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電流プローブCT6710、CT6711 を発売 1 台で⼤電流30A から微⼩電流までワイドに波形観測【日置電機】
2019年3月5日
HIOKI(日置電機株式会社:長野県上田市、代表取締役社長:細谷和俊)はこのたび電流プローブCT6710 とCT6711 を発売いたします。
両新製品は30A、5A、0.5A の3 レンジを搭載し、1 台で30Aの大電流から数百μ A の微小電流までワイドに波形観測を行うことができます。突入電流※ 1・微小電流・高速電流※ 2 など多様な動作状態の電流波形観測に最適です。
■ 開発の背景
電流プローブは、電流が流れている電線に取り付け(クランプし)、電圧に変換する測定装置です。
オシロスコープやメモリハイコーダといった波形観測装置に接続して電流波形を表示させます。主に、電気・電子機器、産業機器、電子部品などの開発・設計現場で使用されます。
近年は、あらゆる産業分野において、エネルギー使用効率の向上や消費電力の低減など省電力化が一層進んでいます。こうした背景のもと、機器や部品の研究開発では、急激な電流変化、動作電流の速い変化、微小電流の観測などが必要なため、測定電流範囲および測定周波数範囲の拡大が望まれていました。
当社は、1971 年にクランプテスターを発売して以来、さまざまな用途に合わせた電流センサーを数多く提供してきました。2014 年には従来機種(3273/3276)より感度を10 倍向上させた電流プローブ(CT6700/CT6701)を発売し、高感度という点でユーザーニーズにお応えしてきました。
しかし、CT6700/CT6701 は5A のみの単レンジ仕様のため、測定できる電流が限られていました。
さらに、1 台で微小電流から大電流まで測定したいという要求が高まっていました。
こうした要求に対応するため、広帯域(DC ~ 120MHz)かつワイドレンジ(0.5A ~ 30A)の特長を有する電流プローブの開発を行いました。
■ 特長
1. 30A、5A、0.5A の3 レンジを搭載し、1 台で大電流30A から微小電流までワイドに波形観測
従来製品(CT6700/CT6701)は5A のみの単レンジ仕様でした。新製品のCT6710/CT6711 は30A、5A、0.5A の3 レンジ仕様のため、広い測定範囲での電流波形の観測が可能です。
0.5A レンジで微小電流の観測、30A レンジで突入電流の観測など、1 台で多様な動作状態の電流波形を観測できます。
また、レンジの切り替えは中継ボックスのレンジキーを押すだけで簡単に行えます。
2. 広い周波数帯域で電流波形の観測可能
DC(直流)からMHz 帯までの広い周波数帯域で電流波形の観測が可能です。CT6710 はDC ~50MHz、CT6711 はDC ~ 120MHz の帯域を持つため、あらゆる現場で活躍します。
3. 従来製品に比べて感度10 倍、数百μ A の微小電流を鮮明に観測可能
従来製品(CT6700/CT6701)より、さらに感度を高くすることによって微小電流を鮮明に観測できるようになりました。
従来製品は電流値1A に対して、出力電圧が1V という変換比率(出力レート1V/A)でした。新製品のCT6710/CT6711 は0.5A レンジの場合、出力レートが10V/A であり、感度が10 倍向上しています。
従来製品は出力レートが低いため、オシロスコープ側でノイズが目立つ高感度レンジに設定しなければならず、微小電流はノイズに埋もれていました。
しかし、CT6710/CT6711 は出力レートが10 倍のため、ノイズが目立たない低感度レンジで測定できます。
また、トータル的にS/N 比※ 3 が向上したため、オシロスコープに搭載された機能※ 4を使用することで数百μ A の微小電流の波形を鮮明に観測できるようになりました。
1mA電流波形の測定例
4. ワンタッチで取り外せるBNC コネクタ
オシロスコープやメモリハイコーダへ取り付ける際、BNC コネクタを回転させる必要がなく、押し込むだけで接続できます。また、接続すると自動的にロックされるためセンサが外れる心配がありません。
取り外すときもワンタッチでロックを解除できます。
■ 主な市場
● 電気・電子機器、産業機器、電子部品、携帯用端末などの開発・設計
● 自動車、輸送機器、モーターの開発・設計
● 大学、研究機関などでの基礎研究
■ 価格
電流プローブCT6710(周波数帯域DC ~ 50MHz) :470,000 円(税抜)
電流プローブCT6711(周波数帯域DC ~ 120MHz):540,000 円(税抜)
※記録装置から電源が供給できない場合は、オプションの電源3269 が必要になります。
電源3269(同時接続可能本数2 本):75,000 円(税抜)
■ 年間販売目標台数(国内外)
170 台(CT6710/CT6711 合計)
※ 1 突入電流:電気機器に電源を投入したときに、一時的に流れる大電流のこと。
※ 2 高速電流:急峻に立ち上がる、または立ち下がる電流のこと。
エネルギー使用効率を向上させるために短時間で電流のオンオフを制御することが求められている。
※ 3 S/N 比:信号に対するノイズの量を対数で表したもの。数値が大きいほど、
ノイズが少なく、高品質の信号測定が可能。
※ 4 オシロスコープの平均化(アベレージ処理)機能、あるいは帯域制限機能。
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