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2021年9月欧州新車販売台数速報【JATO Japan Limited】

2021年10月7日

  

2021年9月欧州新車販売台数速報
テスラ モデル3が9月に欧州で最も売れた車となり、電動化革命の節目に

  

自動車産業の世界的な調査会社であるJATO Japan Limitedは、欧州の自動車市場についての最新レポートを公開した。

[本リリースは、2021年10月25日にJATO Dynamics Limitedが発表したプレスリリースを邦訳したものです]

● テスラ モデル3がEVとして初めてモデル別販売ランキングで首位に
● テスラの販売台数は、フィアット、ニッサン、セアト(Seat)などの歴史あるブランドを上回った
● SUVのマーケットシェアは50%を確保する勢い

2021年9月の欧州新車販売台数は25%減の96万4,800台に落ち込んだが、当月も自動車産業にとって重要な月となった。JATO DynamicsのグローバルアナリストであるFelipe Munozは「ディーラーは、半導体不足のため販売車両が入手困難であるという問題に引き続き直面している。その結果、新車を1年以上待つことを嫌って、多くの消費者が中古車市場に目を向けているのだ」と述べている。

欧州26カ国の年初来累計販売台数を見ると、2020年より増えているが、その差は縮まっている。上半期までの累計台数は、2020年上半期に比べて27%増加していたが、9月までの結果では、この差はわずか7%にまで縮まった。Munozは「今年、業界は蔓延する感染症にうまく対応したが、現在は新たなサプライチェーンの問題に直面している。EVの人気が高まっていることは心強いが、他のセグメントで見られる大きな落ち込みを相殺するほどの販売力はまだない」と述べた。

EVの急成長は続く

半導体不足と気候変動問題の深刻化により、ディーゼル車の販売台数は激減している。当月、低公害車の販売台数が前年同月比44%増の221,500台となったのに対し、ディーゼル車の販売台数は51%減の167,000台となった。新型コロナウイルス発生前は、低公害車1台に対して、ディーゼル車の販売台数は10.3台であったが、現在ではこの比率は1.3台にまで減少している。

ピュアEV(BEV)やプラグイン・ハイブリッド車(PHEV)を数多く提供している自動車メーカーは、今回の危機による影響をあまり受けていない。Munozは「このような規模の変化はまれであり、さまざまな要因が重なって現在の状況に至っている。インセンティブに加えて、自動車メーカーはモデル数を増やしたり、お得なキャンペーンを用意して提供内容を充実させており、多くのメーカーは限られた半導体の供給を内燃機関(ICE)車ではなくEVの生産にシフトさせている」と説明する。

EVブームの結果、9月のモデル別販売ランキングでは、テスラ モデル3が24,600台の販売台数(マーケットシェア2.6%)で首位となった。EVが首位となったのは初めてであり、欧州以外で製造された車両が首位となったのも初めてのことである。

モデル3が好調なのは、テスラが各四半期の終わりに集中的な販売を行うことも要因のひとつである。9月は歴史的に、米国メーカーの欧州での実績が好調で、2018年以降の第3四半期の販売台数のうち、平均して68%を占めている。当月は、第3四半期の台数の74%を占めた。モデルYも欧州市場へ参入して以来順調で、BEVランキングで2位を確保している。

この2つのモデルの成功により、テスラはBEV市場で24%のシェアを獲得し、フォルクスワーゲングループ(22%)、ステランティス(13%)、ヒュンダイ・キア(ほぼ11%)を抑えて首位に立った。また、テスラは、フィアット、日産、セアト(Seat)などの歴史あるブランドよりも多くの台数を販売している。

SUVのマーケットシェアが50%に達する勢い

当月、欧州で販売された乗用車のうち46.5%がSUVであり、SUVの月次マーケットシェアは過去最高となった。自動車メーカーが危機的状況に直面しているにもかかわらず、テスラ モデルYに代表されるBEVやプラグイン・ハイブリッド車(PHEV)のおかげで、SUV人気は衰えることを知らないようだ。Munozは「この傾向が続けば、欧州の道路は、新車販売台数の半分以上がSUVである米国と同じような状況になるかもしれない」と述べた。

このセグメントは、フォルクスワーゲングループ、ステランティス、ヒュンダイ・キアがリードしており、当月に大きなシェアを獲得したのは、ヒュンダイ・キア、テスラ、フォルクスワーゲングループであった。

その他の主役たち

ヒュンダイ ツーソン(Hyundai Tucson)は前年同月比40%増加し、再びトップ10入りを果たした。BMW 3シリーズは、モデル3と直接競合するにもかかわらず、24%の増加となった。新型となったオペル/ボクスホール モッカ(Opel/Vauxhall Mokka)は、9,700台を売り上げて22位となり、順位を上げ続けている。28位のテスラ モデルYは、消費者に人気のあるフィアット パンダ、プジョー 3008、フォルクスワーゲン ID.3などの販売台数を上回った。

また、キア シード(Kia Ceed)、BMW 4シリーズ、DS 7 クロスバック、マツダ MX-30、フォルクスワーゲン アルテオン、ポルシェ タイカンも好調な伸びを示した。新しく投入されたモデルでは、ルノー アルカナ(Arkana)が約7,000台を販売し、ルノーとして3番目に多く販売されたモデルとなっている。シトロエン C4とシュコダ エンヤック(Skoda Enyaq)も好調で、それぞれのブランドで2番目に多く売れたモデルとなった。

メーカー、モデル別の販売データ一覧はこちらからご覧ください(英文のみ)
https://www.jato.com/wp-content/uploads/2021/10/JATO-European-Car-Registrations-September-2021.pdf

  

JATOについて

JATO Dynamicsは、1984年に設立され、現在世界51カ国以上で活動しています。30年以上に渡り、自動車の仕様、価格、販売登録台数に関する、世界で最もタイムリーで、正確な最新のデータを提供してきました。弊社は、単なるデータ以上のものを提供し、世界の変化と、それに伴う消費者の考え方の変化を見極め、業界が求める洞察をお伝えしています。短期的な市場の動きに対応し、長期的な成長へ向けた計画を行い、そして最終的にはお客様のニーズへもお応えすることが可能です。詳しくは弊社のウェブサイトをご覧ください。

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