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※業界最高の低暗電流6μA(従来比80%減)を実現した車載用LDOレギュレータを開発【ローム】

2012年6月12日

業界最高の低暗電流6μA(従来比80%減)を実現した車載用LDOレギュレータを開発
自動車の低消費電力化を実現し、バッテリ上り防止にも大きく貢献

要旨

半導体メーカーのローム㈱(本社:京都市)は、業界最高の低暗電流6μAを実現した耐圧50Vの車載用LDOレギュレータ「BD7xxL2EFJ-Cシリーズ」を開発しました。
ロームは、車載用LDOレギュレータ(以下、車載用LDO)において常に業界をリードする開発を進めており、独自の回路設計により、暗電流を従来品に比べ80%低減することに成功しました。これにより、自動車の低消費電力化に大きく貢献いたします。本製品は、2012年5月からサンプル出荷(サンプル価格:150円)を開始し、 2012年9月から当面月産20万個の規模で量産を開始。生産拠点は前工程をローム浜松㈱(静岡県)、後工程をROHM Electronics Philippines, Inc.(フィリピン)で行う予定です。

※6月12日現在 ローム調べ

背景

暗電流とは自動車の待機時(エンジン停止時など)に消費される電流のことです。近年、自動車の電子化が急速に進むと共にマイコン数も増え、マイコンへの供給源となる電源の通電時電流の低消費化が大きな課題となっています。具体的にはリモコン(キーレスエントリー)やセキュリティ装置の待機電力、オーディオやコンピューター(ECU)の記憶保持、時計など、エンジン停止の状態でも消費される電流が増加の傾向にあります。この待機時バッテリ消費電流が多くなるとバッテリの放電が早まるため、長期間の駐車や船便で海外輸出する際など長期間乗車しない場合にバッテリが上がり、エンジンが始動できなくなってしまう可能性がありました。

新製品の詳細

一般的に電流を減らすには、内部回路のインピーダンスを高める必要がありますが、その場合、ノイズの影響を受けやすくなるほか、小型化が難しい、回路起動が遅くなるなど、多くの課題がありました。
今回、ロームでは、長年培った車載用LDOの技術を結集し、耐ノイズ対策を行った独自の回路設計で、小型かつ高信頼性の低暗電流LDOを実現しました。従来品に比べ、暗電流を80%低減したことにより、バッテリへの負荷が軽減され、長期間のエンジン停止状態にも十分に耐える電源回路が構築できます。
また、車載に用いられる様々な電源に使用することで、エンジン停止時だけでなく、走行時を含めた自動車全体の低消費電力化を実現。省エネの観点から航続距離の伸長にも大きく貢献します。ロームは、今後も車載用LDO分野において業界をリードする開発を進め、ラインアップを拡充し、自動車のさらなる低消費電力に貢献していきます。

特長

1. 超低暗電流 業界最高6μA
従来品に比べ、暗電流を80%低減。さらに新シリーズは、負荷電流が増加しても6μAを維持するため、負荷100mA時には、92%もの低減が可能になります。

2. 小型パッケージ
従来品に比べ、体積を約80%削減したHTSOP-J8パッケージ( 6.0㎜×4.9㎜ H=Max 1.0㎜)

3. 過電流保護回路・温度保護回路内蔵で安全設計を実現

4. 出力位相補償に低ESRセラミックコンデンサ使用可能

仕様


LDOレギュレータ



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