ニュース

世界初 次世代自動車向け耐インバーターサージ性 平角ポリアミドイミドエナメル線を本格量産【日立電線】

このたび日立電線株式会社は、巻線の製造を行うグループ会社である日立マグネットワイヤ株式会社において、世界で初めて*1 、絶縁皮膜に耐サージ性*2 と耐熱性に優れたワニスを採用した次世代自動車向け耐インバーターサージ性平角ポリアミドイミドエナメル線を開発し、5月より本格量産をはじめましたので、お知らせします。

世界各国で地球温暖化防止に向けたCO2の削減や燃費、排出ガス規制の強化が進むなど、自動車の環境負荷低減が強く求められており、ハイブリッド電気自動車や電気自動車をはじめとする次世代自動車への期待が高まっております。次世代自動車には、動力源となるモータやモータの出力を調整するインバーターが搭載されており、その材料としてエナメル線が使用されております。
当社グループでは、エナメル線の占積率向上によってモータの小型化・高出力化を可能にする高強度耐熱自己潤滑エナメル線や、耐サージ性に優れ、モータの長寿命化と信頼性向上に貢献する耐インバーターサージエナメル線などを開発し、多くの次世代自動車にご採用いただいております。

こうした実績を積み重ねる中、モータのさらなる信頼性向上と小型化・高出力化のために耐サージ性と耐熱性、高占積率を兼ね備えた特性を持つエナメル線へのニーズが明らかになりました。そこで、このたび当社グループでは、絶縁皮膜に耐サージ性と耐熱性に優れたワニスを採用した次世代自動車向け耐インバーターサージ性平角ポリアミドイミドエナメル線を開発し、5月より本格量産をはじめました。
このたび開発した本製品は、導体を耐サージ性ポリアミドイミドの絶縁皮膜で被覆した平角のエナメル線です。絶縁皮膜は、耐熱性に優れたポリアミドイミドエナメルワニスにシリカのナノ粒子をナノコンポジットさせており、ポリアミドイミドエナメル線の優れた特性を保持しながら部分放電に対する耐サージ性を強化しております。また、高占積率化が可能な平角エナメル線にて独自の絶縁皮膜塗布技術により皮膜厚さを均一化することで、より安定した電気的特性を実現しております。

今後、当社グループでは、次世代自動車のさらなる発展のため、エナメル線の性能向上に向けた開発に注力するとともに、事業の拡大を図ってまいります。

なお、5月18日(水)から5月20日(金)まで横浜国際会議場(パシフィコ横浜)にて開催されます「自動車技術展 人とクルマのテクノロジー展2011」への出展を予定しており、本製品をご覧いただけます。

参考:課電寿命特性(無伸長)

参考:開発の基本コンセプト

参考:耐サージ性ポリアミドイミド皮膜の透過型電子顕微鏡写真

参考:自動車技術展 人とクルマのテクノロジー展2011

主催 公益社団法人 自動車技術会
日時 5月18日(水)〜5月20日(金) 10:00〜17:00
場所 横浜国際会議場(パシフィコ横浜)
当社ブース 小間番号192
展示会概要 世界から最新技術・製品が集う自動車技術者のための日本最大の技術展



*1 ポリアミドイミドエナメルワニスにシリカのナノ粒子を組み合わせた絶縁皮膜を塗布した実用レベルの平角エナメル線としては世界初。2011年4月20日時点。当社調べ。
*2 耐サージ性とは、インバーター駆動モータの場合、印加電圧に対し立ち上がり時の急峻なサージが重畳するため瞬間的に発生する高電圧によって発生する部分放電から保護する特性のことです。


日立電線株式会社ホームページはこちら

キーワードをクリックして関連ニュースを検索

#日立電線
#エナメル線
#EV
#HEV
#PHV
#FCV