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テラヘルツ-TOF トモグラフィ解析システムを開発【アドバンテスト】
2012年9月3日
リチウムイオン電池の電極解析など、さらに用途を拡げるテラヘルツ波技術
㈱アドバンテスト(本社:東京都千代田区 社長:松野晴夫)は、短パルス・広帯域のテラヘルツ波を用いた、テラヘルツ-TOF (time of flight)トモグラフィ解析システムの開発に成功しました。これにより、最小10μmまでの厚さを解析可能な、多層膜厚のイメージングを実現。リチウムイオン電池の電極膜や、自動車のマルチコート塗装膜など、さまざまなアプリケーションの解析が可能になります。
本システムの特長
この新システムには、非線形結晶(LiNbO3;LN)*1を用いた、チェレンコフ・テラヘルツ光源*2が搭載されています。当社が独自に開発したシリコンレンズを用いた、チェレンコフ位相整合方式により、光伝導素子による方式では困難だった、テラヘルツ波の短パルス化と、反射信号解析に適した擬似モノパルス性を実現。これにより、業界トップレベルである膜厚限界10μmまでの非接触イメージング解析を可能としました。
さらに広がるテラヘルツ波技術の用途
当社は、2010年4月にテラヘルツ波技術を用いた3Dイメージング装置を販売開始し、以来セラミック製品や医薬品などの非接触・非破壊解析に画期的なソリューションを提供してきました。今回開発しました新システムは、従来の超音波や赤外光では測れなかった、リチウムイオン電池の電極膜や、自動車のマルチコート塗装膜などのアプリケーションに対応できます。また、今後も解析技術の開発を進め、性能向上とともに内部構造の複雑化が進むさまざまなアプリケーションに対し、最適な解析ソリューションを提案してまいります。
なお、同システムは、2012年9月5~7日に幕張メッセ国際展示場で開催される「JASIS2012」(旧分析展/科学機器展)に参考出展する予定です。
注釈:
*1. 非線形光学効果を利用して光波帯の電磁波をテラヘルツ波に波長変換する素子
*2. 励起光波長帯における非線形結晶の屈折率が、テラヘルツ波帯の屈折率よりも小さい場合、テラヘルツ波が特定の角度(チェレンコフ放射角)方向に強められ放射される構成の光源
薄膜(Silicon on Insulator: SOI)解析例
測定性能
・ 周波数帯域 7THz(S/N=1帯域)
・ 測定可能膜厚 10μm以上(SOI薄膜にて)
お問い合わせ先
新企画商品開発室 TAS プロジェクト
電話 : 022-392-8730(ダイヤルイン)
E-mail : info_t@jp.advantest.com
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