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Valeo社とTeledyne FLIRが自動車安全システム向けサーマルイメージング技術に関する提携で合意―すでに 最初の受注契約も
2024年1月10日
Valeo社とTeledyne FLIRが自動車安全システム向けサーマルイメージング技術に関する提携で合意―すでに最初の受注契約も
世界中の自動車関連企業にとって重要な技術パートナーとなっているValeo社とTeledyne Technologies Incorporatedグループの一部門であるTeledyne FLIRは、道路利用者の安全性が高まるように、自動車産業に向けてサーマルイメージング技術を提供するための戦略的提携に踏み出しました。
私ども両社はすでに2023年後半の段階で、車両および交通の安全性を向上に導く新世代の先進運転支援システム(ADAS)による運転支援技術の一部として、世界的な大手自動車メーカーにサーマルカメラを納入する大型契約を獲得しています。
これにはValeo社とTeledyne FLIRから、ナイトビジョンADAS向けに初めてASIL(自動車安全水準)Bに対応したサーマルイメージング技術を提供する予定です。同システムは、Valeo社の広範なセンサを補完したうえ、同じくValeo社のADASソフトウェア・スタックを利用して乗用車や商用車はもとより、自動運転車の夜間における自動緊急ブレーキ(AEB)などの機能をサポートします。こうした連携を通じて、車載カメラ技術の世界的なリーダーであるValeo社と、サーマルイメージング技術で世界をリードするTeledyne FLIRが協力し、自動車の安全性を高める次世代のマルチスペクトル・センサ統合システムを構築します。
特にValeo社では、その車載ビジョンシステムに対する幅広い専門知識を活用してTeledyne FLIRのサーマルビジョン技術を統合し、Valeo社のAIおよびGraphical Visualizationスタックにもとづく認識ソフトウェアを含めてナイトビジョン向けの完全なソリューションをOEMメーカーに提供することになります。
Valeo社で運転支援・快適性に関する事業部門を統括するMarc Vrecko氏は次のように説明しています。「当社Valeoは市場で最も広範な認識ソリューションの製品ラインナップをご用意していますが、今回のTeledyne FLIRとの協力でこれにサーマルイメージング技術が加わることとなり、大きな期待を寄せています。この新しいカメラとそれによる認識ソフトウェアによって当社の製品が補完され、ADASや自動運転システムの全体的な性能を向上に導くとともに、とりわけ夜間でもいっそう安全な道路の利用ができるようになるでしょう」。
またTeledyne FLIRの副社長でゼネラルマネージャーのPaul Claytonも次のように述べています。「Teledyne FLIRは、アフターマーケットの運転支援技術から自動運転の無人タクシーにいたるまで、その自動車安全システムにサーマルイメージング技術を統合するための開発を飛躍的なスピードで推進し続けています。今回のValeo社との提携によって、乗用車からトレーラーまで、あらゆる車両でサーマルイメージング技術が広く利用可能になり、他の従来のセンサでは困難であった完全な暗闇や雑然とした環境、さらに悪天候の中でもより多くのドライバーや自動運転車の安全システムが視界を確保できるようになります」。
交通弱者のために道路の安全性を高める
米国のGovernor Highway Safety Association(州知事幹線道路安全協会)による一次データによると、同協会が1981年に記録を取り始めて以降、2022年には米国における歩行者の死者数が過去最多となりました。この最多を記録した歩行者死者数のうち、4分の3が夜間に発生したものであることから、自転車や大型の動物を含めた交通弱者を守るためのさらなる取組みの必要性が浮き彫りとなったかたちです。これを受けて米国の規制当局は、夜間テストを義務付けるなど、衝突被害軽減ブレーキ(AEB)システムのテスト基準を厳格化するための規制案を発表しています。しかしながら従来のAEBシステムは、低光量の条件下や悪天候のもとで人や生物を検出・分類するのに不可欠なサーマルイメージング機能を備えていませんでした。
Teledyne FLIRによる自動車向けの取組みについて、詳しくはhttps://www.flir.com/adasをご覧ください。
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