ニュース
アウディらしい走り:ドライビング特性におけるAudi DNA(ドイツ本国発表資料)
2022年3月11日
アウディらしい走り:ドライビング特性におけるAudi DNA(ドイツ本国発表資料)
> 開発、チューニング、キャリブレーション。そのすべてにおいてアウディのドライビング体験を実現
> すべてのモデルに共通する基準は、アウディ独自の挙動を強調するために設定
> メカトロニクスシャシーコンポーネントの統合ネットワークをインテリジェントに制御
(ドイツ本国発表資料)
2022年3月9日、インゴルシュタット:ステアリングを握って走り出した瞬間、ほとんどの人々は、それがアウディであることを体感することができます。その走りは、ドライビングダイナミクスと快適性がバランスよく調和した、紛れもないアウディ体験です。この時、ブレーキやコントロールシステムに加え、サスペンション、ステアリング、パワートレインなど、さまざまなコンポーネントが繊細に調和していることが体感できます。すべてのアウディにおいて感じ、体験することができる走行性能のAudi DNAは、コンセプト作成段階で明確に定義され、最終的なファインチューニングによって実現されます。その目的を達成するために、アウディの開発者は、走行特性を特徴づけ、評価できる基本的な形容詞をガイドラインとして使用しています。それらは、「バランスのとれた」、「しっかりとした」、「制御された」、「ネットワーク化された」、「精密な」、「なめらかな」などです。その結果、誕生するのが、まさにアウディ独自の走行体験です。
AUDI AG技術開発担当取締役のオリバー ホフマンは、次のように述べています。「アウディを走らせるドライバーの皆様には、調和のとれた独自の走行体験を通じ、アウディらしさを感じていただきたいと思っています。アウディならではのフィーリングを実現する遺伝子は、お客様にとって、他社の製品と一線を画する体験を生み出すべきなのです」これは走行と停止を繰り返す渋滞時、スピードを上げて都会を離れる時、ワインディングロードを走る時、刻々と変化する路面状況の中で走る時、そして追い越し時などを含む、あらゆる運転状況において当てはまる考え方です。「電気自動車 e-tron にも、このAudi DNAは確実に組み込まれています」とホフマンは説明しています。「コンピューターで設計を行う時、ワークショップでの作業時、そして長時間に及ぶテスト走行において、アウディらしいドライビング特性および最新の技術的特徴を磨き上げるために、主観的および客観的な評価基準を組み合わせています」
客観的基準が主観的な走行テストをサポート
重要な走行テストの1つは、寒さの厳しいスウェーデン北部で行われます。その主な目標は、寒冷環境における挙動を繊細に設定することです。開発担当者は主観的走行テストを実施し、あらかじめ定められた基準が実際の 走行で達成できているかを確認します。寒冷環境下の緊急制動をはじめとする、いわゆる「実際に使用される状況」がテストの基本となります。
高い精度で制御され、予測可能で安定した走行特性を目指して開発担当者が微調整を行う段階になると、初期減速や操舵サポートなどに関連する客観的なデータ測定がチューニング作業をサポートします。
直進安定性、操舵の必要性、減速性能などは、雪道および凍結路上のさまざまな速度で作動するABSブレーキを評価する基準となります。チューニング作業の結果は走行特性の評価に影響を与えますが、その挙動はモデルごとに用意されるレーダーチャートとして記録されます。チャートの基本は、そのモデルと特徴のポジション付け、および走行特性と開発哲学の定義です。ステアリングレスポンス、ターンインする時の挙動、トラクション、ステアリング特性といったドライビングに関する特徴によって、アウディらしさが表現されます。これこそ、quattroの長所が強調されるところであり、コーナリング時の高いトラクションと優れた直進安定性、負荷変化時のステアリングおよび挙動の安定性により、アウディの4輪駆動システムquattroは、競合モデルの水準を上回る性能を発揮します。
精密に定義されたチューニング哲学
アウディは、精密で予測可能なステアリングレスポンスこそが、ドライバーが意のままにコントロールできる走行特性につながると考えています。この理想的な挙動を達成するために、アウディの開発担当者は雪道および凍結路上のテスト走行時において、確立されたチューニング哲学を適用しています。クルマは、コーナー進入時のステアリング操作に対し、瞬時に反応しなければなりません。クリッピングポイントにおける許容性の高いハンドリング、コーナー出口における修正ニーズの最小化といった事項も盛り込まれています。
結果として生まれるものは、アンダーステアを回避しながら、操舵角に応じて発生する予測可能なヨー挙動と、わずかなオーバーステア設定との絶妙なバランスです。その実現に貢献しているのが、トルクベクタリング、e-tron Sに搭載されるデュアルモーターリヤアクスル、RS 3に搭載されるトルクスプリッターといったテクノロジーです。開発担当者の1人であるオースウィン ローダーは、次のように要約しています。「私たちは、客観的基準と主観的基準の両方により、アウディの走行特性を表現しています。しかし、主観的な基準は私たちにとって非常に重要です。それは最終的にドライバーが感じるものだからです」
調和のとれた制御システム、自然な走行体験
各種サスペンションコントロールシステムは精密に連携しています。特定のシステムが突出して、全体のバランスが損なわれることはありません。走行体験は自然なものです。ダイナミックオールホイールステアリングにより、実際のサイズよりも容易に車両を取り回すことができる一方、人工的な操舵感にならないように調整されています。アウディに搭載されるシステムはバランスが取れており、常に互いに正確に調整されています。エアサスペンション搭載モデルの場合、ステアリングのチューニングはその特性を向上させるように調整されます。電気機械式アクティブロールスタビリゼーション(eAWS)、アクティブサスペンション、トルクベクタリングといったシステムを採用した場合にも、専用のファインチューニングが施されます。
Audi e-tron Sの電動quattroシステムは、フロントとリヤアクスル間で、伝達トルクを必要に応じて0~100%の間で制御します。さらに、俊敏性を高める電動トルクベクタリングも採用しています。リヤに設置される2基の電気モーターは、機械式ディファレンシャルを経由することなく、直接駆動トルクをホイールに配分します。このトルク配分調整は、滑りやすい路面状態や高速コーナリング時には、スリップが発生する、あるいはアンダーステアやオーバーステアが実際に起こる前に、予測的に行われます。結果としてきわめて精緻なハンドリングを実現し、シャシーコントロールシステムを経由して、安定性指向からスポーティな走り重視まで、幅広い微調整が可能となっています。たとえば、スポーツモードでは、ある程度のドリフトを許容するように、コントロールシステム介入タイミングが遅らされます。
一貫したシステムの反応、信頼性の高い走行快適性
あらゆる車両システムは、路面の状態にかかわらず、走行状況に対して一貫して高い信頼性で反応することが求められます。乗り心地はその好例です。不整路面が原因となり、パワートレインとホイールの調和振動によって増幅されてしまうアフターシェイク、シャダー、シェイクといった不快な現象は、精密にチューンされたホイールダンピングによって抑制されます。その結果として、二次振動が大幅に低下し、アウディならではの乗り心地が生まれます。横方向のダイナミクスに対するシステムの介入は、ドライバーがほとんど認識できないほどスムーズに行われます。
グリップの限界においても容易な車両コントロール
大きな起伏を乗り越えても安定した姿勢を保つことによって、ドライバーは安心して車両をコントロールすることができます。したがって、チューニング作業は、グリップの限界付近においてもコントロールがしやすいセッティングを目標としています。その根本にある哲学とは、一貫して予測可能な車両のレスポンスを実現することです。たとえば、e-tron Sの場合、システムは運転状況を把握してから、わずか30ミリ秒以内に電気モーターのトルクを調整します。電動4輪駆動システム quattro のトルク伝達に機械式クラッチは使用されず、必要な時に必要な場所にパワーが供給されます。この優れたコントロールシステムの精度は、ドライバーに安心感をもたらします。ステアリングはダイレクトで、アクセルペダルへの反応はすぐに体感できます。選択したドライブモードによって車両のキャラクターがどのように変化するかも、わかりやすく把握することができます。
走行環境の予測的検出とサブシステムの理想的な相互連携
調整システムと制御ユニットをまとめているのが、前後方向と左右方向のトルク配分機能を統合したエレクトロニックシャシープラットフォーム(ECP)です。ECPは、必要に応じて車両を調整するために、運転状況を予測的に認識することができます。その際、各種サスペンションシステムからの情報に加え、車速、車高、車両の上下動、ロールとピッチ、路面の摩擦、現在の走行状況、アンダーステアとオーバーステアを考慮に入れます。その情報ネットワークにより、ECPは、サブシステム間の最適な相互作用を実現することが可能になります。
ミリ秒単位のトルク配分と高い知覚性
アウディは、あらゆる走行環境においてコントロール可能な、卓越した加速および減速性能を実現したいと考えています。アウディならではのラテラルダイナミクスは、ドライバーに明確なフィードバックを提供します。スポーティなコーナリング時、負荷の少ないコーナー内の前輪をわずかに減速することで、スリップが防止されて、ハンドリングが向上します。また、e-tron Sに搭載される電動トルクベクタリングは、左右の後輪にトルクを配分することで、優れた効果を発揮します。その作動はミリ秒単位で行われ、ラテラルダイナミクスを改善するために、非常に高いトルクを配分することができます。車両がコーナー出口に達すると、モーターはコーナー外側の後輪により多くのトルクを割り当て、コーナー内側の後輪にはより少ないトルクを割り当てます。
優れたトラクション、意のままにコントロール可能なハンドリング – 典型的なアウディ
特に厳しい冬の条件での優れたトラクションと、意のままにコントロール可能なハンドリングは、まさにアウディらしい走行特性です。アウディは、もっとも困難な道路状況に遭遇しても、冷静・容易にコントロールできるように意識しています。 アウディの各モデルは運転しやすく、混雑した市街地でも、優れた安定性が必要な高速道路でも、その性能を存分に発揮して、追い越し時にも、常に十分なパワーを活用することができます。物理的限界まで安全な走行特性を維持するため、グリップ限界寸前のコーナリングで、e-tron Sは内側の前輪に、e-tronでは内側の前後輪にわずかな制動をかけます。このような制御により、コーナー外側のタイヤにより多くの駆動トルクが配分され、コーナリング時の敏捷性が高まります。アウディは、これまでエレクトロニックスタビリゼーションコントロール(ESC)に統合されていた個別の機能コンポーネントを、電気モーターのパワーエレクトロニクスに移植しました。これにより、トラクションコントロールシステム(ASR)はミリ秒単位で作動します。
アウディの開発技術者は、上記の考え方に基づき、冬季および通常の路面におけるテスト走行の際に、走行特性の設定と評価を行います。その結果、お客様がステアリングを握ったとき、「これこそがアウディ」と感じていただくことができるのです。
アウディウインタードライブに関するすべての情報は、ここに記載されています。
※本リリースは、AUDI AG配信資料の翻訳版です。
関連サイト
Data Information – Audi e-tron / Audi e-tron S
アウディ ジャパン株式会社 ホームページはこちら