページはこちら

キーワードをクリックして関連ニュースを検索

#新東工業
#表面処理