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シンガポールにて世界最大のNd-PBR製造プラントの起工式を実施【ランクセス】

2012年9月14日

・ 約2億ユーロの投資
・ 新プラントの年間製造能力は14万トン
・ ランクセスは世界有数のNd-PBRサプライヤー
・ タイヤラベリング制度が「エコタイヤ」の旺盛な需要を後押し
・ 隣接するブチルゴム製造プラントの建設は予定通り進行中

ドイツの特殊化学品メーカーのランクセス(LANXESS)は、9月11日に、シンガポールに新設するネオジウム触媒ポリブタジエンラバー(Nd-PBR)製造プラントの起工式を行いました。ランクセスは約2億ユーロを投資し、ジュロン島のケミカルパークに年間製造能力14万トンを備えるプラントを建設します。同プラントは、この分野では世界最大となり、主にアジアにおいて急成長する「エコタイヤ」市場に向けて、その主要材料のひとつであるNd-PBRを提供します。稼動開始は2015年上半期の予定で、約100名の雇用創出を見込んでいます。

Nd-PBRは、「エコタイヤ」のトレッドとサイドウォールに使用され、タイヤの転がり抵抗の低減と燃費の向上を実現します。さらに、優れた耐摩耗性を備え、タイヤ寿命の大幅な延長と安全性の向上を図ります。

ランクセスのCEOであるアクセル C. ハイトマンは、ジュロン島で行われた同プラントの起工式で次のように述べています。「現在建設中のブチルゴム製造プラントに続き、シンガポールにもう1つの大規模なゴム関連の投資ができることは大変喜ばしいことです。これはランクセスの『グリーンモビリティ』への明確な取り組みを表しています。ランクセスは、タイヤの転がり抵抗の低減と燃費向上を実現する技術に注力します。これが顧客満足度を高めるとともに、環境保護へと繋がります」

起工式にはアンゲリカ・フィーツ 駐シンガポールドイツ連邦共和国大使とシンガポール経済開発庁(EDB)のレオ・イップ長官らも出席しました。

新プラントではペトロケミカル・コーポレーション・オブ・シンガポール(Petrochemical Corporation of Singapore Pte.Ltd.)より、Nd-PBR製造で必要な基本原料であるブタジエンの大半の供給を受けます。また、シンガポールのTP Utilities Pte Ltd.(Tuas Power Ltd.の全額出資子会社)からは、蒸気の供給を受けます。Foster Wheeler Asia pacific Pte.Ltd.は、高度な技術を要する、プラントのエンジニアリングと建設を担当します。

「エコタイヤ」の旺盛な需要に対応する新プラント

ランクセスは、「エコタイヤ」に使用されるNd-PBR市場でリーダーとしての地位を確立しています。エコタイヤ市場は、タイヤ産業において著しい成長を遂げている分野で、世界の年間成長率は約10%、アジアにおいては同13%超を示しています。

特に、中産階級が豊かになってきているアジアと中南米地域においては、メガトレンドの車社会化が需要の原動力となっています。さらに、世界中で導入が進むタイヤラベリング制度により、この需要の加速が見込まれます。

2012年11月からEU(欧州連合)においてタイヤラベリング制度が義務化されます。同制度では、燃費性能、ウエットグリップ性能がAからGまで等級付けされ、さらに騒音量についても計測、等級付けが行われます。
「エコタイヤ」の付加価値を明確化することで、新制度は、消費者にタイヤを識別するための透明性をもたらします。ミュンヘン工科大学によると、EUにおけるAおよびB等級の市場シェアは、2017年には20~30%に達し、2022年には70~80%程度まで拡大すると見ています。

日本と韓国では、世界に先駆けて、タイヤメーカーの任意によるタイヤラベリング制度(欧州とは異なる表示、等級分け)が導入されました。日本では2010年1月から、韓国では2011年11月から導入されています。
さらに韓国では、2012年12月から同制度が義務化されます。ブラジル、米国、中国など他の国は、近年中に導入される予定です。

ランクセスは、グローバル市場調査会社であるフロスト&サリバン社にシンガポールのドライバーが「エコタイヤ」から得られるメリットに関して調査を依頼しました。その結果、シンガポール国内の全ての自動車が「エコタイヤ」を装着することで、年間357,468トンの二酸化炭素排出量が削減でき、年間1億4,600万リットルの燃料が節約できることが明らかになりました。

合成ゴムが「エコタイヤ」を後押し

「エコタイヤ」は、Nd-PBRとソリューションスチレンブタジエンゴム(SSBR)の両方を含有するゴム配合により、それぞれの最大の性能を発揮することができます。ランクセスは、「エコタイヤ」のトレッドコンパウンドに主に使用されるSSBRも製造しています。SSBRは、タイヤの転がり抵抗の低減や湿潤路面でのグリップ性能の向上に貢献します。

「私たちは今、タイヤデザインの時代からタイヤ素材の時代に移行しており、これはタイヤの性能に大きく影響を及ぼします。ランクセスは、まさしくこの素材の部分で、未来のタイヤを開発する主導的な役割を担っています」と、ハイトマンは述べています。

自動車の燃費の20~30%、走行時の二酸化炭素排出量の24%は、タイヤに起因すると複数の研究が示しています。「エコタイヤ」は、燃費を5~7%低減し、さらには、自動車の他の低燃費化技術と比べてもコスト回収期間は最短となるでしょう。

Nd-PBRは、ヨアヒム・グルーブが責任者を務めるパフォーマンスブタジエンラバーズビジネスユニットに属します。この優れた革新的なゴムは、現在、ドルマーゲン(ドイツ)、カボ(ブラジル)、ポートジェローム(フランス)、オレンジ(米国テキサス州)の拠点で製造されています。タイヤ以外にも、射出成形用途のハイインパクトポリスチレン(HIPS)の製造におけるプラスチックの改質にも使用されています。その他の用途には、ゴルフボール、ランニングシューズ、コンベヤーベルトなどがあります。パフォーマンスブタジエンラバーズビジネスユニットはパフォーマンスポリマーズ部門(2011年度の売上高:51億ユーロ)に属しています。

ブチルゴムプラントの建設は予定通り進行

ランクセスのNd-PBRの新プラントは、現在、ジュロン島に建設中のブチルゴム製造プラント(投資額4億ユーロ)に隣接して建設されます。ブチルゴム製造プラントは、ランクセス設立以来、単独投資として最大規模を誇り、2013年第1四半期より稼動開始予定です。

これは、シンガポール/ドイツ・レバクーゼンで9月11日に発表されたリリースをもとに、ランクセス株式会社が発表したものです。
この原文(英語)は、以下のURLにてご参照下さい。
http://www.press.lanxess.com

ランクセスについて

ランクセスは、世界31カ国で事業を展開する大手特殊化学品メーカーです。2011年の総売上は88億ユーロにのぼり、全世界の従業員数は約 16,900人、世界中に48の拠点を展開しています。主な事業は、プラスチック、合成ゴム、中間体、特殊化学品の開発、製造とマーケティングです。ランクセスは、持続可能性に優れた企業を選定する「ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・ワールド・インデックス(DJSI World)」および「FTSE4Good」の構成銘柄です。
ランクセスについての詳細は同社URLにてご確認下さい。
www.lanxess.co.jp

本件に関するお問い合わせ先

ランクセス㈱  コーポレートコミュニケーションズ
村上  幸、 田中  久美子
TEL  :  03-5293-8005  FAX  :  03-5219-9773
lanxess.japan@lanxess.com

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その他の情報

ランクセスのニュースリリースは www.lanxess.co.jp の”プレスリリース”項目よりご覧ください。また、役員およびその他の写真は photos.lanxess.com (英語)より入手いただけます。
ランクセスの動画および音声、ポッドキャストについては下記をご覧ください。
http://corporate.lanxess.com/en/media/audio-video/ (英語)
ランクセスのウェブマガジンは下記でご覧いただけます。
http://webmagazine.lanxess.com/ (英語)



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