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NXP、ソフトウェア・デファインド・ビークル開発の障壁を解消する オープンなS32 CoreRideプラットフォームを発表

2024年4月2日

  

NXP、ソフトウェア・デファインド・ビークル開発の障壁を解消する オープンなS32 CoreRideプラットフォームを発表

  

• プロセッシング、車載ネットワーキング、システム・パワーマネジメントを統合ソフトウェアと組み合わせた業界初のプラットフォームにより、複雑性、拡張性、コスト効率、次世代自動車に求められる開発課題を解決

•市場をリードするソフトウェアおよびTier 1サプライヤと協力し、システム性能を最大限に実現する使いやすい車載統合プラットフォームを提供

•併せて、S32 CoreRideセントラル・コンピューティング・ソリューションを可能にし、クラス最高のリアルタイム性能を提供する車載用スーパーインテグレーション・プロセッサS32Nファミリも発表し、OEMに効率的で柔軟なプロセッシングの選択肢を提供

車載プロセッシングの世界的リーダーであるNXP Semiconductorsは次世代のソフトウェア・デファインド・ビークル(SDV)開発の統合への障壁を解消するS32 CoreRideプラットフォームを発表しました。業界初となるこの新しい車載ソフトウェア・プラットフォームは複雑な車載アーキテクチャ開発を大幅に簡素化し、自動車メーカーやTier 1サプライヤのコストを削減します。

S32 CoreRideプラットフォームはNXPが開発したS32コンピューティング、ネットワーキング、システム・パワーマネジメントと、NXPの広範なソフトウェア・パートナー・エコシステムから提供された、すぐに導入可能なソフトウェアを統合しています。さらに、NXPは新しい車載スーパーインテグレーション・プロセッサ「S32Nファミリ」をベースとした初のセントラル・コンピューティング用S32 CoreRideソリューションも発表しました。本ソリューションはリアルタイム処理、アプリケーション処理、車載ネットワーキングを安全かつスケーラブルに組み合わせています。

SDVの実現には将来性がある一方で克服すべき課題もあります。車両フリートでアップグレード可能な機能と新たな収益源が求められているため、新しいソフトウェア・デファインド・アプローチが喫緊の課題となっています。さまざまな車両クラスでハードウェア・デファインド・モデルが普及しているため、最新の車載アーキテクチャの開発フローを維持するのが非現実的になりつつあります。

S32 CoreRide プラットフォーム:統合と集約
NXPのS32 CoreRideプラットフォームはSDVの迅速な導入の障壁となっているソフトウェアとハードウェアの統合に関する課題を克服する次世代のマイルストーンを提供します。ソフトウェアとアーキテクチャの整合性がとれていないため、自動車メーカーは従来型のマルチECUからゾーン型または集中型処理への機能の移行に苦慮していました。今回発表した新しいプラットフォームはNXPの広範なハードウェア・ポートフォリオと、Accenture ESR Labs、ArcherMind、Blackberry QNX、Elektrobit、ETAS、Green Hills Software、Sonatus、Synopsys、TTTech Auto、Vector Informatik GmbH、Wind Riverのほか、ValeoなどのTier 1サプライヤなど、包括的なエコシステムを形成する世界有数の車載専門企業から提供されたソフトウェアを統合したものです。

OEMはS32 CoreRideプラットフォームのスケーラブルなS32演算機能を活用することで、ECUを統合するだけでなく、ドメイン型やゾーン型、集中型まで、車両クラスや世代を超えて拡張できる柔軟なアーキテクチャを開発することができるようになりました。このプラットフォームはさまざまな車載機能をアイソレーションできるため、アプリケーション間の干渉が発生せず、リソースを動的に再割り当てすることで、アプリケーションのパフォーマンス低下を防止します。S32 CoreRideプラットフォームにはこうした高いレベルの統合性と柔軟性が備わっているため、自動車メーカーとTier 1サプライヤはこれを活用して差別化と新たなビジネスモデル向けのアプリケーション・ソフトウェア開発に注力し、開発をさらに前進させることができます。

NXPの上級副社長 兼 オートモーティブ組み込みシステム担当ゼネラル・マネージャーのHenri Ardevolは次のようにコメントしています。「車載業界ではソフトウェア・デファインド・ビークルへの移行にあたり、前例のないレベルの革新が起きつつあります。この10年間で、多くの業界がイノベーション・サイクルの高速化に成功し、シリコンとソフトウェアを緊密に連携させることで低コストと高性能を効果的に両立してきました。NXPのS32 CoreRideプラットフォームの登場により、自動車メーカーはさらに迅速でオープンな開発パスを採用し、SDV開発へのアプローチを根本的に変えることができるようになります。」

新しいS32Nファミリをベースにした初のセントラル・コンピューティング向けソリューション「S32 CoreRide」
さらに、NXPはS32 CoreRideプラットフォーム初のソリューションとして、新しい車載用スーパーインテグレーション・プロセッサ「S32Nファミリ」をベースとしたセントラル・コンピューティング・ソリューション、先進的な車載ネットワーキング、システム・パワーマネジメント、S32 CoreRideオープン・パートナー・エコシステムによる統合済みソフトウェアを発表しました。このセントラル・コンピューティング・ソリューションを導入すれば、自動車メーカーはS32Nファミリの車載グレードのハードウェアアイソレーション機能で用意される、アイソレーション可能な実行環境における多くの車載クロス・ドメイン機能を安全かつ容易に統合することができます。

スケーラブルなS32Nファミリは最高レベルの車載機能安全を実現するように設計されています。リアルタイム・コアとアプリケーション・プロセッシング・コアの組み合わせが複数用意されており、自動車メーカーの幅広いセントラル・コンピューティングのニーズに対応します。すべてのS32Nデバイスは先進的なハードウェア・セキュリティ・エンジン、マルチポートTSNイーサネット・スイッチ、CANハブを統合しています。一部のデバイスはイーサネット・パケット・アクセラレーション、AI/MLアクセラレーション、コスト効率の高いコンピュート間PCI Expressサービスもサポートしています。

S32 CoreRideセントラル・コンピューティング・ソリューションはネットワーク帯域幅と電源供給の要件を満たすように最適化されており、ISO 26262 ASIL D機能安全要件を遵守するよう設計されています。車両のデータ・インテリジェンスを提供することで、SDVのメリットを引き出すことができ、車両の耐用年数にわたって機能の強化や新しいサービスの展開と収益化を効率的に進めることができます。

セントラル・コンピューティングと新しいS32Nファミリについての詳細はこちらをご覧ください。

エコシステムの声
Accenture ESR Labs社、CTO、Gerd Schäfer氏
「Accenture ESR LabsとNXPは長年にわたり緊密な協力関係を築いてきました。私たちはNXPの技術を長期にわたって使用しており、こうした協力関係から、組み込みソフトウェア・プロジェクトの成功に必要な最高のパフォーマンスを実現しました。新しいS32 CoreRideプラットフォームが持つさまざまな可能性を追求し、SDVの開発に伴うハードルを大幅に下げることを楽しみにしています。」

ArcherMind、エンジニアリング担当EVP、Xiaodong Zou氏
「ArcherMindはNXPのS32 CoreRideプラットフォームの登場を心から歓迎します。ソフトウェア・デファインド・ビークル開発の共通基盤が登場したことにより、統合が劇的に簡素化され、私たちもソフトウェア開発におけるペインポイントを解消するFusionWiseミドルウェア・ソフトウェア・ソリューションにフォーカスし、お客様とその最終顧客に付加価値を与えることができます。」

BlackBerry QNX、製品・戦略担当VP、Grant Courville氏
「自動車業界が完全にソフトウェア・デファインド・ビークルに移行する中、ソフトウェア・ベンダーとシリコン・ベンダーの緊密な協力関係がますます重要になっています。NXPのオープンなS32 CoreRideプラットフォームとの関係を深めることでこの進化に対応し、業界の現在と将来のニーズを満たすハードウェアとソフトウェアの統合ソリューションを提供できることを嬉しく思います。」

Elektrobit、マネージング・ダイレクター、Mike Robertson氏
「今回の発表はソフトウェア・デファインド・モビリティへの移行を進めるOEMやTier 1サプライヤにとって素晴らしいニュースです。Elektrobitが提供するEB tresos、EB corbos、EB zoneoなどの安全かつセキュアな製品がNXPのスケーラブルでオープンなS32 CoreRideプラットフォームに緊密に統合されたことにより、早期試作段階から量産準備段階まで、開発が迅速に進みます。NXPとElektrobitが共同で提供する製品は市場投入期間の短縮、統合の複雑さとコストの削減を実現します。」

ETAS、RTAソリューション担当VP、Nigel Tracey氏
「自動車業界のお客様はソフトウェア・デファインド・ビークルのイノベーションを市場に提供できるようにするため、ハードウェアとソフトウェアの強固な基盤を必要としています。NXPのオープンなS32 CoreRideプラットフォーム・エコシステムは協力して業界をリードするテクノロジを提供しており、ETASはその一員であることを光栄に思います。NXPのS32ハードウェアとデバイス・ドライバ・ポートフォリオに用意された多様なデバイス、ETASの高性能、低オーバーヘッド、安全かつセキュアなAUTOSAR Classic、Adaptive、ハイパーバイザ・ソフトウェアを組み合わせることで、さまざまなECUクラスで車両のコア機能を提供するスケーラブルなソリューションが実現します。長年にわたるNXPとETASの素晴らしいチームワークを通じて、既存/新規のお客様にS32 CoreRideプラットフォームを提供できることを楽しみにしています。」

Green Hills Software、ビジネス開発担当VP、Dan Mender氏
「Green HillsはNXPの重要な統合パートナーとして、NXPのS32 CoreRideプラットフォーム用に統合/最適化された、業界で最も広範な安全/セキュリティ認定ソフトウェア・ソリューション・ポートフォリオを車載OEMやTier 1サプライヤに提供できることを嬉しく思います。Green Hillsの量産実績のあるRTOS、仮想化サービス、先進的な開発ツールを導入すれば、お客様はECUの統合、複雑なシステム開発の加速、重要なマルチコアSDVアーキテクチャのコア車載機能の市場投入までのコストと時間の削減を実現でき、S32 CoreRideプラットフォームを有効に活用できます。」

Sonatus、共同創業者、Jeffrey Chou氏
「Sonatusは車載機器の量産においてNXPシリコン・ソリューションと緊密な統合を実現してきた実績をもとに、S32 CoreRideプラットフォームに全面的に取り組んでいます。ソフトウェア・デファインド・ビークルへの移行を加速するSonatus Vehicle PlatformはNXPのさまざまなソリューション向けにパフォーマンスが最適化されており、拡張性、柔軟性、市場投入期間の短縮を実現します。私たちはS32G車載プロセッサで大手OEMと量産を行っていることを誇りに思っており、将来の車載アーキテクチャを実現する新しいS32Nファミリとの統合に積極的に取り組んでいます。」

Synopsys、エンジニアリングおよびシステム設計グループ担当VP、Tom De Schutter氏
「SynopsysとNXPは10年にわたって共同のセンター・オブ・エクセレンスを通じてコラボレーションを行い、NXPによって検証されたバーチャル・プロトタイプを提供してきました。長年にわたるNXP S32車載プロセッシング・プラットフォームのサポートに、今回新たに発表されたS32 CoreRideプラットフォームが加わりました。こうしたコラボレーションによって開発されたSynopsys Virtualizer Development Kit for NXP S32Nを使用すれば、自動車メーカーはECUや自動車の電子機器のデジタル・ツインを展開してソフトウェア開発とテストを加速することができます。」

TTTech Auto、CTO兼共同創業者、Dr. Stefan Poledna氏
「NXPのオープンなS32 CoreRideプラットフォームに搭載された次世代の超高性能SoCはSDVへの移行を加速、推進します。私たちが提供するModular MotionWiseプラットフォームにより、複雑化するSDVソフトウェアの統合がより迅速かつ強固になります。例として、標準的なQMソフトウェアやASIL D対応のセーフティ・クリティカルなソフトウェアが挙げられます。このように混合クリティカリティ・ソフトウェアの統合が簡素化されることで、デベロッパーは顧客にとって重要な機能をより迅速に提供できるようになります。」

Valeo Group、CTO 兼 戦略担当上席副社長、Geoffrey Bouquot氏
「自動車用ソフトウェア開発で30年の実績を持つValeoは世界の車載OEMにとって重要なイノベーション・パートナーとして、手頃な価格で安全かつスマートで持続可能なモビリティを実現するために努力し続けています。NXPと協力し、S32 CoreRideプラットフォームに参加することで、ソフトウェア・デファインド・ビークルのグローバル・エコシステムにおけるValeoの地位も高まります。私たちはこの取り組みに加われたことを誇りに思うと同時に、クラス最高のソリューションと上質なソフトウェア・アプリケーション体験をお客様に提供できることを嬉しく思います。」

Vector Informatik、組み込みソフトウェアおよびシステム製品ライン担当ダイレクタ、Dr. Matthias Traub氏
「ソフトウェア・デファインド・ビークルは効率的なプラットフォーム構築と迅速な統合の上に成り立っています。これらを実現するのがパーソナライズされたソフトウェア・ファクトリーでの事前設定と自動化されたワークフローです。VectorではNXPのイニシアチブを全面的にサポートするために必要なツール、組み込みソフトウェア、ノウハウを持っています。私たちの緊密な協力関係をもとに、NXPのS32 CoreRideプラットフォームとVectorのベースレイヤーをシームレスにあらかじめ統合することで、お客様側における開発プロセスを簡素化することができます。OEM企業やTier 1サプライヤは統合作業をシフトすることで特定のアプリケーションに専念することができ、時間とリソースの節約を実現できます。」

Wind River、最高顧客責任者、Amit Ronen氏
「Wind Riverは最高レベルのセキュリティ、安全性、信頼性が要求されるミッションクリティカルなシステムのソフトウェア・イノベーターであり、パイオニアです。NXPのS32 CoreRideプラットフォームでは私たちが持つ加工、サービス、製品化における専門知識と、マルチコアSoC上で重要度が混在する複数のワークロードを統合した実績をNXPの拡張可能な車載プラットフォームに統合しています。お客様のためにコスト効率の向上と市場投入期間の大幅な短縮を実現するため、NXPと協力してソフトウェア・デファインド・ビークルの開発をさらに推進できることを嬉しく思います。」

供給
NXPは現在、自動車メーカーやTier 1サプライヤと協力し、S32 CoreRideプラットフォームの初めての投入を進めています。S32 CoreRideの機能を利用した量産車が現在開発中です。2027年には初めての量産が開始される予定です。

追加リンク:
車載ネットワーク
システム・パワーマネジメント
セントラル・コンピューティング
S32N

  

NXP Semiconductorsについて
NXP Semiconductors N.V.(NASDAQ: NXPI)には、より良く、安全・安心なコネクテッド・ワールドを実現する画期的なテクノロジを生み出すために優秀な頭脳を集結しています。組み込みアプリケーション向けのセキュアなコネクティビティ・ソリューションで世界をリードするNXPは、オートモーティブ、インダストリアル& IoT、モバイル、通信インフラの各市場で新たな可能性を拓く一方、より持続可能な未来を実現するソリューションを提供しています。60年以上にわたって蓄積した経験と技術を活かし、NXPは世界30か国強で約3万4,200名の従業員を擁しています。2023年の売上高は132億8,000万米ドルでした。詳細はWebサイト www.nxp.comをご覧ください。

NXPジャパンはNXP Semiconductorsが開発および製造するプロセッシング・ソリューション、認証技術、コネクティビティ、高出力RFやアナログ製品などを日本市場に提供しています。本社は東京都渋谷区で、名古屋および大阪に営業所があります。詳細はWebサイトwww.nxp.jp(日本語)をご覧ください。

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酒井里江子
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Tel: 070-3627-6472
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鈴木奈保子
〒102-0083 東京都千代田区麹町3-2-6 麹町本多ビル2A
Tel: 090-5579-4897
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