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ボルボ車へのエアバッグ初搭載から25年 引き続きエアバッグの開発をリードするボルボ【ボルボ・カー・ジャパン】

2012年10月17日

エアバッグを搭載したボルボ車が初めて出荷されたのは1987年のことです。以来、ボルボ・カー・コーポレーション(以下、ボルボ社)は、このエアバッグ・テクノロジーを進化させてきました。ボルボ社はこの25年の間に、世界に先駆けてシートに内蔵されたサイドエアバッグとインフレータブル・カーテン(IC)を実用化しました。そして、ボルボ車へのエアバッグ初搭載から25周年にあたる2012年に、世界初の歩行者保護用エアバッグを搭載した「新型ボルボV40」がデビューしました。(日本国内でのボルボV40の販売開始は、来年春の予定です)



V40の歩行者保護用エアバッグ展開の模様を、ボルボ・カーズ・ジャパンのYouTube公式チャンネルでご覧いただけます
www.volvocars.co.jp/pedestrian-airbag


「エアバッグ・テクノロジーが、歩行者保護のために活用されたのは、これが世界初です」と、ボルボ社でインテリア・セーフティ担当シニアマネージャーを務めるレナート・ヨハンソンは語っています。

1980年代のエアバッグ開発初期から開発に参加したヨハンソンは、次のように続けています。「最新のエアバッグ・テクノロジーの優れた点は、コンパクトでありながら、乗員や事故の状況に応じて最適な保護性能を発揮してくれる点にあります。同時に乗員保護を向上させていくためには、安全対策をトータルに見ていかなければなりません。エアバッグは確かに有効な対策の一つですが、他の対策と組み合わせることで、効果はさらに向上するのです。」最新の一例として、新型ボルボV40に採用されたニー・エアバッグが挙げられます。これは、正面衝突の際に、ドライバーの下半身にかかる衝撃を分散させる働きがあります。

標準装備化後も常に進化

今でこそエアバッグは、全てのクルマに標準装備されるようになりましたが、開発の初期においては、エアバッグそのものについて、さらに技術的信頼性に関して、激しい議論が交わされました。そうした疑問の声は当時、決して的外れなものではありませんでした。「エアバッグを展開させるのはそう難しいことではありません。しかし、それを望ましいタイミングで展開させるのは、とても難しいのです。」と、ヨハンソンは説明しています。
「近年では、エアバッグの膨張タイミングとその強さの設定が、重要度を増しています。そして最新のエアバッグ・システムにおいては、事故の衝撃の程度に応じて、膨張のレベルを調整できるようになっているのです。」最新のクルマでは、電子システムとつながったレーダーやカメラを用いることで、場合によっては事故の衝撃が発生する前から、様々な保護システムの作動を開始させることが可能になっています。

始まりは1950年代

歴史を溯ると、エアバッグのコンセプトが最初に提示されたのは1950年代前半でした。しかしながら、その技術は全く未熟なものでした。1955年に出願されたある特許は、今日のものと似たシステムを提示していますが、エアバッグを展開させるのにドライバー自身がボタンを押さなければいけないという点が、決定的に異なりました。また、黎明期においては、エアバッグをガスで膨らませるのに発火装置を使うことについても、様々な議論が展開されていました。そのような状況で、エアバッグの開発を促進させる大きな転機となったのが、1984年にアメリカで施行された法律でした。施行に反対する人が多く存在したその法律は、シートベルト未着用の問題を解決するため、自動車メーカーに対し、すべての新車に、乗員自身の操作に拠らず効力を発揮する乗員保護機構を、3年以内に全ての新車に装着するよう義務付けました。

シートベルトとの連携

エアバッグは多くの人々から最善の解決策とみなされるようになりましたが、中にはエアバッグは、ボルボ社が1959年に発明した3点式シートベルトに置き換わるものであると考える人も現れました。
しかしボルボ社は、最善の安全効果は、シートベルトとエアバッグが連携して働いたときに得られると主張し、多くの人がその考えに賛同するようになりました。この点について、レナート・ヨハンソンは以下のようにコメントしています。「エアバッグの数を増やしたからといって、必ずしもトータルな安全性能が向上するわけではありません。エアバッグはあくまで、総合的な安全対策の一環であり、エアバッグのほかに、クルマ自体の構造やシートベルト、さらにステアリングコラムといった細部の設計がすべて調和して対応することで、事故の際の衝撃が適切に吸収されるようになるのです。」

サイドインパクト・プロテクションの分野での世界初

1990年代後半に、エアバッグはボルボ850に標準装備されるようになりました。
1994年には、ボルボ社は、シートのバックレストに内蔵され、側面からの衝撃に対して乗員の胸部を保護するサイドエアバッグを導入することで、エアバッグ・テクノロジーをさらに一歩前進させました。「ボディ構造そのものに組み込まれ、ボルボ社が特許を取得したサイドインパクト・プロテクション・システムの一部としてサイドエアバッグを導入したことは、我々にとって大きな前進でした」と、レナート・ヨハンソンは語っています。

機能を強化したインフレータブル・カーテン

インフレータブル・カーテンは、側面からの衝撃に際し、前席および後席両サイドの乗員の頭部を保護する働きをします。モデルによっては、横転時に乗員を保護する効果も発揮します。ルーフに内蔵されるタイプのインフレータブル・カーテンは、1998年に発売されたボルボS80で初めて導入され、今日では、C70を除くすべてのボルボ車に標準装備されています。一方、コンバーチブルモデルであるボルボC70には、ドア内蔵型のインフレータブル・カーテンが採用されています。このエアバッグは、側面衝突に際して上方に展開し、その後もしばらく膨らんだままでいることで、仮にクルマが横転した場合でも乗員保護効果を発揮します。ボルボ社はまた、このカーテン式エアバッグの展開を、オフセット衝突や、後席に座る子供たちの保護にも活用するなど、テクノロジーをさらに進化させています。

依然として最重要、そしてさらなる進化を求めて

初めてボルボ車にエアバッグが装着されてから25年、以来、エアバッグ・テクノロジーは大きな変化を遂げてきました。そしてボルボ社は、その進化の過程において、中核的な役割を果たしてきました。
「今日、エアバッグの性能は大きく向上しました。以前と比べると、事故の状況や衝撃による乗員の動きに、はるかに適切に対応できるようになっています。25年の年月を経ていますが、エアバッグのテクノロジーを進化させていくことは、依然、世界一安全なクルマを作るという目標を掲げたボルボ社にとって、最重要課題のひとつであり続けています」と、レナート・ヨハンソンは説明しています。



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