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「モデルベース」×「計測」で新たな感性設計及び感性開発ソリューションを提供【AZAPA】
2020年3月27日
AZAPA株式会社(愛知県名古屋市中区錦二丁目4番15号、代表取締役 近藤康弘、以下AZAPA)は、乗り心地や加速感など、従来数値化できない定性的な評価であった官能的性能について、評価軸を定量化する「感性開発ソリューション」の提供をスタートします。
この「感性開発ソリューション」はモデルベース開発を前提に構築されており、企画段階から性能・機能の設計が出来る(開発のフロントローディング化)ようになるため、開発効率の向上やコストダウン、開発競争力の向上が期待できます。
更に、今後CASEなどの技術革新によってモビリティの使われ方は多様化し、モビリティに求められる機能・性能も格段に増えていきます。モビリティが担保する機能・性能の対象者は車両や乗員だけでなくなり、モビリティを用いて行われるサービス(デリバリーやシェアリング等)の消費者にまで広がっていくでしょう。こうしたモビリティの責任と役割の変化は、これまでの開発領域を大きく拡張させます。AZAPAの「感性開発ソリューション」はこのような時代のニーズに応え、あらゆる機能・性能を想定した開発に貢献します。
1. 感性モデルが求められる時代背景
(1) CASEを背景に、求められるモビリティ性能が変化
自動運転やシェアリングによって、これまでドライバー中心であった車両性能がパッセンジャー中心に変化していきます。
ドライバー中心の車両性能では、「運転を楽しむ」「安全に運転できる」といった性能や機能が重視されてきました。しかし運転から解放されパッセンジャー中心になると、進行方向に対して危機を予測し自然と回避対策を取る「回避予測」が行われず、不測の事態に対して今まで以上に無防備になります。そのため、乗車中の人々の心理状態や身体反応を詳細に読み解き、その場の状態に合った最適な車両制御が求められます。
またMaaSを視野に入れると、自動運転によって商品のデリバリーがモビリティ単独で行われるようになり、モビリティの役割と責任が「販売員そのもの」に変化する未来も見えてきます。こうした場面において、モビリティはどのような機能を有しているべきなのでしょうか。新たなモビリティの開発では、多様化する車両性能を踏まえ、モビリティの使われ方に応じた「性能の取捨選択」が求められ始めています。
(2) 従来の官能評価の難しさ
従来の官能的性能の開発では、匠の存在が欠かせませんでした。テストドライバーや開発のチーフエンジニアが実車両での性能フィーリングを確認し言語化、車両開発エンジニアが長年の経験でそのニュアンスを汲み取り、何度も修正しながら作り上げていました。しかし、これではスピード感のある開発はできませんし、チーフエンジニアの感性と異なる感性の車両は作れません。こうした開発のジレンマを解消するためにも、感性を定量化し、数字で検討できる「感性モデル」による定量的な開発が重要なのです。
2. AZAPAの感性開発ソリューション
(1) 「感性モデル」を用いたAZAPAの性能設計
AZAPAは、モデルベーステクノロジーを基盤に「性能シミュレーション」を用いた性能と機能の設計手法を確立し、フロントローディングを実現する性能設計プロセスを定義しています。システムを細分化し、交換可能な単位で分割されたブロックを有機的に組み合わせることで新たな性能・機能をシステム全体で理解でき、システム全体の最適なバランス解を導きます。更に、ここに定量化した感性を「感性モデル」として組み込むことで、従来開発では製品が出来上がってからしか検討できなかった感性についても、開発の初期段階から設計要件に組み込むことが可能となりました。AZAPAの「感性モデル」は、今後の車両開発に大きな貢献をもたらします。
(2) 感性モデルは、人の五感と性能の相関性を紐解くもの
車両性能によって発生する振動や音、ドライバーの操舵感は、人の身体の状況に変化をもたらします。更に、その身体変化によって人は五感で様々なフィーリングを感じます。感性モデルは、そのようなフィーリング変化や身体の変化と車両性能との相関性を紐解き、定義するものなのです。
運転感性の応答チャート(例)
(3) リアルタイムで計測した感性を忠実に再現する、AZAPAの独自技術
感性はその感性を生み出すシーン・シチュエーションと常にセットであり、その瞬間瞬間で感じては消えてしまうため、リアルタイムでの計測が重要です。そしてリアルタイムで感性を計測するためには、コネクテッドの技術が欠かせません。コネクテッド技術によって現在の車内外における状況変化をリアルタイムで把握、乗員の感性と統合します。動的な外的変化と車両走行の変化、乗員の感性変化との相関性を分析し、ドライバーやパッセンジャーの車両走行への期待などをデータ化することで、個々人の性格・特性を踏まえた安全な車両制御を構築することが可能となります。
AZAPAは、実際の走行時にリアルタイムで計測した実路の路面状態や振動、車両の様々な状態、ドライバーやパッセンジャーの感性を紐解くシーントラッキング(外部環境)、乗員の身体状況から読み解く感性変化等のデータを計測プラットフォームへ蓄積し続けています。このデータを活用し、実際に走行するシーンを忠実に再現することで、実路走行ができない状況下においても正しく性能を計測する技術を保有しています。
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