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中国における次世代モビリティビジネスへの参入【伊藤忠商事】
2018年8月29日
中国における次世代モビリティビジネスへの参入
電気自動車(EV)メーカー「奇点汽車」並びに電気商用車(EV商用車)レンタル・メンテナンスサービス会社「地上鉄」への出資参画について
伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長COO:鈴木善久、以下「伊藤忠商事」)は、次世代モビリティビジネスの取組の一環として、EV普及が急速に進む中国において以下の出資を実施し、既存事業の強化・変革並びに次世代モビリティビジネスの本格化を推進致します。
EVメーカー「奇点汽車」への出資
中国における新興EVメーカーである「智車優行科技(上海)有限公司」(本社:中国上海市、CEO:沈海寅、以下「奇点汽車」)から第三者割当増資を引き受け出資参画しました。
現在自動車産業では、電気自動車(EV)化によりビジネスバリューチェーンに大きな変革が起きると共に、新たなビジネスチャンスが期待されています。 特に、中国EV市場は政府の後押しにより世界最大であり、かつ引き続き急拡大することが確実視されています。
奇点汽車は、数ある中国の新興系EVメーカーの中でも有力企業の一社と目されており、中国で最も需要の大きいSUVセグメントのEV車両を開発し、2018年末の市場導入を目指しています。奇点汽車は、ITベンチャー創業経験を豊富に持つ沈海寅氏により2014年に設立された新興EVメーカーで、AIやIoT技術により高度にコネクティッド化された車両を開発しており、単なるEV車両販売ビジネスではなく、車両を顧客接点デバイスと位置付け、車両を通じたユーザーデータの取得・分析やユーザーへの情報発信を生かした様々なデータ活用サービスビジネスを志向しています。
伊藤忠商事は、これまで培ってきた自動車販売ビジネスのノウハウを生かして奇点汽車を支援するともに、奇点汽車のデータ活用サービスやEVアフターサービスのノウハウを取り入れ、既存のディストリビューター・ディーラー事業をプラットフォームとした次世代モビリティビジネスの構築を推進して参ります。
奇点汽車・概要
会社名 | 智車優行科技(上海)有限公司 |
代表者 | 沈海寅 |
本店所在地 | 上海市闵行区恒西路189号爱登堡大厦15F |
設立時期 | 2014年10月 |
資本構成 | 筆頭株主沈海寅29.4%、その他 |
従業員数 | 約670名 |
URL | https://www.singulato.com |
EV商用車レンタル・メンテナンスサービス会社「地上鉄」への出資
中国におけるEV商用車のレンタル・メンテナンスサービスの「地上鉄租車(深圳)有限公司」(本社:中国深圳市、CEO:张海莹、以下「地上鉄」)から第三者割当増資を引き受け出資参画しました。
中国では、商用車のEV市場も拡大しており、特に都市部においては、大気汚染の改善、地方政府のEV化推進政策の後押しもあり市内配送車両のEV化が急速に進んでいます。
地上鉄によるEV商用車の現在の管理台数は世界最大規模の1万5千台にのぼり、中国におけるEV商用車レンタルの最大手で、今後も管理台数の急増を計画しています。また、EV商用車のレンタルのみならず、車両運行管理および充電インフラの整備も手掛けており、EV商用車を使った物流オペレーションのノウハウを蓄積しています。
伊藤忠商事は、これまで培ってきた商用車ビジネスのノウハウ、中国での物流事業とのシナジーや日系顧客とのネットワークを活かし、地上鉄と協働してEV商用車レンタル拡販を推進する他、顧客における物流コストの低減・経営効率の向上等、EV物流に関する各種ソリューションを提案・提供していくことに加え、EVバッテリーの二次利用やリサイクル、分散型エネルギーへのEV活用といった次世代電力バリューチェーンとのシナジー追求も検討して参ります。
加えて、将来的には、EV商用車レンタル・メンテナンスサービスの海外展開も視野に入れて参ります。
地上鉄・概要
会社名 | 地上鉄租車(深圳)有限公司 |
代表者 | 张海莹 |
本店所在地 | 中国広东省深圳市福田区深南中路2002号中核大厦10F |
設立時期 | 2015年4月 |
資本構成 | 深圳市新创绿能投资有限公司 23%、その他77% |
従業員数 | 約500名 |
URL | http://www.dstcar.com/car.html |
中国での2017年の自動車販売台数は約2,900万台で世界最大、その内新エネルギー車(*)は77万台となっております。これは世界の新エネルギー車の約4割に相当し、中国政府の政策的な普及推進により、今後販売台数が飛躍的に伸びると見込まれています。
(*電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)、燃料電池車(FCV)の総称。ハイブリッド車(HV)は中国では新エネルギー車に含まない。)
伊藤忠商事は、今年5月に新中期経営計画を発表し、「商いの次世代化」を基本方針として掲げ、「次世代モビリティ」をその中核取り組み分野の一つと定め、全社を挙げてビジネスモデルの進化やグループバリューチェーンの価値向上に取り組んでいます。新中期経営計画では、全社のビジネスモデルの次世代化を推進するために、テクノロジーを活用して新しいビジネスモデルを創出しているベンチャー企業に対する戦略的・機動的な投資を支援する「次世代ベンチャー投資制度」を創設しました。
既存事業の進化、技術革新や外部環境の変化によって新たに生まれるバリューチェーンへの参入を加速させ、「ビジネスモデルの大変革」を命題に次世代ビジネス創出に向けて積極的に推進して参ります。
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