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「オーダーメイドのスーツ」:Audi Q6 e-tronプロトタイプのデカール

2023年7月26日

  

「オーダーメイドのスーツ」:Audi Q6 e-tronプロトタイプのデカール

  

 インゴルシュタット拠点で生産された、初めての電気自動車のデザインとクラフトマンシップを表現
 目標はデカールを通じて、モデルの特徴を抽象的に表現することにより、視覚的に強化すること
 デザイナーのドス サントス:「デカールは、テクノロジーを魅力的な視覚言語に変換し、ニューモデルのデザインについて語り合う機会を提供する」

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(ドイツ本国発表資料)
2023年7月26日、インゴルシュタット:アウディは、2018年に電気自動車Audi e-tronを発表して以来、プロトタイプやワンオフモデルに、いわゆる「リヴァリー(カラーリング)デザイン」と呼ばれる個性的なデカールを採用してきました。最近では、S1 HoonitronやFormula 1ショーカーなどに、このデカールの例を見ることができます。アウディは、デカールによる特別なエクステリアをもつ20台以上の車両をすでに発表しています。これらはすべて、Audi AG デザイン ブランディング 責任者 マルコ ドス サントスによるものです。彼の最新のビジョンは、Audi Q6 e-tronプロトタイプのデカールに見ることができます。ドス サントスは、デカールの製作にあたり、印象的なデザインの背景にある哲学を伝え、オーダーメイドのスーツのようなスタイル、デザイナーさえも刺激するカラーリングを採用しています。

マルコ ドス サントスは、次のように述べています。「アウディのデザイン言語は、Audi Q6 e-tronで次のステップへと進化しています。それをデカールで明確に表現しています。それぞれの車両の構造とキャラクターは独自の個性を備えており、デカールのデザインもそれぞれ異なります。デカールを製作する作業は、車両のどの要素を強調したいかを決めることから始まります」。Audi Q6 e-tronのプロジェクトでは、2018年に発表されたAudi e-tronの印象的なデカールで広く知られているネオンレッドカラーなど、以前のデザイン要素も活用しながら、新しい表現を試みています。ドス サントスは、次のように説明しています。「アウディでは、テクノロジーとデザインは密接に結びついており、表裏一体となっています。私たちのテクノロジーがより革新的で精密なものになるにつれて、それはデザイン、素材の選択、ストーリーテリングにも現れています」。

ドス サントスによると、デカールは車両の技術的要素を、記憶に残る視覚的な言語に変換すると語ります。「基本的に、私たちはデカールにより、ニューモデルに関する“会話”を始めたいのです」。この“会話”を世界中で行うことで、私たちのデザイン言語のユニークさを示すことができます。「特定のデザイン要素は、国によって受け取り方が異なりますが、最終的に、デザインはどこでも機能するか、どこでも機能しないか、のどちらかです」。

重要な要素を強調するための形状
Audi Q6 e-tronの場合、大きなグラフィックスにより、一目でこの車両がプロトタイプであることがわかります。ドス サントスは、例えデカールが施されていても、この車両のデザインは「高度な機密状態にある」と考えています。「プロトタイプに関して言えば、デカールは、まだほとんど公開されていないデザインの秘密について話し合う機会を生み出します。これにより、特定の側面を明確にしながらも、曖昧さを残すことができます」

このデカールでは、グロス フィアス フクシア(Gloss Fierce Fuchsia)と呼ばれる光沢のある赤紫による大きな放射状グラフィックスと、シルバーの幾何学的メッシュとストライプのグラフィックスを組み合わせています。形状は互いに滑らかに流れ込み、車両の構造の重要な要素を強調しています。

下部ロッカーパネルは、ホワイトを採用することによりボディから際立っており、電気ドライブによるゼロエミッションの走りを設計の中心に据えるAudi e-tronの哲学を強調しています。アウディの外観を定義する5アームのダイナミックホイールとシングルフレームも完全なホワイトになっています。「e-tronパワーストライプ」と呼ばれるネオンレッドのアクセントが、ロッカーパネルの上部を強調しています。これは、電気自動車の心臓部となる、バッテリーを搭載するエリアであることを表しています。

別のスタイリッシュなネオンレッドのラインがリヤの周囲に配置され、傾斜するDピラーを支えるボディの輪郭となるquattroブリスターを強調しています。初代Audi quattroを彷彿とさせるこのブリスターは、アウディのデザインDNAの中核的要素です。「テクノロジーの見える化」は、アウディデザインの原則となっています。緻密なメッシュのグリッドがボディの上端に沿って走り、車両の高度なテクノロジーを表現しています。サイドウィンドウは、Dピラーを除いて、ブラックで統一されています。

「デカールは、あらゆる角度から見て機能する必要がある」
デカールのデザインプロセスは、それぞれの車両で同じように行われます。エクステリアデザイナーによる詳細なレンダリングにより、チームは協力しながら、モデルを構成する要素とボディのどの部分に焦点を当てるかを決定します。その目的は、デカールを通じてモデルの特徴を抽象的に反映し、視覚的に強化することです。「オリジナルのアイデアが、常にガイドラインであり続けなければなりません」。

ドス サントスのデザインプロセスは、次のように始まります。紙にたくさんの手描きのスケッチを描き(頭脳、ペン、そして手のつながりにより、描いたイメージをペンで表現することが必要)、そのビジョンは、画像およびグラフィックソフトウェアを使用して最終的に車両に具現すること。車両は完全にデカールで覆われますが、高度で細心の注意と精度が要求されるため、このプロセスには数日かかります。「ここが正念場です」。とドス サントスは説明しています。「デザインの段階で真っ直ぐに見えるラインでも、ボディには多くの角やエッジがあるため、実際には真っ直ぐには見えない場合があります」。作業のこの段階では、「多くのアイデアが捨てられ、再考され、あらためてデザインされます」とドス サントスは言います。その過程で、ドス サントスは常に、人々が自分のデザインをどのように見るかを検討しています。「初めてAudi Q6 e-tronを見る人は、どの角度から見るかわかりません。カメラを使った映像とは異なり、最初にこの部分を見たと思ったら、次にまったく違う部分を見る可能性があります。車両は彫刻です。デカールは、常にあらゆる角度から見て機能する必要があります」。

最終的に、ドス サントスは、そのモデル専用のカスタムスーツを作成するように、カラーリングのデザインが車両のさまざまな形状に完全に一致するまで作業を続けます。「それは全世界にひとつ、このモデルだけにしか存在しません」。

マルコ ドス サントスについて:マルコ ドス サントスは、1987年にドイツ人の母親とブラジル人の父親の間にミュンヘンで生まれました。高校卒業後は、地元でデザインを学び2014年からAUDI AG デザイン ブランディング部門に所属し、主にe-tron、AI、モータースポーツの各モデルを担当しています。自動車の世界を超えて、彼はフリーランスデザイナーとしても活動しており、ロゴ、製品、ポスターのほか、音楽業界のゴールドアーティストやプラチナアーティストのアルバムカバーを制作しています。

※本リリースは、AUDI AG配信資料の翻訳版です。

  

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参考リンク
 ドイツ本国発表資料 – “Like a tailor-made suit”: What makes the decals for the Audi Q6 e-tron prototype unique (英語のみ)

  

  

  

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