ニュース
一般道での自動運転実用化に向け、 走行環境のリスク予測による走行制御技術を開発【日立オートモティブシステムズ】
2019年10月11日
このニュースリリース記載の情報(製品価格、製品仕様、サービスの内容、発売日、お問い合わせ先、URL等)は、発表日現在の情報です。予告なしに変更され、検索日と情報が異なる可能性もありますので、あらかじめご了承ください。なお、最新のお問い合わせ先は、お問い合わせ一覧をご覧下さい。
日立オートモティブシステムズ株式会社(プレジデント&CEO:ブリス・コッホ/以下、日立オートモティブシステムズ)は、一般道での自動運転実現に向け、自動運転における走行制御の判断を行うAD ECU*が、様々な移動体の挙動や物陰からの飛び出しなど、走行環境の潜在的なリスクを予測し、疑似的にマップ化して認識することで、予測したリスクを回避できるよう走行制御を行い、安全で安心感のある自動運転を実現するための技術を開発しました。
交通事故の削減、渋滞の解消・緩和、高齢者の移動支援等の社会的課題の解決に向け、自動運転へのニーズが高まっています。当社では、駐車場や高速道路における自動運転に加え、一般道での自動運転の実現に貢献する技術の開発にも取り組んでいます。一般道における自動運転の実用化には、他車や歩行者等の移動体による複雑な挙動や、物陰からの飛び出し等のリスクを予測し、それらを回避できるよう、ステレオカメラやレーダーなどのセンシング情報に基づき、車両走行制御の判断を行うAD ECUで安全な速度や走行軌道を計画することが求められます。
これまで当社では、歩行者等の行動変化を予測し、安全かつ自然な減速を行い、衝突を防止する基本技術を開発してきました。この度、この基本技術をさらに向上させ、人間が行う運転のように、他の移動体の挙動や物陰からの飛び出し等、AD ECUが潜在的に衝突リスクの高い領域を予測し、リスクを回避できる速度や走行軌道で走行する、「危険予知運転」をリアルタイムに実行する技術を開発しました。
本技術におけるリスク予測マップでは、車両などの移動する対象を考慮し、衝突する可能性がある領域のみをリスク予測しています。そのため、潜在的なリスクが多く、安全な走行軌道を計画することが難しいとされた一般道においても利用可能となっています。
特に、これまで実現が困難だった、死角に存在する移動体などもリアルタイムにリスク予測マップ化させることが可能となっています。これまで困難となっていた理由は、車両のような移動する対象のリスク予測をAD ECUで処理する場合、平面で扱われる2次元のリスク予測マップに、さらに移動に伴う経過時間を加える必要があり、その処理が3次元におよぶ膨大なデータ量になってしまうことでした。しかし、本技術では移動体の将来時間を、2次元のリスク予測マップ上に圧縮表現してAD ECUでの処理を軽減することができるようになりました。本技術は、株式会社日立製作所 研究開発グループと共同で開発しました。
日立グループは、今回開発した走行環境の衝突リスクの予測技術にとどまらず、今後も自動運転車両やコネクティッドカーの実用化に貢献する機器やソリューションの開発、提供に積極的に取り組んでいきます。
*AD ECU:Autonomous Driving Electronic Control Unit(自動運転用電子制御ユニット)
図1. AD ECUが行うリスク予測マップ化の例
図2. 死角からの対向車の飛び出しを予測するリスク予測マップ例
お問い合わせ先
日立オートモティブシステムズ株式会社
日立オートモティブシステムズ株式会社ホームページはこちら