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車載用ウィンドウボルテージディテクタ「S-191A シリーズ」を発売【エイブリック】

2023年10月24日

  

車載用ウィンドウボルテージディテクタ「S-191A シリーズ」を発売
業界最高クラスの高速検出・マニュアルリセット機能付きでADAS/自動運転システムの安全性向上に貢献

  

 ミネベアミツミグループのエイブリック株式会社 (社長: 田中 誠司、本社:東京都港区、以下:ABLIC) は本日より、車載用ウィンドウボルテージディテクタ「S-191A シリーズ」の販売を開始しました。
 自動車業界では、交通事故を未然に防止するために自動車部品の品質向上を図ると同時に、万が一故障が発生した時の影響を低減させる機能安全(※1)への取り組みが進んでいます。
 自動車には様々な安全機構が搭載されており、一例としてハンドル操作に必要な力を電動モータでアシストするEPS(Electric Power Steering)があげられます。レーンキープアシストやパーキングアシストなどのADAS/自動運転システムには、電動モータによる細やかな制御が可能なEPSは欠かすことができません。安全性向上のためにEPSの電圧監視に用いられているのがボルテージディテクタです。
 ボルテージディテクタによる電圧監視について、従来は低電圧に対してのみの監視で過電圧に対しては保護素子(ツェナーダイオード)を接続することで対応する方法が一般的でした。
 過電圧の発生頻度は低いものの、機能安全対応のために過電圧から保護するだけでなく、異常を検出して故障か否かを判別した上で必要な制御が求められるケースが増えています。また、EPSなどのきめ細やかな機能安全対応が求められるアプリケーションにおいて、異常検出の高速化や非安全側フォールト(※2)に対するケアの要求が高まってきています。
 本日発売したウィンドウボルテージディテクタ「S-191Aシリーズ」は、低電圧と過電圧の両方を監視するウィンドウ監視のボルテージディテクタです。また、低電圧または過電圧の異常を検出してから出力するまでの応答時間は業界最高クラス(※3)の10μs typ.と高速を実現しました。さらに、マニュアルリセット機能(※4)を搭載しているため、ICの非安全側フォールトの診断が可能です。これらの特長により、より高度な機能安全を実現し、自動車の安全性向上に貢献する製品です。
 なお、「S-191Aシリーズ」はPPAP(Production Part Approval Process: 生産部品承認プロセス)に対応しており、車載ICの品質規格AEC(*)-Q100 Grade1(*Automotive Electronics Council: 車載電子部品評議会)にも対応予定です。

  

【主な特長】 1. ウィンドウ検出
「S-191Aシリーズ」は、低電圧に加えて過電圧の監視も可能なウィンドウボルテージディテクタです。また、低電圧と過電圧の検出電圧を個別に設定できます。監視電圧と上下均等なウィンドウ幅で検出電圧を設定する方式に比べてお客様のご使用条件に合わせて柔軟な提案が可能です。

2. 業界最高クラス(※3)の高速検出
「S-191Aシリーズ」は、低電圧または過電圧を検出してから出力するまでの応答時間が10μs typ.と業界最高クラスの高速を実現しました。電圧異常を素早く検出してマイコンへ検出信号を出力することでシステムの安全性向上に貢献します。

3. マニュアルリセット機能(※4)を使って非安全側フォールトの診断が可能
「S-191Aシリーズ」は、マニュアルリセット機能を使うことでICの非安全側フォールトの診断が可能です。電圧が異常であるにもかかわらず正常と通知してしまう(=誤解除)は、ボルテージディテクタにとって非安全側フォールトです。本製品はマニュアルリセット有効時にIC内部で強制的に検出状態に移行させるため、マニュアルリセットを有効にしても出力が”検出”にならず”解除”し続けている場合は誤解除につながる故障が生じている、という判断ができます。

4. 超小型パッケージにより省面積化が可能
「S-191Aシリーズ」は、車載用超小型パッケージHSNT-8(1616)B (1.6mm×1.6mm×t0.41mm)に搭載することで、当社従来品に比べて約70%の省面積化を実現しました。

【主な仕様】
・動作電圧範囲       : 2.5 V ~ 6.0 V
・電圧検出範囲       : 低電圧検出電圧 0.6 V ~ 4.9 V
              : 過電圧検出電圧 0.7 V ~ 5.5 V
・検出電圧精度 : 低電圧検出電圧 ±1.5 %
              : 過電圧検出電圧 ±1.5 %
・ヒステリシス幅 : 選択可 なし(0 %), あり(3.0 %, 5.0 %, 10.0%)
・検出応答時間 : 10.0 μs typ.
・マニュアルリセット機能 : MR端子論理 アクティブ ”L”
・解除遅延時間精度 : ±15 % (CD = 3.3 nF)
・出力形態 : Nchオープンドレイン出力
・消費電流 : 1.5 μA typ.
・動作温度範囲 : Ta = -40 ℃ ~ +125 ℃
・鉛フリー(Sn 100%)、ハロゲンフリー
・AEC-Q100進行中(※5)

(※1) 機能安全:機能的な工夫を組み込み、許容できるレベルの安全性を確保すること
   (参照  https://www.ablic.com/jp/semicon/products/automotive/asil/ )
(※2) 非安全側フォールト:安全な状態を侵害する故障。ボルテージディテクタの場合、検出すべき状態で検出しない故障が該当する。
(※3) 6V動作のウィンドウボルテージディテクタとして。2023年10月 当社調べ
(※4) マニュアルリセット機能:リセットICのMR(マニュアルリセット)端子への信号入力によって強制的にリセット信号を出力することができる機能
(参照 https://www.ablic.com/jp/semicon/support/faq/power-management-ic/voltage-detector-reset-ic/record-391/ )
(※5)詳細は、弊社販売窓口までお問い合わせください。

【同時リリース製品一覧】

  

【用途例】
・車載ECU、 ADAS など故障検出が要求されるシステムの電圧監視
・車載用 (エンジン、トランスミッション、サスペンション、ABS、EV / HEV / PHEV関連機器等)

【同時リリース製品一覧】

  

【製品詳細】
https://www.ablic.com/jp/semicon/products/automotive/automotive-voltage-detector-reset-ic/s-191a-191b-19122/

  

【Web サイト】
https://www.ablic.com/

本製品は、環境貢献に優れた製品としてミネベアミツミグループの「グリーンプロダクツ」に認定された製品です。詳しくはこちらをご覧ください。 https://www.minebeamitsumi.com/news/newproducts/2021/1201086_16441.html

  

  

  

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