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高速道路上での追突リスクが最大42%まで軽減 EuroFOTによる欧州全域にわたる大規模な研究で実証【ボルボ・カー・ジャパン】

2012年6月26日

欧州の企業や組織など合わせて28団体が参加しているEuroFOT(European Field Operational Test)研究プロジェクトが発表した最終報告書によると、ボルボ・カー・コーポレーション(以下、ボルボ社)の持つ、運転者が事故や衝突を回避するシステムが、非常に有益であることが裏付けられました。


例えば、アダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)と衝突警告機能を搭載している車の場合、高速道路走行時の前方車両に追突する危険性を、最大で42%まで軽減することができます。

EuroFOTは欧州全域を対象にした大規模なアクティブ・セーフティ・システムの実証実験を行うリサーチプロジェクトで、EUから資金援助を受けています。28の団体からなり、スウェーデンからはボルボ社、ボルボ・トラック、チャルマース工科大学が参加しています。

ボルボ社の V70 モデルおよびXC70モデル100台を使い、総勢263人のドライバーがEuroFOTの実証実験を行いました。全車にカメラとセンサーを搭載し、18ヶ月間、あらゆる走行を全て記録しました。この記録により、どんな些細な事故や状況も研究し評価できるようになっていました。

ボルボ社のセーフティ・エキスパートたちは、この100台の総走行距離300万キロメートルから30テラバイトのデータを入手しました。EuroFOTが発表した最終報告書には、他の自動車製造メーカーらの資料も含まれています。

「その分析によると、わが社が世界に先駆けて、新しい安全技術および走行支援技術の開発に注目した取り組みが、今日の交通事情への回答となっていることがわかります。EuroFOTの研究開始当初から、私達は数々の新しいシステムを生み出し、また既存の技術をさらに進化させてきたのです。一つ例をあげますと、歩行者検知機能付追突回避・軽減フルオートブレーキ・システム(ヒューマン・セーフティ)があります。これは、道路上に歩行者がいた場合、ドライバーに警告を発し、自動的に車にブレーキがかかるシステムです」とボルボ社の研究開発を担当する上級副社長ピーター・メルテンスは語っています。

5つの技術に関しての分析

EuroFOTが焦点を当てた、ボルボ車の5つの技術的解決策の分析は以下の通りです。

・ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール):
予め設定した、前方車との車間距離を維持します。
・CW(衝突警告機能):
前方車両との衝突が差し迫った場合にドライバーに警報を発します。同時に、ブレーキはフルブレーキがかけられるように準備をします。
・BLIS(ブラインドスポット・インフォメーション・システム):
左右斜め後方の死角内への他車の進入をドライバーに警告します。
・LDW(レーン・デパーチャー・ウォーニング):
走行車がドライバーの意図とは関係なく車線から逸脱した際、ドライバーに警告を発します。
・DAC(ドライバー・アラート・コントロール):
ドライバーの疲労や注意力散漫を検知すると、警告を発します。

クルーズ・コントロールと衝突警告機能による安全性の向上

EuroFOTの最終報告書には、ACCと衝突警告機能により、交通の安全性が高まっていることが明確に記されています。特に、高速道路走行での有効性が高く、前方走行車への衝突の危険性は最大で42%軽減する、と報告されています。

ACCは、本研究における全高速道路走行距離の51%以上に使用されています。つまり、ドライバーがこのシステムの価値を認めたと結論付けることができます。ドライバーのうち80%がこのシステムの使用によって、より快適で運転しやすくなったと感じており、また94%という圧倒的多数がより安全に感じたという回答をしています。
一方、衝突警告機能については、ドライバーの70%が安全性が向上したと感じています。本研究に参加された方の中には「衝突警告機能のお陰で、前方走行車が突然急ブレーキを掛けた時など、何度も、事故に巻き込まれずに済みました。」と発言される方もありました。

その他の技術へも前向きな兆候

その他の警告システムに関しては、ドライバーの疲労、車線内での走行保持、死角内の車両などについて焦点を当てており、その展望もまた明るいものになっています。しかし、まだ十分なデータが揃っていないために、統計的に証明できる数値を用いて事故の危険削減を示唆できるところまでには至っていません。

「これは、実際の事故の件数が比較的少ないためです。本研究で得られた緊急事態は、確認され検証されるのですが、実際にはドライバーが警告に気づき、それに従ったという事実が明らかになっています。ドライバーの疲労を察知してシステムが警告を発した場合、ドライバーは、状況が悪化してしまう前に車のコントロールを回復させています」とボルボ社の交通事故リサーチ部門のマネージャー、ジョン・フレデリック・グロンウォールは語っています。

EuroFOTの参加者は、ドライバー・アラート・コントロールシステムの実際の機能性を体験し、評価しています。コメントの一つには、「仕事でくたくたに疲れたある日、夜遅くに運転しなければなりませんでした。このシステムが事前に警告してくれたお陰で事故に遭わずに済み、本当に助かりました」というものもありました。

より安全性の高い車の開発への価値ある貢献

「今回得られたドライバーの行動に関する包括的な研究と、運転に参加した方々からの広範囲にわたるご意見は、我が社の研究にとって非常に価値のあるものです。我が社では、お客様のご希望とニーズに応じた自動車を設計しています。EuroFOTの結果を受け、私達は、運転する方にとって使いやすい、新しい効果的な技術を、今後も発展させていくことが出来るでしょう。そして、2020年までに最新のボルボ車による交通事故において、重傷者も死亡者もゼロにする、という我が社の目標にますます近づいていくのです」とピーター・メルテンスは語りました。

EuroFOTについての詳細はhttp://www.eurofot-ip.eu/をご覧ください。


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