エコカー向け動力モーター制御LSI市場に初参入モーターの高速制御に対応した32ビットマイコン3製品新発売【富士通セミコンダクター】

富士通セミコンダクター株式会社^（注1）は、フラッシュメモリを内蔵する高性能32ビットマイクロコントローラー（以下、マイコン）「FRファミリ^（注2）」に、電気自動車やハイブリッド車（以下、EV・HV）向け動力モーター制御機能を備えた「MB91580シリーズ」3製品を追加し、4月下旬よりサンプル出荷を開始します。
「MB91580シリーズ」は、エコカーとしてグローバルに急増しているEV・HVの三相モーター制御に必要なレゾルバセンサー^（注3）専用のインターフェース回路を業界に先駆けて搭載した製品です。当社がエコカー向け動力モーター制御用LSIを発売するのは今回が初めてであり、これにより同市場の需要に対応します。

昨今、地球環境への関心が高まり、排気ガスを削減できるエコカーとして、EV・HVの需要が急増しています。これら環境にやさしいクルマの普及を促し、さらなるエコ化を推進するために、動力用モーターを制御するECU（電気制御システム）には、『モーターの運動性能の向上』『省エネルギー化』『システムコストの削減』の3つのイノベーションが求められています。

当社は、このような要望にいち早く対応して、動力モーター制御用32ビットマイコン「MB91580シリーズ」を開発し、4月下旬より出荷を開始します。

「MB91580シリーズ」は、EV・HVのモーター制御に最適なコアと、最適な周辺機能を内蔵しています。

特にEV・HVの動力モーターに使用されるレゾルバセンサーについては、専用のインターフェース回路を業界に先駆けて内蔵し、『システムコストの削減』を図るとともに、 EV・HVモーターに要求される高いトルク応答制御処理を実現し、『モーターの運動性能の向上』『省エネルギー化』に貢献します。

販売目標

2014年度に、3製品合計で200万個の販売を見込んでいます。

本シリーズの特長

1．高速トルク制御処理に適した周辺機能
高いトルク応答性を要求されるEV・HVモーター制御のため、下記の周辺機能を搭載しています。これらの周辺機能の内蔵により、『システムコストの削減』とともに、高速なフィードバック制御が可能となり、『モーターの運動性能向上』『省エネルギー化』を実現します。

・モーターの電流と軸回転角を高速、高精度で検出する12ビットA/Dコンバータ、R/Dコンバータ^（注4）を搭載しています。内蔵のA/Dコンバータが三相電流を検出するのに同期して、内蔵のR/D コンバータが電気角^（注5）を検出します。
・内蔵のR/Dコンバータが検出した電気角に対するSIN（正弦）値とCOS（余弦）値を自動的に演算する専用演算回路を搭載しています。モーターのフィードバック制御に必要な情報をハードウェアにて生成します。

2．FPU内蔵の高性能CPUコア
内蔵の周辺機能により生成された情報を、160DMIPS^（注6）の高性能CPUに搭載された浮動小数点演算専用ユニット（FPU）を用いて、ベクトル変換やPID制御^（注7）を高速に演算処理できます。さらなる高速なフィードバック制御の実現により、『モーターの運動性能の向上』『省エネルギー化』に寄与します。
また、モーター制御にかかるCPU負荷を抑えることにより、動力モーター以外のシステム（DC/DC コンバータやバッテリーマネージメントなど）も制御が可能となり、システム統合による『トータルコストの削減』にも貢献します。