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フランス全土に展開するEV充電ステーションを最適化して管理【ARC インフォマティック】

2022年11月18日

  

フランス全土に展開するEV充電ステーションを最適化して管理

  

FIRALP社は、どのようにPcVueを使って、その電気自動車群のための充電ステーションを管理しているのでしょうか。

 公共事業や特殊市場の事業(エネルギー、土木工事、高電圧送電など)を手掛けるフランスの企業FIRALP社は、最新の診断機能を使って自社の充電ステーションをモニタリングして可用性を高めながら、保守作業の最適化も図っています。これにどのように取り組んでいるのでしょうか。

持続可能なモビリティの実現は多くの国で優先課題となっていますが、特に欧州では議会が2035年までにガソリン車とディーゼル社の販売を止めると可決したばかりであり、Eモビリティ市場が成長し、活況を呈するようになりました。

専門サイトEV-Volumesの新しい報告によると、世界的なEVの販売は2021年に675万台に達し、2020年に比べて108%の増加になりました。この販売台数には、乗用車や小型トラック、小型商用車が含まれています。さらに、国際エネルギー機関(IEA)の推定によると、10年後には実働する電気自動車の数が少なくとも1億4500万台にのぼるようになるとされています。

FIRALP社でも、数年前から電気自動車への移行を進めてきました。とりわけ2022年は、100台以上の電気自動車を発注し、各支店への充電ステーションの設置を済ませるという決定的な進展を遂げた年となりました。また、十数台の天然ガス(CNG)トラックも注文していますので、電気とガスの両方に対応したステーションの配備も進めています。こうした改革により、環境面での期待に応えるとともに、2025年までに低排出ゾーン(low-emission zone)において最も環境負荷の大きい自動車を制限できるものと期待されています。

モビリティの管理
この電気自動車への転換を支えるため、子会社であるEREC Technologies社を含めたFIRALPグループは、充電ステーションの管理にPcVueソリューションを選びました。

EREC Technologies社は、プロセス管理におけるフランスの専門企業であり、20年以上もPcVueをパートナーとして、電力および自動化分野のターンキー・ソリューションの保守・運用で顧客をサポートしてきました。

このプロジェクトは2020年にスタートし、オープンかつ柔軟なソリューションをもとに、FIRALP社の15の支店にある100台ほどの22kW充電ステーションを自社管理することを目標にしています。

新型コロナによるロックダウン中にはテストを実施し、様々なメーカーの充電ステーションとの通信を構成できるようにしました。またプロトコルにOCPPを選択して充電ステーションをモニタリングすることで相互運用性を保証しています。

これらの充電ステーションは負荷管理システム(Load Management System)にも頼っており、所定の性能を得るためにいくつかのファームウェア・アップデートが必要でした。


モバイル・アプリで最適な充電を実現

PcVueアプリケーションでは、一定時間内の充電中にステーションから供給された電力や充電イベントの終了、アラーム、充電の開始/完了など、様々な情報がレポートされます。さらに、WebVueクライアントとして10ライセンスが用意されており、視覚的にレポートにアクセス可能なため、充電ステーションをもっとよく活用できます。司令塔である本社のBMS管理システムとも接続されています。

現在のところ、充電ステーションへのアクセスは円滑であり、各支社にはそれを管理するためのポータルを設けて対応しています。このように今は電気自動車の数に十分見合うだけの充電ステーションがありますが、FIRALPグループとしては電気自動車群を拡大したいのと強い意向があり、徐々に充電ステーションへのアクセスが困難になっていく可能性があります。

この数カ月のうちにFIRALP社には100台以上の電気自動車が納入され、その電気自動車群が完成すると、リソースの最適化ツールも必要になるでしょう。こうした状況を踏まえたとき、PcVueプラットフォームが提供する革新的なモビリティ・ソリューションがFIRALPグループにとって魅力的だったのです。

整理券発行のデジタル化:PcVueによって、電気自動車ドライバーの日常が快適に!
電気自動車のドライバーが直面する大きな問題に、フル充電後も自動車がステーションに接続されたままになっていて、待っている他の自動車が充電ステーションを利用できないという問題があります。

そこでPcVueソリューションでは、この問題を解決するため、電気自動車のドライバーが駐車場に到着すると、スマートフォンを使ってサインインできるようにし、適切な充電速度を指示するという解決策を実現しています。PcVueが充電ニーズや速度に関する情報を保存しておき、充電ステーションが利用可能になると、PcVueプラットフォームを通じてドライバーのスマートフォンにどの充電ステーションを使用すべきかを通知できるようにしているのです。

そして電気自動車が接続されると、PcVueが充電を始めます。また、ドライバーが車への充電をしないと判断した場合に対応するため、PcVueが充電ステーションの利用権を次の充電リクエストに渡せるようにタイムアウトも設定できます。

PcVueのボット機能により、いっさいプログラムを書くことなく、このような自動車の充電ステーションに特化したモバイル・アプリが実現します。さらに、ユーザーのニーズに合わせたモバイル用のグラフィカルなインターフェイスも、その機能や図表を含めて作成可能です。

FIRALP社のケースでは、スマートフォンで充電の権利を受け取ったドライバーは、すぐに利用しない場合や延期したい場合などに、その権利を他の人に渡すことが可能です。

こうしたスマートなモバイル用ソリューションは、車両と充電ステーション、ドライバーの3者において、可用性と充電ニーズ、時間が完全にマッチして初めて成り立ちます。

すべての従業員が認めるのは「誰もエンジン車に戻したいとは考えていない」ことだと、Jerome Dorne氏は話しています。同氏は、様々なメーカーから導入する約40基の新しい充電ステーションと100台の電気自動車について、その調査・実行を統括しています。

また、将来を見据えた大きな狙いの一つとして、運転条件での保守(Maintenance in Operational Condition:MOC)が確実に行えるソリューションの実現、つまり、充電ステーションの設置ごとに保守契約を履行できるようにすることです。

というのもEREC社は、近い将来、FIRALP社以外の複数の企業を顧客として、充電ステーションの設置を請け負いたいと考えているからです。

エネルギー効率のさらなる向上に向けて
なにより、FIRALP社は設備のエネルギー性能を常に革新のテーマに据えてきました。バリの南にあるモントルー=シュル=ル=ジャール工場ではすでに、Departmental Energy Syndicateが管理する太陽光発電パネルが600 m2にわたって設置されています。さらに、次に新設される建屋にも太陽光発電パネルを設備する予定であり、FIRALPグループは自社で消費するエネルギーを太陽光で補うことで、さらなる1歩を踏み出そうとしているのです。原則として、トラックの車庫に設置の太陽光パネルによって生み出したエネルギーを使って、建屋の暖房を含めた空調に電力を供給したり、電気自動車ターミナルの充電をまかないます。

「目標は、自社の太陽光パネルからのエネルギーでも、電力会社ENEDIS 社のネットワークからのエネルギーでも、社屋のエネルギーを管理し、子会社EREC を通じて専門技術を獲得することです」と、FIRALP社の不動産管理マネージャFrançois Chapel氏は同社の主眼を説明しています。

自社での消費に加えて、リヨン近郊のメイジューに置く次の高電圧設備には、再利用バッテリーを用いた蓄電を試みる予定です。また、同施設は低炭素アスファルトを用いて整備する初めての施設ともなります。さらに、フランス・ランド地域産の錫杖草をベースとした複合材料のテストも計画されています。

2021年、FIRALP社は炭素に関する完全な調査を行って、同グループの活動にともない直接排出される温室効果ガス(GHG)を算出しました。こうした測定の結果を受けて、2022年は、いよいよ実験と対策の行う段階となりました。

低炭素なアプローチを実行するため、FIRALPグループはOksigen社という企業に協力を仰いできました。調査に続いて、カーボンフットプリントに対する対応として4つの優先的アクションを決め(コンクリート、リサイクル、代替エネルギー、CO2排出量計算装置)、作業グループも起ち上げました。その目標は、CO2排出量を2025年までに10%、2030年までに20%削減することです。

プロジェクトの概要
- 約100基の22kWターミナル
- 約50社の企業と連携
- 様々なエネルギー源に対応した約40台の新しい充電ステーションを、2023年までに複数のメーカーから導入
- 2022年に100台の電気自動車を発注
- スマートフォン用アプリによって充電を最適化

www.pcvuesolutions.com

  

ARC インフォマティックについて
ARCインフォマティックはフランス・パリに本社を構えるSCADAソリューションの世界的プロバイダーです。革新性と技術の卓越性という強みを活かして、クラウドやモバイル・ソリューションを含めた最新テクノロジーを統合する製品を開発しています。
主力製品であるPcVueは、通信やネットワーキングから、アラーム監視、データベース管理にまで対応する機能やアドオン、ツール群を備えた柔軟なソリューションです。またPcVueは、Moxa社をパートナー企業として、産業用Ethernetをも完備したパッケージとなっています。
一方、品質面ではISO 9001とISO 14001認証を取得しており、アジアや欧州、中東、米州には独自の営業所とテクニカルセンターを置くほか、パートナー企業や販売代理店を通じて世界規模のプレゼンスを確立しています。
www.pcvuesolutions.com

  

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