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京都の自動車部品メーカー サンコール HV/BEV向けシャントバスバー 2.5億円の投資決定【サンコール】

2022年5月13日

  

京都の自動車部品メーカー サンコール HV/BEV向けシャントバスバー 2.5億円の投資決定
生産能力増強 IATF16949取得 拡大する海外需要狙う

  

サンコール株式会社(本社:京都市、社長:大谷忠雄)は、2022年4月、HV・BEV(電動自動車)向け部品シャントバスバーの生産能力増強のため、2.5億円の大型投資を決定しました。シャント専用工場「京都南工場」にてIATF16949を取得しており、海外拡販体制を強化します。



BEVの充電イメージ

サンコールは、京都市南区吉祥院にある同社の「京都南工場」にてIATF16949を取得しました。同工場は、2020年4月にシャントバスバーの製造・開発拠点として開設されたシャント専用工場です。

当社の次世代注力事業の一つである同部品は、HV・BEV(電動自動車)に必要な電流制御(バッテリー充放電、インバーター制御、異常電流の検出とその遮断等)を行う電流検出部品で、高い精度で電流値の変動を検出することが求められます。本国際規格の取得には、欧米の主要な自動車メーカーで求められる高レベルな品質マネジメントシステムの構築と運用実績が求められ、顧客にとっては製品の信頼性を裏付ける重要な基準とされています。近年特に増加している海外OEM、Tier-1からの要望に応える為、南工場では2020年の開設時からIATF審査に取り組み、2022年2月に取得完了致しました。

また、中長期での需要増に伴う南工場のスペース不足を見越して、国内新拠点へシャントバスバー生産ラインを設置し、生産能力を大幅増強することを決定しました。総投資額は2.5億円で、2023年4月完成、同年10月稼働開始を予定しています(場所は国内選定中)。この投資により、現行の2倍の生産能力を確保、5億円規模の売上げを目指します。当社はこれにより、ますますグローバル拡販の基盤を固める構えです。

■弁ばねメーカーからEV製品メーカーへ

ばね用線材メーカーとして京都に生まれた当社は、エンジン・ミッション等、車の基幹部品メーカーとして、70年以上に渡り日本の自動車産業と共に歩んできました。『材料から精密加工品までの一貫生産』という世界でも類を見ないビジネスモデルを踏襲し、トヨタ自動車をはじめとする主要自動車メーカーのよきパートナーとして、強固な信頼関係を築き続けています。

近年はEV化の流れの中、カーボンニュートラル実現への貢献を中期経営目標(※1)の一つとして掲げ、エンジン車部品メーカーからEV製品メーカーへの飛躍をはかっています。10年以上前より豊田市の拠点にてシャントや車載用バスバーの開発に着手、2021年には京都にシャント開発を集約させ、海外OEMの要求に応えるべく体制強化を図りました。弁ばねやリングギア等の既存事業で培われた材料塑性加工技術を持ち味としており、異形断面線材の特性を駆使したリアクトルコイル、金型フリーの工法を適用したバスバーは、十数年にわたり国内主要自動車メーカーにて搭載頂いております。



IATF16949を取得したシャントバスバー


EV製品 バスバー


EV製品 リアクトルコイル

■塑性加工技術を生かす独自工法 海外EVでも高評価

バスバーとシャント抵抗を合わせた「シャントバスバー」も、独自の加工方法を構築することで生まれた部品です。従来シャントバスバーの製造は、連続溶接工程(=あらかじめ抵抗体と銅材料を溶接しておき、所要寸法へ切断する)が主流でした。欧州で普及している多くの製品がこれにあたります。この工法で作られるシャントバスバーは、シンプルな短尺デザインに限られるため、顧客にて組み付け時にボルト等での締結を必要とし、また抵抗値の精密な保証が出来ないなどの問題がありました。

そこで当社では塑性加工技術の蓄積をもとに、銅と抵抗体に加工を加えた上で結合させる工法を生み出しました。これにより、前述の連続溶接工程では製造できない複雑な設計を実現し、従来品では避けられなかった締結部発熱とそれによる電力損失のデメリットを解決しました。

また、検出端子としてのピンの設計・接合も自社内で担うことで、検出精度の保証も強化しました。顧客の設計に合わせた提案を行い、アルミと銅のバイメタル材料や、めっき・塗装などの表面処理など柔軟に対応するカスタマイズ提案が他にない価値を提供しています。



蓄電池用途でも搭載されている

このような点が評価され、2017年から電動フォークリフトやHVトラック、自動搬送装置(AGV)、太陽光発電装置など各種用途向けに搭載され、車載向けに2019年に国内商用HVトラックで採用、現在欧州・北米の自動車メーカーにてサンプル評価、量産供給が始まっています。今後、欧州・米国でも拠点開設をめざしており、今後もグローバルで量産拡大を目指して参ります。

(※1)サンコール新中期経営計画「GLOBAL GROWTH PLAN 2024(GGP24)」(2022年2月10日)
https://www.suncall.co.jp/wp/wp-content/uploads/2022/02/20220210ggp24url.pdf

  

サンコール株式会社 会社概要:
代表取締役 :大谷 忠雄(おおたに ただお)
設立    :1943年6月
所在地   :京都市右京区梅津西浦町14番地
HP    :https://www.suncall.co.jp
EV製品専用:https://www.suncall.co.jp/shunt-sensor-solution/

  

  

  

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