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xEV 駆動モーター用高性能フェライト磁石の提案を開始
2022年12月9日
xEV 駆動モーター用高性能フェライト磁石の提案を開始
日立金属株式会社(以下、日立金属)は、当社の高性能フェライト磁石 NMF®15 を適用したモー ター(以下、フェライト磁石モーター)を最適化設計することで、ネオジム磁石を使用した xEV*1 用駆動モーターと同等レベルの出力が得られることを、シミュレーションで確認しまし た。フェライト磁石モーターは、レアアースであるネオジムのほか、特に資源量が限られるジ スプロシウムやテルビウムを使用しないため、拡大する xEV 需要に対し、資源リスクの軽減と コストの抑制が期待できます。そこで日立金属では、xEV 駆動用モーター用磁石として、ネオ ジム磁石に加えて高性能フェライト磁石の提案も開始しました。
1.背景
カーボンニュートラル、脱炭素社会実現のため、自動車生産台数に占める xEV の比率は今後ます
ます高まることが見込まれています。これに伴い xEV 用駆動モーターや発電機に使用されるネオジ
ム磁石の生産量拡大が見込まれます。一方で、ネオジム磁石はレアアースのうち軽希土類に分類さ
れるネオジムのほか、特に資源量が限られる重希土類のジスプロシウムやテルビウムなどが使用さ
れることから、需要の拡大にともない資源リスクが高まることが懸念されています。
日立金属では、これまで xEV 用モーターの小型化、軽量化につながるネオジム磁石の特性向上
に注力するとともに、省重希土類化やリサイクル技術の向上などでマテリアルフローの強化(レ
アアースの購入量、使用量の低減)を進めてきました。
こうした中、日立金属 グローバル技術革新センター(GRIT)では、資源リスク軽減に向けた新た
なアプローチとして、xEV 用駆動モーターにフェライト磁石を適用することを検討してきました。
2.概要
日立金属は、このたび、フェライト磁石としては世界最高レベルの磁気特性を持つ当社高性能フ
ェライト磁石 NMF ®15 材を、xEV 駆動モーターに適用することを想定して、シミュレーションにてモ
ーターの最適化設計を実施しました。その結果、磁石の搭載位置やサイズの最適化を図ることで、
以下の設計例のとおり、一定の条件下ではネオジム磁石を使用したモーターと同等レベルの出力が
フェライト磁石モーターでも得られること*2 を確認しました。
高性能フェライト磁石使用①:モーター重量は 30%増大するが、同等の出力レベル
高性能フェライト磁石使用②:回転数を 50%上げることで、重量、出力レベルが同等レベル
この度のシミュレーション結果により、xEV 駆動用の ような大出力のモーターにおいてもフェライト磁石を 適用できる可能性が示されました。そこで日立金属で は、資源リスクの軽減やコストの抑制といったお客様 の課題を解決するため、従来ネオジム磁石が採用され ていた各種用途における選択肢の一つとして、高性能 フェライト磁石の提案を開始しました。
日立金属は、ネオジム磁石、フェライト磁石だけで はなく、モーターの高性能、高効率化につながる材料 として、コア(鉄心)用アモルファス金属、エナメル 線、磁性 楔(くさび) などを取りそろえるモーター材料の総合 メーカーです。モーターに関するお客様の課題解決のため、ソリューションの提供を図りながらさ まざまなモーター材料を供給することで、カーボンニュートラル、脱炭素社会実現に貢献してまい ります。
*1 電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)、プラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)の総称。
*2 比較対象としたモーターでのシミュレーション結果であり、全てのモーターで同様の結果になるとは限りません。
以上
【お客様からのお問い合わせ】機能部材事業本部 TEL 050-3664-9514
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