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ジャガーが「グランツーリスモ」向けに開発した 究極のゲーム用フル電動耐久レーシングカー 「VISION GRAN TURISMO SV」を発表【ジャガー・ランドローバー・ジャパン】

2020年12月17日

■VISION Grand Turismo SV: 「グランツーリスモ」のためにジャガーがデザインし、ジャガーSVチームが
 エンジニアリングをしたフル電動のバーチャル・レーシングカー
■Emotive evolution: 2019年に「グランツーリスモ」に初登場した「Vision Gran Turismo Coupé」をベースに
 改良し、究極のパフォーマンス、トラクション、高速安定性を実現
■Real-World design study: ジャガーのデザイン・チームが作った実物大モデルは、ジャガーの
 フル電動レーシングカーにおいて最も刺激的な解釈を提示
■Virtual engineering: 最新のシミュレーションツールを駆使して、エアロダイナミクスの最適化、テスト、
 実証を行い、すべてバーチャル世界でエンジニアリング
■Jaguar Formula E technology: ジャガー・レーシングが開発した4つのモーターが、最高出力1,400kW/1,903PS、
 0-60mph加速1.65秒、最高速度255mphを発揮
■Celebration of Jaguar racing heritage: 「C-TYPE」、「D-TYPE」、「XJR-9」、「XJR-14」に代表される
 ジャガーのアイコニックなデザインと、革新的な未来技術を組み合わせた「Vision Gran Turismo SV」は、
 ゲームプレイヤーにとって究極のレーシングカー
■For Gran Turismo: 2021年、「グランツーリスモ」に「Vision Gran Turismo SV」が登場

2020年12月16日、英国ホイットリー発:ジャガーは、PlayStation4用ソフトウェア「グランツーリスモ」向けに開発した最新のフル電気自動車(EV)のバーチャル・レーシングカー「Vision Gran Turismo SV」を発表しました。このモデルは、実際にフルスケールでのデザインスタディを経てつくられたもので、最高速度255mphを発揮し、完璧に磨き上げられたエアロダイナミック・デザインとレースで培ってきたパワートレイン・テクノロジーが組み込まれています。

ジャガーは2019年10月に、世界的に有名なゲーム「グランツーリスモ」シリーズ用のバーチャル・レーシングカーとして、初のフルEVスポーツカー「Vision Gran Turismo Coupé」を開発、発表しており、ジャガーの伝統を受け継ぐ究極のデザイン、ドライバーを重視したインテリア、そして卓越した乗り心地とハンドリングでゲーム愛好家たちを魅了し、高い評価を得ています。

ジャガーのデザイン・チーム、SVメンバー、ジャガー・レーシングから成る開発チームにとって、「Vision GT Coupé」は「Vision Gran Turismo SV」の出発点にしかすぎませんでした。パフォーマンスを向上させるためにすべてを再評価し、ジャガーの耐久電動レーシングカーの可能性について検証しました。

このプロセスの基盤となったのは、オンラインビデオやフォーラムで交わされるゲームプレイヤーからのフィードバックを詳細に分析することでした。また、「仮想世界テスト」と何時間にもおよぶ「実走テスト」を組み合わせることで、デザインおよび開発チームは「Vision Gran Turismo SV」をいかに最適化するかを正確に判断し、完璧なゲーム用の電動耐久レーシングカーを製作しました。

ジャガーのデザイン・ディレクターであるジュリアン・トムソンは次のように述べています。
「レーストラック、公道で走行させるために開発した『D-TYPE』、『XKSS』、『I-PACE』、『I-TYPE』は、いずれも、常に同じDNAを共有しています。『Vision GT Coupé』を担当したデザイン・チームは、『グランツーリスモ』のために究極のゲーム用電動耐久レーシングカーをつくりたいという依頼を受け、SVメンバーとジャガー・レーシングのエンジニアたちは一丸となって、本当に特別なものを作り出すことに成功しました。

『Vision Gran Turismo SV』は、非常にドラマティックで魅力的なクルマで、現実世界の自動車デザインの限界を完全に取り払ったときに何が可能になるのかを示しています。実物大モデルによるデザインスタディを行い、私たちは過去からインスピレーションを受けながらも未来を見据えた究極の電動レーシングカーです。」

究極のバーチャル耐久レーシングカーとしてデザインされた「Vision Gran Turismo SV」は、そのスタイリングやサーフェスだけでなく、塗装に至るまで、ル・マン24時間レースにデビューし輝かしい戦績を残した「C-TYPE」(1951年)や「D-TYPE」(1954年)へのオマージュがみてとれます。

エキスパートたちによる開発
流線型で軽量な複合材ボディ構造の「Vision Gran Turismo SV」には、4つのモーターを搭載し(「VISION GT Coupé」は3つ)、インテリジェントな全輪駆動システムとトルクベクタリングから得られるトラクションとダイナミクスにより、最高出力1,400kW/1,903PS、最大トルク3,360Nm 、0-60mph加速1.65秒、最高速度255mphという優れたパフォーマンスを発揮します。

「Vision Gran Turismo SV」のパワーを最大限に活用して、ゲームプレイヤーにさらに爽快なレース体験を提供するというタスクが、ジャガーのSVエンジニアリング・チームに委ねられました。

ジャガーSVのエンジニアリング・ディレクターであるジャマル・ハミーディは次のように述べています。「私たちに与えられた目標はパフォーマンス、ハンドリング、サウンドトラックなど、『VISION GT Coupé』をさらに特別なものにするため、すべての要素をより高いレベルへと引き上げることでした。
チームはその目標を達成しただけではなく、その目標をはるかに凌ぐ結果をだしました。24時間耐久レースの極限状態でも戦い抜くバーチャル電動レーシングカーを生み出したのです。それだけでなく、この作品をバーチャルの世界で実現しただけでなく、圧倒的な存在感をもった実物大モデルを実際に作り上げました。『グランツーリスモ』に対するゲームプレイヤーたちの期待感が盛り上がることは間違いありません。」

「Vision GT Coupé」のエレガントなシルエットは、「Vision Gran Turismo SV」にも明確に受け継がれており、「C-TYPE」や「D-TYPE」にインスパイアされたフェンダーの曲線がその最たる例です。そしてフロントアクスルを駆動するモーターを追加したにもかかわらず、ホイールベースは2,721mmと変更されていません。

全長は5,540mmで、全体で861mm長くなっています。この変更はエアロダイナミクスを改善することを主眼として行われました。高速コーナリング、ロングストレートでの高速安定性を向上させるために必要なダウンフォースを増やすため、新開発のフロントスプリッターとデプロアブル・リアウィングを装備しています。

空気抵抗を最小限に抑えながらダウンフォースを最大化するという、相反する課題を同時に解決するため、SVチームはジャガーのデザイナーたちと協力し、ダイナミクスや安定性、パフォーマンス、効率を改善させる連携機能を開発しました。

より大型で効率的なスプリッターがフロントアクスル上にダウンフォースを発生させ、さらにフロントバランスチャンネルの開口部が前輪の面全体に空気を送り、乱気流を減らしながら車両の後方に向かってスムーズに流れるようになっています。ホイールウェルを通過した空気もフェンダー内の排出口からリア方向へスムーズに流れます。

完璧に密閉されたアンダーボディには、フロントアクスルの後方に高速安定性を高めるためのキールエレメントがあり、空気の流れを加速させて減圧し、車体の浮きを抑えながら、大型のベンチュリを介して排出されます。

「Vision Gran Turismo SV」のために開発された最も効率的なエアロパーツに、「XJR-14」などジャガーのDNAを受け継ぐ耐久レーシングカーにインスピレーションを受けて開発されたデプロイアブル・リアウィングがあります。コンセプトから最終デザインまで、何度も試行錯誤を経て開発されたこのウィングは、メインの固定部分が、車両の後部を包み込み、リアハンチに溶け込むように融合しています。

このウィングは、ボディワークの不可欠な要素としてデザインされており、耐久レースに必要な空力性能も備えています。必要に応じて2つの可動式セクションは、必要に応じて速度が上がると自動的に上昇してダウンフォースを発生させ、空力抵抗を抑える状況下では規定の位置まで下降させます。

その結果、空気抵抗係数(Cd値)は0.398と、レーシングカーとしては圧倒的に低い数値を実現しながらも、483kg/200mphのダウンフォースを発生させます。

ジャガーSVのエアロダイナミクス担当シニア・エンジニアであるマイケル・オリーガンは次のように述べています。 「すべての空力特性は、最先端の計算流体力学解析を用いて入念に最適化されています。これはジャガーのレーシングマシン『I-TYPE』などの、現実世界でのプロジェクトとまったく同じ方法で行われました。

この短期間で、『Vision Gran Turismo SV』を現行の耐久レーシングカーと同水準のパフォーマンスを持つ、信頼性の高い電動レーシングカーに仕上げられたことをとても誇りに思います。」

電動システムのパフォーマンス
ジャガー・レーシングのエンジニアは、6シーズンにわたって「I-TYPE」の開発をしてきた知識と経験をすべて注ぎ込み、「Vision Gran Turismo SV」向けに4つのモーターを採用したフル電動駆動システムを開発しました。

作業は主に2つのプロジェクトに分かれおり、ひとつは、フロントアクスルに2つ目の300kW/407PSのモーターを搭載して高出力とトルクを実現すること、次により大きな負荷に対応するために温度制御システムを改良し、耐久レース中も長時間の高速走行と加速性能を維持できるようにすることでした。

各ホイールに1つずつモーターが配置されている「「Vision Gran Turismo SV」の駆動システムは、最高出力1,400kW/1,903PS、最大トルク3,360Nmを発揮します。各モーターにはそれぞれ1速トランスミッションが装備され、高トルク定格に必要な強度と堅牢性を確保し、最小限の質量と摩擦にして効率を最大化し、最高速度255mphを発揮する能力を備えています。

この電動全輪駆動システムと各ホイールにそれぞれ1つのモーターを配置する構成により、横方向と縦方向のトルク配分を無限に制御することができ、優れたトラクション、敏捷性、コントロール性を両立したトルクベクタリングを可能にしました。

軽量かつ高剛性なボディ構造の下部に、最新のリチウムイオンバッテリーパックを搭載し、低重心、低いロールセンター、ほぼ完璧に近い重量配分を実現しています。

ジャガー・レーシングのチーム・ディレクターであるジェームズ・バークレーは次のように述べています。
「ジャガーのレーシングマシン 『I-TYPE』と並行して『Vision Gran Turismo SV』の開発に携わったことは、ジャガー・レーシングのエンジニアたちにとって、彼らの専門知識や経験を2台のすばらしい電動レーシングカーに応用するという、これまでにない機会となりました。

どちらのモデルも最先端のシミュレーションツールを使用して設計・開発され、フル電動パワートレインとソフトウェア技術を最大限に活用しています。フォーミュラEのシーズン7、そして『グランツーリスモ』でそのパフォーマンスを発揮することを楽しみにしています。」

温度管理システムは、液体窒素循環冷却装置を追加して強化し、バッテリーが理想的な温度範囲内にとどまり、より長い時間最大出力を供給できるようにしました。また、この液体窒素冷却装置はキャビン内のブーストボタンと連動しており、極めて厳しい動作条件下においてもバッテリーが上限温度を超えることはありません。

究極のバーチャル・ドライビング・エクスペリエンス
「Vision Gran Turismo SV 」では、ドライビング・エクスペリエンスの基本となる独自のパワートレイン・サウンドスケープをさらに進化させています。4つのモーターを搭載し、よりパワフルでトルクフル、そして力強く、個性的でありながらもジャガーらしく、さらに未来志向のサウンドを生み出します。40,000rpmのレッドラインで最高潮に達するサウンドは、真のレーシングDNAを反映しており、ドライバーにかつてない満足感を提供します。

レース用にデザインされたインテリアが、よりハイレベルな体験を提供します。コックピット内のピュアで滑らかなサーフェスの数々がドライバーを完全に包み込み、計器類や操作系を本来あるべき位置に配置しています。サステナブル(持続可能)な「TYPEFIBRE」という新素材を使用して、2席の立体造形の複合素材シートを覆うなど、構成部品はすべて、先進的な軽量素材を使用して高精度で美しく製作されています。「TYPEFIBRE」は、ジャガーが開発した革新的な素材で、本革よりも軽量で快適性と耐久性のある代替素材です。「TYPEFIBRE」は、ジャガー・レーシングが新型レーシングマシン「I-TYPE 5」にも採用しており、ABB FIA フォーミュラE世界選手権のシーズン7でテストする予定です。

※本プレスリリースはジャガー・ランドローバーが2020年12月16日(現地時間)に発表したプレスリリースの抄訳です。

エディターズ・ノート

ジャガーについて
ジャガーは、その80年以上にわたる歴史において、そのエレガントなデザインと息をのむようなパフォーマンスで世界中のお客様を刺激し、運転することの楽しさや喜びを提供してきました。グローバルに展開しているジャガーのラインアップは、数々の賞を受賞し高い評価を受けているスポーツ・サルーン「XE」、ダイナミック・ラグジュアリー・サルーン「XF」、ラグジュアリー・サルーン「XJ」、ピュア・スポーツカー「F-TYPE」、ジャガー史上最速ペースで販売台数を伸ばしているパフォーマンスSUV「F-PACE」、コンパクト・パフォーマンスSUV「E-PACE」、そして、ジャガーをEV革命の最前線へと飛躍させるモデル「I-PACE」です

ジャガーSVについて
スペシャル・ビークル・オペレーションズの特別チームで、ジャガーのSV担当デザイナー、エンジニア、テクニシャンで構成されており、ジャガーのパフォーマンスとラグジュアリーさをさらに高めたモデルの開発に従事します。現在のジャガーSVのラインアップは、「F-PACE SVR」と「XE SV Project 8」があります。

- Jaguarウェブサイト:http://www.jaguar.co.jp
- YouTube:http://www.youtube.com/JaguarCars
- Facebook:https://www.facebook.com/JaguarJapan
- Twitter:https://twitter.com/JaguarRacing
- Instagram:https://www.instagram.com/JaguarRacing

◆お問い合わせ先◆
ジャガーコール(フリーダイヤル)0120-050-689
(9:00~18:00、土日祝日を除く)








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