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ティアフォー、新製品となるリファレンスプラットフォーム「Edge.Auto」の提供を開始 自動運転システムの開発を容易に

2024年1月11日

  

ティアフォー、新製品となるリファレンスプラットフォーム「Edge.Auto」の提供を開始
自動運転システムの開発を容易に

  

オープンソースの自動運転ソフトウェアを先導する株式会社ティアフォー(以下「ティアフォー」)は、自動運転システム開発用のリファレンスプラットフォームとして Edge.Autoを新たに公開し、個別のハードウェアコンポーネントから統合化された自動運転システムまで複数のソリューションの提供を開始します。また、 CES 2024のティアフォーのブースにおいて、パートナー各社のソリューションと組み合わせた複数の実演展示を行います。



ティアフォーが提供する新製品「Edge.Auto」

  

Edge.Autoの概要

Edge.Autoは、ティアフォーがこれまでに培ってきた自動運転技術を基に、利用実績のあるセンサやコンピュータと各種ソフトウェアツールを組み合わせ、最短で自動運転システムの開発に取り組むためのリファレンスプラットフォームです。各種ハードウェアコンポーネントはオープンソースで提供されるセンサドライバや Autoware* に含まれるソフトウェアモジュールを用いて動作し、用途に応じて個別のハードウェアコンポーネントから統合化された自動運転システムまで複数の単位構成を選択することができます。

また、Edge.Autoにて提供される各ソリューションは、ティアフォーの既製品である Pilot.Auto(自律系プラットフォーム)や Web.Auto(開発運用系プラットフォーム)と組み合わせて利用することができます。これにより、ユーザーは自動運転システムの開発に必要なソフトウェアやハードウェアの選定、評価、検証を効率化し、独自の自動運転ソリューションを速やかに構築することができるようになります。



Edge.Autoで提供されるソリューションの概念図

  

ソリューションの紹介

車載カメラ
120dB相当のダイナミックレンジを有する車載品質のカメラ製品群です。2024年中に発売予定のC3カメラを含め、2.5MPから8.3MPまでの解像度ラインナップを提供します。複数のレンズオプションにより、先進運転支援システム(Advanced Driver-Assistance Systems:ADAS)や自動運転(Autonomous Driving:AD)などの車載用途だけでなく、監視やロボティクスを含む様々なアプリケーションに利用できます。また、USB接続で車載カメラを利用するための変換キットや、認識アプリケーションの開発をすぐに開始できるエッジパーセプション開発キットも提供しています。



新たに開発した8.3MPの解像度をもつC3カメラ(CES 2024のティアフォーブースにてライブデモを展示)

  

センサフュージョンシステム
センサフュージョンを使って高度なパーセプションの開発をサポートするソリューションです。オープンソースのツール群と導入ドキュメントにより、センサ間のキャリブレーションや同期など、多くのノウハウが必要となる開発項目を標準でサポートしています。センサやECU(Electronic Control Unit)は、複数のオプションから用途に応じて選択することができます。

  

GMSL2TM to 10 Gigabit Ethernet変換モジュール
ADIのGMSL2(Gigabit Multimedia Serial Link generation 2)は、自動車業界で実績のあるSerDesソリューションであり、様々な自動化アプリケーションにおいて信頼性、強固性、安全性を高く保つことができ、評価されています。GMSL2を活用したインターフェース変換モジュールを使うことで、最大8台のカメラから映像データを取得し、これらのストリームを10ギガビット・イーサネットに変換することができます。PTP(Precision Time Protocol)によるLiDARなどのデバイスとの同期機能のほか、画像データへのタイムスタンプ付与や、FPGA(Field Programmable Gate Array)によるタイミング・ユニットを介して制御される個々のシャッター・タイミングなどの機能があり、産業用ロボットなどのアプリケーションに必要な多くの認識技術に適しています。ユーザーフレンドリーな設計により、ブラウザのインターフェースから直感的に操作し、設定を管理することができます。高度な認識処理が必要とされる幅広い自動化エンド・アプリケーションのシステム価値を高めることを目指し、2024年に発売予定です。



GMSL2TM to 10 Gigabit Ethernet変換モジュール

  

AI Pilot
ハードウェアとソフトウェアが統合化された自動運転システムです。 2023年10月にGLP ALFALINK相模原においてレベル4自動運転の認可を取得しており、ユーザーは同様のシステムを導入することで、レベル4水準の自動運転サービスを開発運用することができるようになります。



ティアフォーが開発した電気電子アーキテクチャ(EEA)と自動運転システム

  

ティアフォー 代表取締役社長CEO兼CTO 加藤真平のコメント
Edge.Autoを新たに製品として追加することにより、個々のコンポーネントから統合化された自動運転システムまで、自動運転に資する様々なソリューションを提供できるようになります。今後もお客様の課題に対して3つのプロダクト(Pilot.Auto、Web.Auto、Edge.Auto)を組み合わせたソリューションを提案し、自動運転の社会実装を一層加速させていきます。また、Edge.Autoを活用して、共にティアフォーのお客様やAutowareユーザーにソリューションを提供するパートナー企業も継続して募集し、プラットフォームをさらに充実させていきます。

  

Edge.Auto プラットフォームパートナー各社からのコメント

Ability Enterprise President Frank Changのコメント
ティアフォーの車載カメラ技術のパートナーとして、Edge.Autoプラットフォームが自動運転開発のための優れた最先端のソリューションとして発表されたことを祝福します。

ADLINK CEO Jim Liuのコメント
ティアフォーとのパートナーシップを通して、最先端の車両ハードウェアソリューションであるEdge.Autoプラットフォームを提供し、センサフュージョンとエッジパーセプションコンピューティングの最前線をリードしていけることを嬉しく思います。ティアフォーと協力し、自動運転技術の革新を推進していきます。

Analog Devices Automotive Cabin Experience Senior Director Mieu-Ngan Pangのコメント
GMSLTMは、リアルタイムでの認識、高度な分析、次世代の知的自動システムに不可欠な最適化を可能にするための高帯域幅、低遅延のビジョン・センサデータ転送のニーズに対応しています。ADIとティアフォーの技術を活用して共同開発された「GMSL2TM to 10 Gigabit Ethernet変換モジュール」は、高度な産業用自動プラットフォームの迅速かつ容易な開発を可能にします。

Connect Tech Chief Product Officer Rob Callaghanコメント
先進的なAIハードウェアプロバイダーとして、Connect Techは常に自律性のための新しいソリューションを可能にすることを目指しています。Connect Techとティアフォーのパートナーシップは、このイニシアティブの素晴らしい例であり、両社で次世代の自動運転の定義化に共に取り組んでいます。Connect Techの認識ハードウェアとティアフォーの車載センサやEdge.Autoプラットフォームを組み合わせることで、開発者は最先端の技術にアクセスでき、車両の自律制御の開発を加速できます。この継続的なパートナーシップがエッジAIにもたらす機会に非常に期待しています。

Hailo VP of Automotive Yaniv Sulkesのコメント
Hailoはティアフォーと協力して、先進的な自動運転ソリューションを共同で推進することを誇りに思っています。Hailoの先進的なAIプロセッサーを使うことで、Edge.Autoプラットフォームのユーザーはインテリジェントビークルのための高性能かつ省エネルギーの認識ソリューションの開発ができるようになります。

Hesai Technology Vice President of APAC Business Wei Zhangのコメント
自動運転業界の最前線にいるティアフォーに、当社の高品質なLiDARセンサを提供できることを嬉しく思います。当社のセンサを使うことで、ティアフォーは自動運転車両の認識の精度と信頼性を高く保つことができ、安全でスマートな交通手段がある未来を可能にします。ティアフォーとHesai Technologyが協力することで、業界にさらなるイノベーションをもたらし、移動手段にさらなる変革をもたらすと信じています。

Innoviz CEO兼共同創業者 Omer Keilafのコメント
OSSを活用した自動運転の分野での主要なグローバルプレーヤーであるティアフォーと密に協力できることを光栄に思います。当社のAutomotive-Grade InnovizTwo LiDARセンサがティアフォーの自動運転プラットフォームに統合されることを大変嬉しく思います。また、Innovizの革新的なソリューションとティアフォーの自動運転プラットフォームが、幅広いお客様に大きな利点をもたらすと確信しています。緊密な協力関係を継続し、共に成功を重ねていくことを楽しみにしています。

RoboSense Executive President Mark Qiuのコメント
RoboSenseとティアフォーとのパートナーシップは、自動運転業界における前進の一歩です。RoboSenseのMシリーズLiDARをティアフォーのEdge.Autoプラットフォームに統合することで、先進的な車両インテリジェンスを動力とする最先端のソリューションを共同で提供できます。自動車の安全性を向上させ、世界中の交通を改善する革新的な技術を開発するというRoboSenseのコミットメントに共感するティアフォーと協力できることを誇りに思います。

Seyond CEO Junwei Baoのコメント
先進的な自動運転ソリューションを提供するティアフォーとのパートナーシップを誇りに思います。Seyondの高性能なLiDARの技術とティアフォーのEdge.Autoプラットフォームの組み合わせにより、より安全で賢く、効率性の高い自動運転車両とロボットを開発できる未来を共に作っていくことを楽しみにしています。

Vecow CEO Eric Yuのコメント
車載コンピューティング分野の革新的な先駆者であり、ティアフォーのパートナーであるVecowは、Edge.Autoプラットフォームに貢献し、インテリジェントビークルを開発するために必要な先進的かつ信頼できるソリューションを提供できることにワクワクしています。

今後の展開
ティアフォーは、プラットフォームパートナー各社と連携し、サポート可能なデバイス製品の種類の拡充や、動作可能なアプリケーションの充実化を目指します。また、エッジAIを用いた認識性能の高度化と低消費電力化を推進し、エッジ認識ソリューションを強化していきます。

その他の情報
CES2024では、ティアフォーブースにて以下4件のライブデモを実施します。

ハイダイナミックレンジの車載カメラのライブ映像表示(C1/C2/C3カメラ)
車載カメラと複数のLiDARのフュージョン認識
エッジAIの冗長的セマンティック・セグメンテーション
GMSL2TM to 10 Gigabit Ethernet変換モジュール、カメラとLiDARのフュージョン

*Autoware はThe Autoware Foundation の商標です。

  

ティアフォーについて
TIER IV(ティアフォー)は、世界初の自動運転用オープンソースソフトウェア「Autoware」の開発を主導するディープテック企業として、自動運転技術の社会実装に向けて挑戦を続けています。「自動運転の民主化」をビジョンとし、世界各地のパートナーと協力して、Autowareを活用したソフトウェアプラットフォームと統合開発環境を自社製品として提供しています。これらの製品を基盤に市場のニーズに対応したソリューションを展開し、顧客と共に自動運転技術の社会実装を推進しています。Autowareが生み出すエコシステムを通じて、個人から組織まで、全てのステークホルダーと共に自動運転技術の可能性を拡大し、より良い社会の実現を目指しています。

━━会社概要━━
【社名】株式会社ティアフォー
【所在地】東京都品川区
【URL】https://www.tier4.jp
【設立年月】2015年12月
【主な事業内容】
・自動運転プラットフォーム開発事業
・自動運転ウェブサービス開発事業
・自動運転システム開発キット販売事業
・自動運転技術の教育事業

お問い合わせ先
Media Contact

pr@tier4.jp

Business Inquires
edge.auto@tier4.jp

  

  

  

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