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2021年「SocAIty」調査:自動運転の社会的側面に対するアウディの取り組み(ドイツ本国発表資料)

2021年12月6日

  

2021年「SocAIty」調査:自動運転の社会的側面に対するアウディの取り組み
(ドイツ本国発表資料)

  

 「&Audi Initiative」の最新調査を通し、自動運転に関する法律的、倫理的、政治的な疑問に対する回答を用意
 著名な専門家が将来のテクノロジーに関する幅広い議論をサポート
 AUDI AG CEOマルクス ドゥスマン:「自動運転は、より高度な交通安全と、包括的なモビリティを実現」

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(ドイツ本国発表資料)
2021年12月2日、インゴルシュタット:「&Audi Initiative」のもとで行われた2021年の「SocAIty」調査では、自動運転の社会的側面を幅広く検証しています。その範囲は、適切な法律的枠組から倫理面における課題、デジタル社会における責任にまで及んでいます。その過程で、ヨーロッパ、米国、アジアの主要な専門家がそれぞれの視点から意見を寄せ、未来のモビリティに関する議論が行われました。

AUDI AG最高経営責任者(CEO)のマルクス ドゥスマンは、次のように述べています。「eモビリティの次に到来するさらに根本的な変化は、よりインテリジェントで、最終的には自動運転へ移行となるでしょう。私たちにとって自動運転とは、交通をより安全に、モビリティをより快適で包括的なものにする重要なテクノロジーです」。アウディは、フォルクスワーゲングループのソフトウェア企業であるCARIDADと協力し、2020年代の後半に向け、全力でこれらのテクノロジーの導入を推進しています。

自動運転が社会に広く受け入れられるためには、走行システムの技術的成熟度と社会的側面の両方が非常に重要です。一般的な法的および政治的条件は別として、自動運転といった新技術が普及するには、そのテクノロジーに対する人々の気持ちも決定的に重要です。今回集まった、科学、政治、経済分野からの19人の専門家が、自動運転の未来に関する重要な課題に関して意見を交わしました。その結果は、「&Audi Initiative」のもとで作成された約70ページの「SocAIty」調査として公開されています。

2030年の未来のイメージ:モビリティの風景はより多様で、細分化され、包括的に変化

この調査では、3つの焦点を取り上げています。「法律と進歩」の章は、主に責任の所在に関する疑問に答えるもので、「人間と機械の信頼関係」の章は自動運転の倫理的側面を検証、そして「ネットワーク化されたセキュリティ」の章はデータ保護とセキュリティの側面を取り上げています。

AUDI AG「&Audi Initiative」プロジェクトマネージャーのサスキア レクセンは、次のように説明しています。「研究の結果として見えてきたものは、現在とはかなり異なるモビリティの風景です。しかし、これはSFの世界を前提にしたものではありません。アウディは、社会におけるテクノロジーの可能性と限界に対する適切な期待感を定義し、信頼を築きたいと考えています」

研究によって得られた大きな知見の1つは、2030年におけるモビリティの風景は、より多様で細分化され、それぞれの目的に合った数多くのソリューションが生み出されるということです。特に市街地では、マイクロモビリティの多様性が増加するでしょう。モビリティに対する需要は、人々が住んでいる場所によって変化し、大都市では、同様のニーズがますます普及するでしょう。ここでは、モビリティ、柔軟性、お客様の期待という面で、共通する基本的な条件とニーズがあります。研究に参加したほとんどの専門家は、米国が自動運転技術の原動力になると考えています。新しいテクノロジーが必ずしも米国で開発されるわけではありませんが、資金力と専門知識の組み合わせにより、自動運転が実際の道路に適用されることになるでしょう。AUDI AG法務顧問責任者のウタ カレン クラウィッターは、次のように述べています。「米国は、しばしばインキュベーターとしての役割を果たしてきました。つまり、早い段階で新境地を切り開いてきたのです。一方、中国では、新しいテクノロジーがしばしば迅速に展開され、一般に広まっていく傾向が見られます」

中国は、新技術の広範囲な採用と社会への浸透において先駆的な役割を担うと見なされています。この理由には、インフラの拡大に国が注力していることと、新しいテクノロジーに対する社会的評価が高いことが挙げられます。専門家の意見では、ドイツとヨーロッパは、今後の10年間で販売市場として重要な役割を果たすだけでなく、主に車両技術と量産システムにおけるイノベーションサイトとして機能すると見られています。その結果、ヨーロッパの消費者権利およびデータ保護関連の法規が、全世界を対象として、業界全体に適用される条件や製品基準に影響を与えることになるでしょう。

自動運転の受け入れは、主に個人的な体験に依存

2030年のモビリティは、様々な車両が混在する、まったく新しいタイプの交通が大きな特徴となるでしょう。つまり、自動運転車と、人が運転するクルマが混在することになります。道路の利用者は徐々にそのような状況に適応し、新しいルールを学ぶ必要があります。この重要な文化的変化を起こすためには、時間をかけて、自動運転に対する信頼感を確立していく必要があります。この分野の専門家であり、フォルクスワーゲンAGインテグリティおよび法務担当取締役のヒルトルード ウェルナーは、次のように述べています。「快適性、安全性、利用可能性の向上が期待される場合にのみ、この新しいテクノロジーを受け入れる気持ちと信頼感が生まれます」

より効率的で、より生態学的に持続可能な交通システムの可能性とは別に、ネットワーク化されたデータ駆動型のモビリティコンセプトも、大きな社会的影響を与える可能性があります。人々のニーズに合わせた新しいサービスが誕生し、理想的には、より包括的で社会性の高いモビリティが誕生することも期待されます。ミシガン大学の機械工学教授で、Mcityのディレクターを務める専門家のフェイ ペンは、次のように付け加えています。「それはまた、モビリティへのより良いアクセスを生み出すことでもあります。モビリティは、仕事、医療、新鮮な食料などを入手するためのカギなのです」

人工的な思考に頼らない事故およびリスクの回避

ミュンヘン工科大学人工知能倫理研究所ディレクターのクリストフ リュトゲは、次のようにコメントしています。「回避すべき人を特定する場合、どのように優先順位を付けるのでしょうか?このような議論をいくら交わしても、あまり進歩はないでしょう」。自動運転の倫理的な側面を理解するためには、事故が発生する状況におけるジレンマと戦わなければなりません。しかし、そのような議論はしばしば感情的であり、一部の専門家は、安全面と倫理面の考慮事項における机上の空論になっていると指摘しています。

そのため、専門家は、次の重要なステップとして、現実的な状況に基づいて倫理的基盤を明確に定義し、企業や立法者が対処しなければならない実際の課題や疑問を明確化することで合意しました。


「&Audi Initiative」について

アウディは、2015年に「&Audi Initiative」を立ち上げました。アウディは、このイニシアチブにより、人工知能や自動運転といった新技術に関し、学際的な交流を促進したいと考えています。さらに、長期的に新技術の積極的な受け入れをサポートし、社会におけるテクノロジー導入の可能性と限界に関する適切な期待感を確立することを目的としています。現在の「SocAIty」調査における「&Audi Initiative」の目標は、自動運転およびそれを責任ある形で実現する未来のモビリティに関して、一般の人々の議論を促進することです。

「SocAIty」調査の詳細につきましては、こちらをご覧ください。
完全な調査内容と補足コンテンツは、audi.comに掲載されています。

※本リリースは、AUDI AG配信資料の翻訳版です。

  

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関連サイト
ドイツ本国発表資料 – The 2021 “SocAIty” study:Audi is addressing a social dimension of autonomous driving(英語版のみ)

  

  

  

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