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PA6パウダー材料に対応した粉末焼結(SLS)方式3Dプリンター「MfgPro236 xS」を新発売【XYZプリンティングジャパン】
2022年6月22日
PA6パウダー材料に対応した粉末焼結(SLS)方式3Dプリンター
「MfgPro236 xS」を新発売
~普及度の高いナイロン素材「PA6(ナイロン6)」パウダーが使用できる~
XYZプリンティングジャパン株式会社は、粉末焼結方式3Dプリンター「MfgPro236 xS」を2022年6月22日に新発売いたします。MfgPro236 xSは60Wの高いレーザー出力を誇り、PA6(ナイロン6)パウダー材料での造形に対応したSLS方式3Dプリンターで、価格は16,500,000円(税抜)となっており非常にリーズナブルなコストで粉末焼結3Dプリントを導入することができます。
MfgPro236 xS(以下MP236)は、XYZプリンティングジャパン株式会社で現在販売中の粉末焼結方式(以下SLS方式)3DプリンターMfgPro230 xS(以下MP230)の上位機種となります。MP230と比較してレーザー出力を30Wから60WにアップグレードしたことによりPA6(ナイロン6)パウダーでの造形に対応しています。
現在、SLS方式3Dプリンターの材料としてPA12が一般的です。耐久性のあるナイロン素材の中では比較的扱いやすく造形安定性に優れていることが主な背景の一つです。一方、実際の工業製品に採用されているナイロン素材という点ではPA6の方が圧倒的に普及度が高く一般的です。強度や硬さなどの機械特性に優れ、耐薬品性、耐油性なども良く機械部品に最適な材料です。そのため電気・電子業界、自動車業界等幅広い分野で使われています。
従来のPA12は「試作品」としての使用用途が主流でした。PA6は優れた機械特性によって、厳しい環境下で長期に使用される「本製品」、もしくは「本製品と同じ素材を使った試作品」として更に高度な機能試験・機能検証を可能にします。
新発売のMP236はPA6だけでなくPA12、PA11、TPUなどの材料にも対応しており、幅広い使用用途で活用することができます。
粉末焼結方式3Dプリンター「MfgPro236 xS」
粉末焼結方式3Dプリンター「MfgPro236 xS」 |
■PA6の特徴
高強度で非常に硬く剛性に優れています。高耐熱性・高気密性にも優れ、また、自己潤滑性があり耐摩擦摩耗特性にも優れています。使用用途として、耐熱が必要な設計検証や高い強度が必要とされる治具などに適しており、活用例として、エンジンパーツ・ダクト・冷却ファン・機械部品など幅広く対応が可能です。
PA6パウダーの造形品 |
材料名 | 商品名/色 | 価格(税抜)/容量 | 特徴 |
PA6 MF | sPro6 MF /ブラック |
¥346,000 /20kg |
PA6に鉱物フィラーを含有。強度と剛性に極めて優れており、硬い造形品を製作できる。高耐熱性と高気密性にも優れ、耐薬品性、耐油性も良好。 |
PA6 FR | sPro6 FR /ブラック |
¥346,000 /20kg |
難燃性の高いPA6(V2(0.8-3mm)UL94V規格)で、自己消化性があり熱源から離れると火が消える特徴がある。もちろんPA6の特徴である強度と剛性にも優れる。 |
PA12 | sPro12 /ホワイト |
¥272,000 /20kg |
優れた耐久性をそなえたオールラウンド素材で、強度、靭性、耐摩耗性などトータルバランスが良い。吸湿性が低く寸法精度が安定。 |
PA11 | sPro11 /ホワイト・ブラック |
¥272,000 /20kg |
靭性・耐衝撃性に優れ、ヒンジ形状などに適している。靭性、耐衝撃性、耐寒性に優れ、植物由来で環境にやさしい材料。 |
PA11 CF | sPro11 CF /ブラック |
¥346,000 /20kg |
PA11にカーボンを含有した特殊パウダーで、非常に高い剛性を誇り、優れた靭性・耐衝撃性、寸法精度が特徴。 |
CB50 | CB50 /ブラック |
¥336,000 /20kg |
GCI 群栄化学工業社製の材料で、真球状カーボンを充填したPA12。真球状カーボン配合により寸法精度が安定し、高強度、高硬度を誇り経時変化に強い特徴がある。 |
TPU | sProTPU /ホワイト |
¥272,000 /20kg |
柔軟性と耐久性に優れた熱可塑性ポリウレタンで、造形品はゴムのように柔らかい。高弾性、衝撃吸収性、耐疲労性に優れた造形品が製作できる。 |
価格(税抜) | ¥16,500,000 |
最大造形サイズ(W×D×H) | 230×230×250 mm |
最高レーザー出力 | 60W |
積層ピッチ | 0.06/0.08/0.1/0.15/0.2/0.3 mm |
本体サイズ(W×D×H) | 1,444×828×2,053 mm |
本体重量 | 425 kg |
■粉末焼結方式(SLS)3Dプリンターの特徴
SLS方式3Dプリンターは、赤外線レーザーを照射し高温で粉末を焼結しながら造形していく技術を用いた3Dプリンターです。SLS方式は複雑な形状でもサポート材なしでモデルを造形することができます。熱溶解積層方式や光造形方式の場合、造形品の形状によってはサポート材が必要となる場合が多々あり、サポート材の取り外しに手間がかかったり、より複雑な形状ではサポート材の取り外しが不可能な場合が出てきます。その点、SLS方式はサポート材が必要な箇所を粉末が埋めるため一切のサポート材が不要となり、どのような複雑形状の造形でも造形完了後に粉末を取り除くだけで後処理は完了します。また、造形精度(寸法安定性)に優れており、自動車や電化製品など様々なメーカーのものづくりにおいて活用されている3Dプリンターです。
2022年9月発売予定のダヴィンチPro EVO |
◆XYZプリンティング
OODM・EMSのリーディングカンパニー「金宝グループ」の事業会社として2013年に設立。出荷台数グローバルシェアNo.1の実績を誇る3Dプリンターのリーディングプロバイダーです。全世界69の工場、従業員約120,000名、うち8,500名以上のエンジニアを有すグループリソースを活用し、包括的な技術を採用した3Dプリンターを幅広く展開しています。
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