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従来製品と比べて生産性を大きく向上 X線CT検査装置「XT H 225 ST 2x」を発売【ニコン】

2021年3月16日

  

従来製品と比べて生産性を大きく向上
X線CT検査装置「XT H 225 ST 2x」を発売

  

株式会社ニコン(社長:馬立 稔和、東京都港区)の子会社、株式会社ニコンソリューションズ(社長:園田 晴久、東京都品川区)は、X線CT検査装置「XT H 225 ST 2x」を発売します。「XT H 225 ST 2x」は、X線によって複雑な工業用部品などの内部画像を取得し、CT(コンピュータ断層撮影)機能により、内部形状の把握や、内寸、外寸を測ることができます。

外側からでは見えない製品の内部を詳細に把握することは、品質管理、故障解析、材料研究などに欠かせません。ニコンは、独自のマイクロフォーカスX線源を有した高精度なX線検査装置を幅広くラインアップし、提供しています。

今回発売する「XT H 225 ST 2x」は、従来製品の225 kVの高出力を継承しながら、データ収集速度が約2倍※、X線源の寿命およびX線源で使われているフィラメントの寿命も約2倍になり、生産性の向上に大きく貢献します。電子部品、電子基板、鋳造品、樹脂成型品などの、内部の欠陥解析や形状計測をすばやく行い、研究開発から工場の生産ラインや検査工程までさまざまな用途で活用できます。

※被検物の回転を通常の半分で行うことができる「ハーフターンCT」機能使用時


発売概要
商品名    X線CT検査装置「XT H 225 ST 2x」
受注開始日  2021年3月16日

  

開発の背景
近年、自動車をはじめとする製品に搭載される電子、半導体部品が増加しています。また、3Dプリンターの普及などによるさまざまな手法で成形される製品も増えています。こうした背景から、自動車、電子部品、金型、電池など、さまざまな業界のメーカーでは、ものづくりの工程において非破壊で内部構造を検査する必要性が高くなっています。

こうした要求に応えるため、ニコンは、従来の高精度なX線CT検査装置をさらに洗練し、より高速で測定できる新機能を搭載した「XT H 225 ST 2x」を開発しました。

  

主な特長

1. 小さな焦点サイズで高出力X線の連続生成が可能

オプション(有料)の「反射型回転ターゲット2.0」を追加することで、小さな焦点サイズで高出力X線の連続生成が可能となります。電子線を反射型ターゲットに衝突させることでX線を発生させ、このとき同時に熱が発生します。「反射型回転ターゲット2.0」の追加により、ターゲットを回転させることで、より効率的に熱が放散され、クールダウンの必要がなくなります。これにより小さな焦点サイズを維持したまま高出力X線の連続生成が可能になり、スキャン速度と解像度が向上します。また、従来の反射型回転ターゲットと比較してメンテナンス頻度が約半分になり、運用コストの削減、装置の稼働時間が向上します。

  

2. ボクセルサイズの自動調整により、計測を高精度化

X線CTで生成した3Dデータの寸法を計測するには、空間分解能のキャリブレーション(調整)が重要になります。「XT H 225 ST 2x」は、新開発の「ローカルキャリブレーション」によって、任意のCTスキャン位置でボクセルサイズのキャリブレーションを高速かつ自動で調整し、これにより、測定精度を大幅に向上しました。また、特別なスキルを必要とせず、簡単に寸法精度の管理が行えます。

※3次元空間を立方体格子で分割した単位

  

3. 「オートフィラメントコントロール」により、フィラメント寿命の延長や交換作業の効率化を実現

X線源で使われているフィラメントは、使用状況によって頻繁に交換が必要になります。ニコンが独自開発した「オートフィラメントコントロール」は、X線源を最適に制御することでマイクロフォーカスの解像度を落とすことなく、フィラメントの寿命を従来機と比較して約2倍に延ばしました。ランニングコストの削減、装置の稼働時間を向上させます。
さらに、カップ内にフィラメントを固定させた「フィラメントカップ」を導入し、フィラメントカップごと交換することで作業を効率化。従来はフィラメント交換のたびに位置調整が必要でしたが、カップ内にフィラメントをあらかじめ位置調整して固定させておくことで、交換にかかる時間が大幅に短縮されます。

  

4. 「ハーフターンCT」によりデータ収集速度が約2倍になり、計測時間を約50%削減

通常、X線CT計測は、被検物を360度回転させて計測を行います。今回開発した「ハーフターンCT」は、従来の360度に対し半分の180度回転で計測ができるため、データ収集速度が約2倍になり、計測時間を約50%削減できます。また、被検物を1回転未満で計測した場合、アーティファクト(ノイズ成分)が発生しますが、独自のソフトウエアにより軽減し、品質の高い画像が取得できます。

  

主な仕様

X線源 225 kV 反射型(標準)
180 kV 透過型(オプション)
225 kV 反射型回転(オプション)
最大出力 225 W(225 kV 反射型 使用時)
20 W(180 kV 透過型 使用時)
450 W(225 kV 反射型回転 使用時)
ディテクタ FPD(撮像領域 432mm×432mm)
マニピュレータ(標準) 6軸
最大サンプル重量 50 kg
最大撮像領域 Φ255 mm(但し、ディテクタサイズによって異なる)
装置寸法(W×D×H) 2,414×1,275×2,202 mm
装置重量 4,200 kg

  


関連リンク
 顕微鏡・測定機関連:ニコンソリューションズ ホームページ

  

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