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MaterialLoopプロジェクト: 使用済み車両のサーキュラーエコノミーの可能性を模索【アウディ ジャパン】

2023年3月6日

  

MaterialLoopプロジェクト: 使用済み車両のサーキュラーエコノミーの可能性を模索

  

 アウディ、スチール・アルミニウム・プラスチック・ガラスのクローズドループのナレッジを蓄積

 CEOマルクス ドゥスマン:可能な限り多くの素材を、高い品質で再利用することが目標

 成功事例:最大1万5,000台のAudi A4のインナードアパーツにリサイクルスチールを使用

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(ドイツ本国発表資料)2023年3月2日、インゴルシュタット:アウディは、パートナー企業との共同プロジェクトMaterialLoop(マテリアルループ)により、自動車業界でより多くのクローズドマテリアルサイクルを確立するための新たなステップを踏み出しています。アウディは、リサーチ、リサイクル、サプライヤーセクターのパートナー15社と共に、車両のライフサイクル終了後に、それらの車両から取り外される、いわゆる使用済み素材を、新車の生産で再利用するための検討を行っています。このプロジェクトは、アウディのサーキュラーエコノミー戦略の一環として、サーキュラーエコノミーをどのように実現するかについて、貴重な洞察を提供します。

  

これまで、新車の製造に使用された素材のうち、使用済み車両から回収されたものはほとんどありませんでした。例えば通常スチールは、使用済み車両から取り外されリサイクル後に、建設などで使用される鋼材になります。アウディは、使用済み車両から回収した二次素材を新車の生産で再利用することで、この状況を変えたいと考えています。その場合、リサイクルプロセスによって発生する素材品質の低下、いわゆるダウンサイクルは避ける必要があります。AUDI AG最高経営責任者(CEO)マルクス ドゥスマンは、次のように述べています。「MaterialLoopプロジェクトは、使用済み車両のための非常に効率的なサーキュラーエコノミーのコンセプトを確立するという、私たちの意欲的なビジョンを示すものです。私たちの目標は、可能な限り多くの素材を回収し、高品質な素材として生産に再利用することです。これにより、貴重な一次素材の使用が節減され、製品の環境フットプリントが削減されます。同時に、二次素材を直接入手できるようになることで、供給安定性が高まります。それによって、原材料を採掘する必要がなくなります」

2022年10月、MaterialLoop共同プロジェクトの一環として、過去の開発車両を含む100台の車両が解体されました。その結果、個々のコンポーネントに対象を絞って回収することで、リサイクル用の大きなプラスチック片など、高品質な二次素材を確保することができました。解体後、残った車体はパートナー企業の協力のもと、スチール・アルミニウム・プラスチック・ガラスなど、素材ごとに細断および分別されました。アウディは、新車の生産にこのような素材の再利用を試みることを目的として、リサイクル業界、サプライチェーン、研究機関のプロジェクトパートナーと共に、さらなるリサイクルプロセスを定義し、試験運用を開始しました。

AUDI AGサプライチェーン サステナビリティ統括責任者 ヨハンナ クレウィッツは、次のように説明しています。「業界内でサイクルを確立することで、製品およびその素材を可能な限り長く使用することができるようになります。私たちのビジョンは、将来、他の産業から調達する二次素材への依存度を下げることです」。この研究では、アウディのサプライチェーンで素材を回収するための技術的な可能性に加えて、将来の世代のアウディモデルをリサイクルする能力を向上することにも焦点が当てられています。このプロジェクトは、アウディのサーキュラーエコノミー戦略の一部であり、サーキュラーエコノミーを実現する上で貴重な洞察を提供します。AUDI AGサーキュラーエコノミー エキスパート デニス マイネンは、次のように述べています。「サーキュラーエコノミーを実現するための重要なポイントは、リソースを、責任を持って取り扱うことです。そのため、製品寿命、修理可能性に加え、アウディの製品をリサイクルするための能力すべてを重視しています」

Audi A4生産におけるリサイクルスチールの使用
パイロットプロジェクトは4月末まで実施されます。同時に、アウディはMaterialLoopプロジェクトから得た貴重な洞察をすでに実践の場に移しており、一部のリサイクル素材は既に車両の生産で使用されています。その実例の一つとして、プロジェクトでリサイクルされた鉄くずの多くは、新しいモデルの生産に使用できるようになっています。最初の試験段階では、MaterialLoopによる二次素材を約12%含む、6つのスチールコイルが製造されました。これらは、アウディの高い品質基準に適合し、最も要求の厳しい構造部材に使用することができます。アウディはこのコイルを使用して、インゴルシュタットのプレス工場で最大1万5,000個のAudi A4用インナードアパーツを生産する予定です。また、プロジェクトの一環として行われた研究では、このスチールコイルを製造するにあたり、車両から回収されたリサイクルスチールの比率を、さらに高めることが可能であることが示されました。

さらに、アウディは、プロジェクトパートナーと共に実施した研究で、将来のモデルの設計と製造に関する貴重な情報を得ています。選別技術の向上に加え、新世代の車両のリサイクル可能性を最適化するための取り組みにおいて、「リサイクルすることを前提にした設計」が決定的に重要な役割を果たします。これは、素材の選定、構成、モジュール方式の採用に関して、自動車部品とそのコンポーネントを、使用済み車両のリサイクルの際に、素材の種類ごとに分類できるように設計する必要があることを意味します。MaterialLoopパイロットプロジェクトのもうひとつの成果として、アウディはフォルクスワーゲン グループと協力して、自動車生産におけるリサイクル率をさらに高める方法でプラスチック部品を設計できるようにするための施設について解説する、サプライヤー向けのガイドを作成しました。

ガラス・プラスチック・アルミニウムのリサイクルにおける豊富な経験
アウディは、今後数年間で、車両におけるリサイクル比率を高めたいと考えています。AUDI AGの調達部門は、技術的に可能で、経済的および環境的にも理にかなう限り、自動車用素材のリサイクルプロセスを確立するという目標を追求しています。

アウディはこの目的を達成するために、2022年春から使用済み車両のガラスのリサイクルに関するナレッジの収集を、別のパイロットプロジェクトで開始しました。修理が不可能な車両のウインドウは、まず粉砕して選別します。そこで得られたガラス粒子は溶解され、自動車産業向けの新しい板ガラスに生まれ変わります。既にこの板ガラスはAudi Q4 e-tronの生産に使用されています。

さらにアウディは、プラスチックのリサイクルにも真剣に取り組んでいます。アウディが進める3つのプラスチックリサイクルプロジェクトの1つであるPlasticLoop(プラスチックループ)により、アウディとプラスチックメーカーのLyondellBasellは、Audi Q8 e-tronの生産用に混合プラスチック廃棄物を再利用するため、初めてケミカルリサイクルによるプロセスを構築しました。2017年以降、リサイクル用のアルミニウムは、アウディのインゴルシュタット、ネッカーズルム、ジェールの各工場、およびフォルクスワーゲン ブラチスラバ工場のリサイクルサークル内で管理されています。生産時に発生するアルミニウムの端材は、直接サプライヤーに返却されます。サプライヤーは、それらの端材をリサイクルして、同じ品質のアルミニウムシートを形成し、アウディはそれを生産に再利用します。これにより、貴重な一次原材料の使用が削減され、生産された車両は、より良い環境バランスを保った状態で納車され、お客様による利用段階に入ることができるようになります。

※本リリースは、AUDI AG配信資料の翻訳版です。

  

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>ドイツ本国発表資料 – Turning old into new: MaterialLoop project tests circular economy potential of end-of-life vehicles(英語版)

  

  

  

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