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NXP、新しいソフトウェア・デファインド・ビークル向けリアルタイム・プロセッサ・ファミリ「S32Z」と「S32E」を発表し、S32車載プラットフォームを拡充

2022年6月23日

  

NXP、新しいソフトウェア・デファインド・ビークル向けリアルタイム・プロセッサ・ファミリ「S32Z」と「S32E」を発表し、S32車載プラットフォームを拡充

  

・重要でデターミニスティックに振る舞うセーフMCUを搭載し、GHzクラスのスピード、複数アプリケーションの分離、メモリ拡張機能を非常に高いレベルで組み合わせた、新しいクラスのプロセッサ

・ソフトウェア・デファインド・ビークル向けに、車載クロス・ドメイン機能の安全な統合実現に最適

・16nmのS32Zプロセッサ・ファミリとS32Eプロセッサ・ファミリは、次世代5nmソリューションへ続く拡張性のある製品

NXP SemiconductorsはNXPの革新的なS32車載プラットフォームのメリットをさらに活かし、安全で高性能なリアルタイム・プロセッシングが可能な2つの新プロセッサ・ファミリを発表しました。S32Zプロセッサ・ファミリとS32Eプロセッサ・ファミリは自動車業界におけるドメイン/ゾーン・コントロール、セーフティ・プロセッシング、より安全で効率的な次世代自動車に欠かせない電動化など、多様なリアルタイム・アプリケーションの統合を加速します。S32Zプロセッサはセーフティ・プロセッシングとドメイン/ゾーン・コントロールに最適で、S32Eは電気自動車(xEV)制御とスマート・アクチュエーションに最適です。ソフトウェア互換のS32ZプロセッサとS32Eプロセッサはソフトウェア・デファインド・ビークルの実現、ソフトウェア統合における複雑さの低減、セキュリティと安全性の強化をサポートします。

自動車メーカーにとって、ドメイン/ゾーン・アーキテクチャに向けた業界の技術的進化は魅力的であり、ワイヤハーネスの最適化、コストと重量の低減、よりスケーラブルかつコスト効率の高い、ソフトウェアを中心としたアプローチによるインテリジェントな自動車の開発とアップグレードが可能になります。この大きな変革にはソフトウェア・デファインド・ビークルと将来のイノベーションを実現する性能の高さ、アプリケーション分離機能、メモリ拡張機能を有する新しいプロセッサが必要です。

次世代のソフトウェア・デファインド・ビークルに求められる性能とデターミニスティックな振る舞いを備えたリアルタイム・プロセッサを設計するには車載エコシステム全体における深い協力関係が必要です。厳格なプロセスを進め、主要パートナーとなったのがRobert Bosch GmbHです。

Boschのエンジニアリング担当VPのAxel Aue氏は次のようにコメントしています。「私たちはNXPと非常に緊密に連携し、2つの新しいプロセッサ・ファミリの開発に取り組みました。S32ZプロセッサとS32Eプロセッサは組み込みNVM MCUの2倍の性能、主な統合プラットフォーム機能、LPDDR4 DRAMとフラッシュ・メモリによるメモリ拡張を特長とします。組み込み統合に最適で、かつては複数のMCUがなければ実現できなかった、非常に高性能な車載機能の統合と分離を可能にします」。

NXPのS32ZプロセッサとS32Eプロセッサは今日の車載マイクロコントローラを凌駕する性能を持っており、搭載されている8個のスプリットロック機能付きArm® Cortex®-R52プロセッサ・コアは最大1GHzで動作し、デターミニスティックな高性能リアルタイム・アプリケーションの安全な統合を実現しています。これらのプロセッサは「core-to-pin (コアから端子まで)」のハードウェア仮想化とリソース・ファイアウォールにより、独立したリアルタイム・アプリケーションを分離し、干渉を回避します。プロセッサはゼロ・ダウンタイムOTA(Over-The-Air)アップデートが可能な最大64MBの統合フラッシュ・メモリを搭載し、大規模アプリケーションやAUTOSAR® Adaptiveアプリケーション向けの直接実行(XiP)モードを備えたLPDDR4 DRAMとフラッシュ拡張メモリをサポートします。24チャネルのCANインターフェースとTSN(Time-Sensitive Networking)対応のギガビット・イーサネット・スイッチをサポートする通信アクセラレータ(FlexLLCE)は車載データをシームレスに「仮想ECU」に送信し、効率の向上とソフトウェア開発の合理化を実現します。ハードウェア・セキュリティ・エンジン(HSE)はセキュア・ブート、高速セキュリティ・サービス、鍵管理をサポートします。S32ZプロセッサとS32Eプロセッサは、自動車サイバーセキュリティ規格ISO/SAE 21434と、機能安全規格ISO 26262のASIL D認定を取得しています。

S32Eプロセッサに追加されているスマート・アクチュエーション向けのアドバンスト・タイマ、高解像度ADC、5VアナログI/Oは、ダイレクト・ドライブ・モータ制御とのxEV統合アプリケーションの実現をサポートします。

S32ZプロセッサとS32Eプロセッサの汎用性とメリットにより、世界をリードするOEM企業とTier 1サプライヤは多様なリアルタイム・プロセッシングのニーズに対応した広範な新しい車載アーキテクチャを開発することができます。

NXPの車両制御およびネットワーク・ソリューション担当SVP/GMのRay Cornynは次のようにコメントしています。「新しいS32ZプロセッサとS32Eプロセッサは安全で高性能なリアルタイム・プロセッシングでリードする私たちの地位をさらに強固にし、他のS32車載プロセッサと共にお客様の多様なエンドツーエンドのドメイン/ゾーン・アーキテクチャをサポートします。私たちは5nm技術へと続く拡張性と互換性に優れたリアルタイム・ロードマップを提供し、未来の統合されたソフトウェア・デファインド・ビークルの設計をサポートします」。

S32ZとS32Eのシステム・サポート

NXPはお客様による設計を加速するためにS32ZプロセッサとS32Eプロセッサのシステム・サポートを提供します。システム・サポートにはプロセッサと同時開発されたASIL-D対応のシステム・ベーシス・チップ(SBC)の「 FS86 」、安全機能が強化されたパワー・マネジメントIC(PMIC)「 PF5030 」、車内ネットワーク構築をサポートする イーサネット・スイッチとPHYCANトランシーバ のほか、IGBT/SiC高電圧インバーター・ゲート・ドライバ「 GD3160 」やバッテリ・セル・コントローラ「 MC3377x 」などのアナログ・コンパニオン・チップをラインナップしています。

供給と開発環境

S32Z280デバイスとS32E288デバイスは既に主要なお客様向けにサンプル供給を開始しています。広範なソフトウェア/ツールと強力なパートナー・エコシステムにサポートされている車載統合プラットフォーム・ソフトウェア「GreenVIP」と開発プラットフォーム「 GreenBox 3 」を使えば、シリコン評価とソフトウェア開発、迅速な製品試作をさらに加速できます。

ニュルンベルクで開催されている Embedded World 2022 のブース「4A-222」において、「Key Technologies for Enablement of Multi-Core, Real-Time Domain Controllers(マルチコア・リアルタイム・ドメイン・コントローラを実現する主要技術)」のプレゼンテーションと、S32Eプロセッサのマルチコア性能とフォールト・トレランスのデモ「Safe Multi-ECU Integration(安全な複数ECU統合)」を行っています。

詳細については、 nxp.com/S32Z-E をご覧ください。

NXP Semiconductorsについて
NXP Semiconductors N.V.(NASDAQ: NXPI)はイノベーションを通じて、よりスマートな、安全で持続可能な世界を実現します。組み込みアプリケーション向けのセキュアなコネクティビティ・ソリューションで世界をリードするNXPは、オートモーティブ、インダストリアル& IoT、モバイル、通信インフラの各市場で新たな可能性を拓いています。60年以上にわたって蓄積した経験と技術を活かし、NXPは世界30か国強で約3万1,000名の従業員を擁しています。2021年の売上高は110億6,000万米ドルでした。詳細はWebサイトwww.nxp.comをご覧ください。

NXPジャパンはNXP Semiconductorsが開発および製造するプロセッシング・ソリューション、認証技術、コネクティビティ、高出力RFやアナログ製品などを日本市場に提供しています。本社は東京都渋谷区で、名古屋および大阪に営業所があります。詳細はWebサイトwww.nxp.jp(日本語)をご覧ください。

NXP、NXPロゴはNXP B.Vの商標です。他の製品名、サービス名は、それぞれの所有者に帰属します。© 2022 NXP B.V.

  

  

  

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