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NXP、最新の電動化アプリケーション向けの高性能S32K39シリーズMCUを発表

2022年11月22日

  

NXP、最新の電動化アプリケーション向けの高性能S32K39シリーズMCUを発表

  

・性能、統合性、ネットワーキング、セキュリティ、機能安全を兼ね備え、新しい電気自動車(EV)トラクション・インバータ制御ニーズに対応

・新しいゾーン・アーキテクチャ向けTSN(Time-Sensitive Networking)イーサネットを使用し、リモート・スマート・アクチュエーション・アプリケーションをサポート

・ASIL Dソフトウェア・レゾルバとアナログ機能の統合により、システム・コストを削減

車載プロセッサ市場をリードするNXP Semiconductorsは電気自動車(EV)制御アプリケーション向け車載マイクロコントローラ(MCU)の新シリーズ「S32K39」を発表しました。電動化を未来に導く最新MCUの「S32K39」は高速かつ高分解能の制御で電動効率と航続距離を向上させ、スムーズなEV運転体験を実現します。S32K39 MCUはネットワーキング、セキュリティ、機能安全など従来の車載MCUを超えた機能を備えており、ゾーンE/Eアーキテクチャとソフトウェア・デファインド・ビークルのニーズに応えます。NXPの新MCUはバッテリ・マネジメント・システム(BMS)とEVパワー・インバータを実現し、次世代EVのエンド・ツー・エンド・ソリューションを提供します。

高性能なS32K39 MCUはEVバッテリの直流を交流に変換し、最新のトラクション・モーターを駆動するトラクション・インバータをインテリジェントかつ高精細に制御することに最適化されています。従来の絶縁ゲート・バイポーラ・トランジスタ(IGBT)だけでなく最近のシリコン・カーバイド(SiC)/窒化ガリウム(GaN)技術もサポートします。デュアル200kHz制御ループにより電力効率が向上しており、インバータの小型軽量化、効率化を実現し、モーターの航続距離を延長します。また、電力密度とフォールト・トレランスが向上した6相モーターを制御することが可能なため、長期に渡る信頼性を実現します。安全性の高いASIL Dソフトウェア・レゾルバと統合された正弦波生成機能とシグマ・デルタ・コンバータが付属しており外部コンポーネントが不要なため、システム・コストが低減します。さらに、S32K39は柔軟性が高く、 NXP S32Eリアルタイム・プロセッサと組み合わせて最大4つのトラクション・インバータを制御し、この構成で四輪駆動EV向けの先進トラクション機能を実装することが可能です。

S32K39シリーズは汎用性の高いアーキテクチャを使用しているため、トラクション・インバータ制御以外にもバッテリ・マネジメント・システム(BMS)、オンボード・チャージャー(OBC)、DC/DC変換など、幅広いEVアプリケーションに最適です。ハードウェア分離、TSN(Time Sensitive Networking)、先進の暗号化をサポートしており、ソフトウェア・デファインド・ビークルとゾーン・アーキテクチャのサポートにも適しています。

NXP Semiconductorsの車両制御および電動化セグメント担当ダイレクタのAllan Mcauslinは次のようにコメントしています。「S32K39 MCUは数々の魅力的な最新技術が搭載され、柔軟性と拡張性に非常に優れているため、自動車メーカーにおけるEV開発と最新電動化技術の導入を加速します。

NXPは包括的な製品ラインナップ・ソリューションにより、お客様がより良いEV運転体験を提供できるようサポートし、電気自動車革命を加速します。

  

S32K39について

・320MHzのArm® Cortex®-M7を4コア(ロックステップ方式が1ペア、スプリット・ロック方式が1ペア)搭載し、S32Kファミリで最も高性能

・最大6MBのオンチップ・フラッシュ・メモリ、最大800KBのSRAM

・2個のモーター制御コプロセッサとNanoEdge™高分解能パルス幅変調(PWM)で高性能と高精度な制御を実現

・安全性の高いASIL Dソフトウェア・レゾルバにより、外部コンポーネントが不要になり、コストも削減

・統合されたDSPが柔軟性の高いデジタル・フィルタリングと機械学習(ML)アルゴリズムを提供

・SAR、シグマ・デルタA/Dコンバータ、コンパレータ、レゾルバ励起用正弦波生成器を付属し、マルチチャネル・アナログをサポート

・6つのCAN FDインターフェース、TSNイーサネット、多数の先進プログラマブルI/Oを搭載

・ハードウェア・セキュリティ・エンジン(HSE)により、信頼性の高いブート、セキュリティ・サービス、公開鍵インフラストラクチャ(PKI)を使用したセキュアなOTA(Over-The-Air)アップデート、鍵管理を実現

・S32K37(2個のモーター制御プロセッサがないバージョン)も提供

・ISO/SAE 21434サイバーセキュリティ、ISO 26262機能安全プロセスに準拠

・176LPQFP-EPと289MAPBGAの2種類のパッケージで提供

  

システム・ソリューションの供給

エンジニアリング・サンプル、評価ボード、ソフトウェアとツールの包括セットは主要なお客様向けに供給しています。S32K39 MCUはNXP FS26セーフティ・システム・ベーシス・チップ(SBC)、調整可能なダイナミック・ゲート強度制御機能付きの先進高電圧絶縁型ゲート・ドライバ「 GD3162」と組み合わせて安全なインバータ制御システムを構築することができます。いずれもトラクション・インバータ開発向けの最高レベルな機能安全(ASIL D)をサポートします。量産開始は2023年第4四半期の予定です。

  

システム・ソリューションの供給

堅牢なオープン・アーキテクチャを備えたNXPの電動化ソリューションは電動化されたエンドポイントからクラウドへの安全でセキュアな双方向通信を実現します。NXPの統合/組み込み技術は設計者やサービス・プロバイダに最高のセキュリティと安全性の基準を満たしたシステムを構築しているという自信を与え、製品のライフサイクル全体を通じて性能向上に役立つ情報を提供します。NXPの電動化ソリューションはバッテリ管理、効率的なモーター駆動、急速充電、グリッド全体における負荷のバランス確保など、一部分だけでなくエコシステム全体の制御を実現します。

詳細についてはnxp.com/S32K39をご覧ください。

  

NXP Semiconductorsについて

NXP Semiconductors N.V.(NASDAQ: NXPI)はイノベーションを通じて、よりスマートな、安全で持続可能な世界を実現します。組み込みアプリケーション向けのセキュアなコネクティビティ・ソリューションで世界をリードするNXPは、オートモーティブ、インダストリアル& IoT、モバイル、通信インフラの各市場で新たな可能性を拓いています。60年以上にわたって蓄積した経験と技術を活かし、NXPは世界30か国強で約3万1,000名の従業員を擁しています。2021年の売上高は110億6,000万米ドルでした。詳細はWebサイトwww.nxp.comをご覧ください。

NXPジャパンはNXP Semiconductorsが開発および製造するプロセッシング・ソリューション、認証技術、コネクティビティ、高出力RFやアナログ製品などを日本市場に提供しています。本社は東京都渋谷区で、名古屋および大阪に営業所があります。詳細はWebサイトwww.nxp.jp(日本語)をご覧ください。

NXP、NXPロゴはNXP B.Vの商標です。他の製品名、サービス名は、それぞれの所有者に帰属します。© 2022 NXP B.V.

  

  

  

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