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新型画像センサーを開発~車線逸脱警報システム、自動ハイビーム制御システム用として世界最小~【デンソー】
2012年07月25日
㈱デンソー(本社:愛知県刈谷市、社長 : 加藤 宣明)は、従来品に対して体積を50%小型化した新型画像センサーを開発しました。画像センサーとは、道路上の白線や前方の物体を検知するもので、クルマの各種安全システムに必要なセンサーの一つです。今回開発した画像センサーは、従来の車線逸脱警報システム(LDW)【注1】に加え、自動ハイビーム制御システム(AHB)【注2】に必要なセンサー機能も併せて持ったものとなっており、同等の機能を持つ画像センサーとしては世界最小【注3】です。
また今回の小型画像センサーは、作動温度の上限を従来より引き上げることに成功し、その結果、世界でも、最も広い温度範囲【注4】で作動する画像センサーとなっています。これにより、夏場や気温が高い地域などにおいても安全システムの円滑な作動を実現しています。
画像センサーは、フロントガラス上端付近に装着されます。そのため、乗員の目に留まりやすく、圧迫感の軽減の観点から、センサーの小型化が望まれていました。しかし、LDWとAHBの両システムを併せ持つ画像センサーには、複数の画像処理用ICが必要であり、小型化が困難という課題がありました。
この課題に対し、より処理負荷の軽い高性能アルゴリズムの開発により、汎用マイコンのみでLDWとAHBの両システムを実現しました。また、この汎用マイコンは、高温動作可能なものを開発することで、センサーの小型化と動作温度向上を同時に実現しました。加えて、画像センサーに搭載されているカメラを白黒からフルカラー化することで、LDWシステムとしては、世界各国の様々な色の道路標示に対応可能となり、AHBシステムとしては、先行車の尾灯(テールライト)とその他の光源を容易に識別可能となりました。
新たに開発した小型画像センサーは、本年7月から中国を皮切りに、北米、ロシア、中近東などで順次発売されるレクサスESのメーカーオプションとして設定されており、今後も幅広い車種への展開を図っていきます。
デンソーは、交通事故のない社会の実現を目指し、乗員の保護や事故防止に関する安全技術を開発・実用化してきました。今後もこれまで培ってきた技術を活用し、ドライバー、歩行者をはじめとする、世界中のすべての人が安心できる、安全なクルマ社会の実現に貢献していきます。
注釈
【注1】車両が車線から外れた時に、ドライバーに警報することで、車線逸脱による事故の低減に寄与するシステム
【注2】先行車、対向車に応じて、自動的にハイビームに切り替えることで、夜間のドライバーの視認性向上、および他車両への眩惑防止を補助するシステム
【注3】2012年7月現在、当社調べ
【注4】2012年7月現在、当社調べ
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