ニュース

高効率DC-DCコンバータ向け車載用パワーMOSFETのチップ・セットを発売【IRジャパン】

インターナショナル・レクティファイアー
高効率DC-DCコンバータ向け車載用パワーMOSFETのチップ・セットを発売

〜 第2世代の小型金属パッケージDirectFET®2を採用 〜

パワー・マネジメント(電源管理)技術で世界をリードするインターナショナル・レクティファイアー・ジャパン(IRジャパン)株式会社(本社:東京都豊島区)は11日、車載用DirectFET®2パワーMOSFETのチップ・セット(「AUIRL7732S2」と「AUIRL7736M2」)を発売しました。内燃機関の自動車、ハイブリッド車、電気自動車などで使うDC-DCコンバータ(*1)に最適です。

2品種とも耐圧40Vで、標準論理レベルでゲートを駆動できます。このチップ・セットは、DC-DCコンバータのスイッチング損失と導通損失を最小化するように最適化されています。このほか、ジャンクション・ボックスのリレーの置き換えや、ポンプやファンのインバータ駆動など、負荷の大きい一般的な用途でも使えます。
表面実装用の小型金属パッケージDirectFET2に搭載したパワーMOSFETは、ボンディング・ワイヤーを使っていないため、抵抗成分が小さく、従来のD2Pakに比べて寄生のインダクタンス成分も1/10と小さくなっています。このため、パルス波形のリンギングが低減され、高速スイッチング特性が優れています。EMI(電磁干渉)雑音を低減できるのでフィルタを小型化できます。パッケージの裏表両面から放熱でき、オン抵抗(内部抵抗)が小さいので、DC-DCコンバータの最適ソリューションを提供します。

AUIRL7732S2は制御(コントロール)用MOSFETに最適化しました。スイッチング損失を低減するためにゲート電荷を小さくし、実装面積は、一般的なプラスチック・パッケージの8ピンSOP(SO-8)に比べて38%小さくなっています。AUIRL7736M2は同期整流(シンクロナス)用MOSFETに最適化しました。導通損失を低減するためにオン抵抗を小さくし、実装面積は8ピンSOPや面積5mm×6mmのPQFNと同じです。2品種とも寄生のインダクタンスが小さいので、従来のパワーMOSFETに比べて、高い周波数でのスイッチング特性を改善できます。

自動車用DirectFET2の製品系列は、数年間の研究開発を経て製品化されました。車載用を前提に開発し、民生用のDirectFET関連製品で確立した技術に加え、高い信頼性を実現しています。このチップ・セットは、車載部品の品質規格AEC-Q101に準拠しています。鉛フリーで欧州の規制RoHS(特定物質の使用規制)に準拠しています。ゼロ・ディフェクトを目標とするIR社の車載品質イニシアチブの対象製品です。
10万個購入時の単価は、AUIRL7732S2が0.53米ドルから、AUIRL7736M2は0.98米ドルからの予定です(いずれも米国での参考価格)。データシートは型番をクリックするとご覧いただけます。

表   車載用DirectFET2パワーMOSFETのチップ・セットの概要

型番 DirectFET®2
パッケージの種類
耐圧 オン抵抗
(ゲート・ソース間電圧
10Vのときの標準値)
——————————
オン抵抗
(ゲート・ソース間電圧
10Vのときの最大値)
——————————
ゲート電荷
(標準値)
—————-
AUIRL7732S2 小型缶 40V 5.0mΩ 6.0mΩ 22nC
AUIRL7736M2 中型缶 40V 2.2mΩ 3.0mΩ 52nC

注)AUIRL7732S2は制御(コントロール)用、AUIRL7736M2は同期整流(シンクロナス)用に最適化しました。DirectFETパッケージの中型缶の面積は4.9mm×6.3mm、小型缶は3.8mm×4.8mm。DirectFETパッケージについてはアプリケーション・ノート(AN-1035)「DirectFET®:プリント回路基板への実装技術」(http://www.irf-japan.com/technical-info/appnotes/AN-1035Rev16-J.pdf)を参照してください。

<用語説明>
*1)DC-DCコンバータ:直流電圧を直流電圧に変換する回路です。例えば、パソコンやインターネット機器などの内部で基準とする電圧の12Vを、論理ICやマイクロプロセッサ(MPU)などのICを動作させるためのさまざまな電源電圧、例えば5V、3.3V、1.7V、1.2Vなどの電圧に変換する回路です。DC-DCコンバータの出力回路は一般的に、制御(コントロール)用のMOSFETと同期整流(シンクロナス)用のMOSFETを組み合わせて構成します。制御用MOSFETには、スイッチング損失を減らすためにゲート電荷の小さいものが要求され、同期整流用には、導通損失を減らすためにオン抵抗の低いものが要求されます。


<インターナショナル・レクティファイアー(IR®)社について>
IR社はパワー・マネジメント(電源管理)技術のリーダーです。IR社のアナログIC、アナログ/デジタル混在IC、最先端デバイス、電源のシステムや部品は、コンピュータの性能向上や、世界で最も電力消費の大きいモーターの省エネに貢献しています。コンピュータ、省エネ家電、照明器具、自動車、衛星・航空・防衛システムなどの主な製造企業は、次期製品の性能向上のためにIR社のパワー・マネジメント・ソリューションに頼っています。本社は米国のカリフォルニア州エルセグンド。

注:IR®は、International Rectifier Corporationの登録商標です。当資料に記載されるその他の製品名の商標はそれぞれの所有者に帰属します。


インターナショナル・レクティファイアー・ジャパン株式会社ホームページはこちら

 

キーワードをクリックして関連ニュースを検索

#IRジャパン
#半導体
#トランジスタ