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フォルクスワーゲン グループ、未来のテクノロジーに 対する投資を 730 億ユーロに増加【フォルクスワーゲン グループ ジャパン】
2020年11月17日
・新規5ヵ年計画の「プランニングラウンド69」は、今後5年間における電動化、ハイブリッドパワートレイン、
デジタル技術のための設備投資と研究開発投資を含む
・合計1,500億ユーロの総投資額に対する未来のテクノロジーへの投資割合は、前回のプランニングラウンドの
40%から約50%へと増加
・デジタル化への投資も2倍の約270億ユーロに引き上げ
2020年11月13日、ウォルフスブルグ-フォルクスワーゲングループは、デジタルモビリティ企業への変革を推進しています。グループは、プランニングラウンド69において、今後5年間に、電動化、ハイブリッドパワートレイン、デジタル技術に約730億ユーロを投資することを決定しました。この決定は、本日開催された監査役会の終了後に発表されました。未来のテクノロジーに対する設備投資と研究開発への投資額は、グループの総投資額である約1,500億ユーロの40%から50%へと引き上げられます。デジタル化への投資は、ソフトウェア開発能力の構築に力を入れていることを反映して、2020年代の半ばまでに、従来計画の2倍となる270億ユーロに増加します。電気自動車(EV)には、約350億ユーロが投資され、さらに、約110億ユーロが、既存モデルのハイブリッド車の開発に割り当てられます。
「取締役会および監査役会は本日、フォルクスワーゲングループの投資計画の一環として、グループの将来的な成功を確保するための基盤を構築しました。グループおよび傘下ブランドの変革、さらに、モビリティの中核領域に対し戦略的に焦点を当てることを徹底的に実施します。今後数年間に直面することが予想される大きな課題を考慮しても、私たちの財務基盤は非常に強固であると言えます」と、フォルクスワーゲングループ監査役会会長のハンスディーターペッチュは述べています。
「フォルクスワーゲングループは、早い段階から電気自動車の未来に対する道筋をつけてきました。私たちは現在、電気自動車用のプラットフォームと、幅広い電気自動車のラインナップにより、この分野における世界的なリーダーとなっています。」と、フォルクスワーゲングループ最高経営責任者(CEO)のヘルベルトディースは述べています。「今後数年間で、パーソナル化に対応し、持続可能で、完全なコネクテッド機能を備えたクルマに対する人々のニーズを満たすため、車載ソフトウェアの面で主導的な立場を得ることも極めて重要です。そのために、デジタル化に対する投資額を2倍に引き上げます。」
グループ従業員協議会会長のベルントオスターローは、次のようにコメントしています。「今回の投資は、変革、e-モビリティ、デジタル化に対し、私たちのグループが、計画通りに実行していることを示すものです。今後数年間、私たちは攻勢に出るつもりです。しかし、この数百億ユーロの予算と同じくらい重要なことは、変革についての正しい理解と、信頼性の高い投資計画です。それを確保するために、従業員、マネージャー、取締役会、そして政治のすべてによる取り組みが不可欠です。政治でいうと、ベルリン、ブリュッセル、そして、充電インフラや、高速インターネットといったトピックを考えております。フォルクスワーゲンは、気候に優しく、高度にネットワーク化されたモビリティの実現に全力で取り組んでいます。しかし、そのためには、私たち、そして私たちのお客様に信頼できる環境が必要です。」
プランニングラウンドは、世界経済が今後5年間で緩やかに成長するという予測に基づいています。各市場において、この緩やかな成長には地域的な違いがあることも念頭に置いています。変革に必要な財源を確保するため、生産性を30%向上させて、管理費を削減します。さらに、フォルクスワーゲングループは、製品ポートフォリオの最適化に体系的に取り組んでいます。そのため、需要の少ないモデルバリエーション、エンジンとトランスミッションの組み合わせや装備については、生産の複雑性を軽減し、ポートフォリオの効率を高めるために合理化されます。中国の合弁会社は、グループの連結決算の対象外であり、自社のリソースから工場や製品へ投資するための資金を拠出しているため、この計画からは除外されています。
e-モビリティとハイブリッドテクノロジー
フォルクスワーゲンは、パリ協定の遵守を表明した最初の自動車メーカーであり、2050年までにCO2ニュートラルな企業になることを目指しています。これから10年後の2030年までに、グループは、合計約70の電気自動車を発売する予定です。そのうちの約20のモデルは既に生産が開始されており、さらに50車種が続く予定です。また、2020年代末までに、合計約60のハイブリッド車の導入が計画されており、そのうちの半分以上は既に生産されています。
プランニングラウンドでは、2030年までに約2,600万台の電気自動車の生産を想定しています。これらの車両のうち約1,900万台は、モジュラーエレクトリックドライブツールキット(MEB)をベースにしており、残りの700万台のほとんどはハイパフォーマンスなEVプラットフォームPPEを使用します。グループは、同時期に約700万台のハイブリッド車の生産も見込んでいます。
非常に重要なトピックとしてデジタル化に焦点
フォルクスワーゲンが将来的に成功を収めるためには、ソフトウェアが重要な役割を果たします。そのため、デジタル化に対する投資額は、前回のプランニングラウンドで設定された金額の2倍となる、合計約270億ユーロに引き上げられます。これには、今年の立ち上げに成功し、グループブランドの車両用に標準化されたOSを開発する組織「Car.Software」の費用が含まれます。そのOSは、アウディのアルテミスプロジェクトで、2024年に最初に使用される予定です。これにより、ソフトウェアの内製比率は、10%から60%に高められます。さらに、デジタル化に割り当てられた資金の大部分は、人工知能、自動運転、重要なビジネスプロセスのデジタル化など、今後の発展に不可欠な分野に投資されます。
産業の中心地としてのドイツの変革を推進
フォルクスワーゲンは、ドイツの拠点に投資することで、ドイツ最大の産業プレーヤーの1社として、ドイツ経済に大きな貢献を果たしています。その一方で、長期的な雇用を確保することで、より持続可能で、よりデジタルな未来への変革を推進し続けています。ザクセン州に続き、ニーダーザクセン州はドイツで2番目のe-モビリティの拠点となります。
ニーダーザクセン州のザルツギッターにおいて、グループは、戦略的に重要なバッテリー技術に約10億ユーロを投資します。フォルクスワーゲンは、スウェーデンの合弁パートナーであるNorthvolt(ノースボルト)と協力して、バッテリーセルの生産施設を建設し、2024年に操業を開始して、工業国としてのドイツの競争力を高めます。これは、2015年に開始されたフォルクスワーゲングループコンポーネント部門の変革を成功させるための、さらに重要な要素でもあります。
それぞれの拠点では、ブランド間の相乗効果をより一層活用して、さらなる効率向上を達成するために、マルチブランド工場で製品ファミリーを統合する戦略を継続します。
ウォルフスブルグでは、製品ポートフォリオに1モデルを追加します。この工場では、ヨーロッパ市場をターゲットとする新しいSUVモデルの生産が2024年から開始されます。この拠点では、既にすべての派生モデルを含むゴルフファミリーと、フォルクスワーゲン「Tiguan(ティグアン)」、セアト「Tarraco(タラッコ)」が生産されています。
将来的に、フォルクスワーゲン商用車は、ハノーバーの拠点で、電気自動車の「ID.BUZZ(アイディ.バズ)」1と共に、他のグループブランド向けの3つの電気自動車(DセグメントSUVモデル)を生産する予定です。このように、ハノーバーの拠点では、既に始まっているe-モビリティへの転換を、さらに加速しています。
エムデンにあるフォルクスワーゲンブランドの工場でも、変革が急速に進んでいます。e-モビリティへシフトするための改装工事は順調に進み、この工場における2番目の電気自動車を生産する計画も現在進行中です。ここでは、2023年から「ID.4(アイディ.4)」2に加えて、4ドアの電気自動車であるフォルクスワーゲン「Aero(エアロ)」1が生産される予定です。
同時に、現在エムデンで生産されている「Passat(パサート)」は、2023年からスロバキアのブラチスラバで、シュコダ「SUPERB(シュパーブ)」ファミリーと共に生産され、ここでも車両ファミリーの相乗効果を活用します。「SUPERB」の生産をチェコのクヴァシニにある工場からブラチスラバに移すことで、シュコダはブランドの成長計画を実行するために必要な生産能力を、チェコ共和国で確保することが可能になります。
1)コンセプトカー
2)ID.4:電力消費量:16.9~16.2kWh/100km(複合モード)、CO2排出量:0g/km、効率クラス:A+
英語版:www.volkswagen-newsroom.com
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