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車両ダイナミクスコントロールをモーターサイクルにも採用 ボッシュ・スタビリティ・コントロールがより安全なコーナリングを実現【ボッシュ】

2012年10月11日

・ コーナーでも最適なブレーキングと加速が可能に
・ 物理法則内でのリスクを軽減
・ さらなる交通安全に寄与するモーターサイクル用スタビリティコントロール

ボッシュは高性能モーターサイクル向けのスタビリティ・コントロール・システムの開発に成功し、2013年から量産がスタートすることになりました。モーターサイクル用スタビリティコントロール(MSC)は、モーターサイクルの安全性向上のための大きな飛躍となります。MSCはブレーキングと加速時、直線およびコーナーの走行時など、あらゆる状況下でライダーをサポートし、モーターサイクルの操作性と走る喜びはそのままに保つことが出来ます。「モーターサイクルの全事故の24%はカーブで発生しています」。こう述べるボッシュ・シャシーシステム・コントロール事業部長のゲルハルト・シュタイガー(Gerhard Steiger)はさらにこう続けます。「ボッシュのモーターサイクル用スタビリティコントロール(MSC)は、事故の発生件数の更なる減少のために大きく寄与することができます」。2009年にはヨーロッパだけでも5,000人を超えるモーターサイクルライダーが交通事故で死亡していますが、ABSを装備するだけで、死亡や負傷につながるモーターサイクルの全事故の約1/4を防止できるという調査結果が出ていますので、スタビリティコントロールにより更なる防止効果を期待できます。

コーナーでも安全性が向上

ABS enhanced システムを技術的なベースとしているMSCは、モーターサイクルの安全性の向上に取り組んでいる日本ボッシュにあるコンピテンスセンターのエンジニアが、多数のセンサーと最新のソフトウェアを組み込めるよう拡張したシステムです。そしてこのシステムにより、モーターサイクルメーカーや要求水準の高いエンドユーザーに幅広いセーフティ機能が提供可能となりました。

傾斜角とピッチ角に応じたABSコントロールにより、あらゆる走行状況で走行安定性が向上するとともに、ブレーキング効果が向上します。
変化しやすい路面や滑りやすい路面でも駆動力が効率的に路面に伝達され、駆動ホイールがグリップを失わないよう、トラクションコントロールが最大エンジントルクを調整します。

コーナーで急ブレーキをかけた場合に、直立姿勢に戻ろうとするモーターサイクルの特性をMSCが抑制します。この不随意的なマシンの立ち直りによりコーナリング半径が大きくなり、その結果、モーターサイクルが車線を逸脱することがよくあります。こうした場合に、電子制御式コンバインド・ブレーキ・システム(eCBS)はホイール間のブレーキ力を最適に配分し、コーナリング時にモーターサイクルを安定させます。

また、MSCは「ローサイド」転倒のリスクを軽減します。これは、ホイールがコーナーの外側へスリップし、コーナリング時にモーターサイクルが転倒する事故のことです。コーナリング時にブレーキ力がかかりすぎ、ホイールが十分な横力を路面に伝達できなくなると発生します。そして、MSCはローサイド転倒のリスクを検知し、最大ブレーキ力を制限することでこれを防止します。eCBS機能は、利用できる最大限のブレーキ力をホイールに配分し、コーナリング状況下で最適なブレーキ性能を保証します。

eCBS機能は、ライダーが前輪または後輪のみに誤ってブレーキをかけた場合やブレーキを強くかけすぎた場合でも、いつでもブレーキ力を最適に配分します。

後輪走行緩和機能はエンジントルクを制御し、前輪が制御不能になって浮き上がるのを防ぐだけでなく、最大加速を可能にします。

後輪浮き上がり緩和機能は、摩擦係数が高い路面を走行中に前輪の最大ブレーキ力を低減し、後輪を接地させます。また、ピッチレートと縦加速度を考慮し、走行安定性が維持されます。

ドライビングダイナミクスの限界をエレクトロニックシステムが検知

モーターサイクル用スタビリティコントロールは、マシンのドライビングダイナミクスを検知するために多数のセンサーを使用します。ホイールセンサーは前輪と後輪の回転速度を測定し、慣性センサーモジュールがマシンのリーン角とピッチ角を毎秒100回以上の速さで算出します。また、ABSコントロールユニットはセンサーデータ、前輪/後輪の速度差、タイヤサイズ、タイヤ形状、センサー位置などその他のモーターサイクル固有のパラメーターを分析し、傾斜角をベースにしてブレーキ力の物理的限界を計算します。

そして、ホイールがロックし始めたことをモーターサイクル用スタビリティコントロールが検知した場合には、ABSコントロールユニットは油圧ブレーキ回路の圧力モジュレーターを作動させます。これによりブレーキ圧は低減され、ほんの一瞬で再び加圧されます。その結果、各ホイールをロックさせないために必要な強さのブレーキ圧だけを正確にかけることができます。

モーターサイクルライダーにとって、ボッシュMSCは命を救う貴重な存在です。とはいえ、ABSと同様、MSCも物理法則に逆らうことはできません。特に、走行状況に関する重大な判断ミスやライダー側に大きなミスがある場合には、こうしたシステムがあっても事故につながる可能性があるのです。それでもなお、このシステムがきわどい状況下でライダーをサポートし、安全性を高めると同時に、モーターサイクルからライダーがさらに多くのものを得るために大きく寄与するのは間違いありません。

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ボッシュ・グループ概要    The Bosch Group at a Glance

自動車機器テクノロジーセクターはボッシュ・グループ最大の事業セクターです。2011年の売上高は30.4億ユーロで総売上高の約59%を占めています。自動車機器テクノロジーにより、ボッシュ・グループはリーディング・サプライヤーのひとつになっています。全世界の約175,000人の自動車機器テクノロジーセクターの従業員が、内燃機関用噴射技術、パワーワトレイン周辺機器、 代替駆動コンセプト、アクティブ/パッシブセーフティシステム、ドライバーアシスタンス/コンフォート機能、車載情報通信システム、オートモーティブアフターマーケット向けのサービスや技術という7つの事業分野で働いています。ボッシュ・グループは、電気駆動マネジメントや横滑り防止装置ESC、ディーゼルシステム用コモンレールなどの重要な自動車技術の革新にも対応しています。

ボッシュ・グループは、グローバル規模で革新のテクノロジーとサービスを提供するリーディング・カンパニーです。2011年度は、自動車機器テクノロジー、産業機器テクノロジー、消費財そして建築関連テクノロジーのセクターにおいての従業員数は30万人以上で、売上高は約515億ユーロです。ボッシュ・グループは、ロバート・ボッシュGmbHおよびその子会社350社超と、世界の約60カ国にあるドイツ国外の現地法人で構成されています。販売、サービス代理店のネットワークを加えると、ボッシュは世界の約150カ国で事業展開しています。この開発、製造、販売、サービスのグローバル・ネットワークが、私たちのさらなる成長の基盤です。ボッシュは2011年、研究 開発費として42億ユーロを投資し、全世界で4,100件以上もの国際特許の基礎特許(第一国出願)を出願しています。ボッシュはすべての製品とサービスにおいて革新的で有益なソリューションを提供することによって、人々の生活の質(Quality of Life)を向上させ、循環型の持続的環境社会(Sustainable society)の創出に寄与していきます。

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