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SPACE DRIVEドライブバイワイヤー技術を取得【シェフラー】
2018年8月23日
・シェフラーグループとParavan、Schaeffler Paravan Technologie GmbH & Co. KGを設立
・合弁事業により、ParavanのSPACE DRIVEドライブバイワイヤー技術とシェフラーの
Schaeffer Mover技術を統合
・Paravanの創設者であるローランド・アーノルドがCEOに就任
・SPACE DRIVEドライブバイワイヤーは、急成長市場である自動運転を実現するための重要な技術
・シェフラーは、シャシーセグメントからシャシーシステムインテグレーターに進化
シェフラーグループは、ローランド・アーノルド、Paravan GmbHと提携し、Schaeffler Paravan Technologie GmbH und Co. KGという合弁会社を設立する基本契約を8月6日に締結しました。この取引は現在、ドイツ連邦カルテル庁の承認待ちですが、当事者は、契約の財務情報を開示しないことで合意しました。Schaeffler Paravan Technologie GmbH und Co. KG設立目的は、ParavanのSPACE DRIVEドライブバイワイヤー技術のさらなる開発と、モビリティシステムの開発および販売のためです。取引の一環として、合弁会社はParavanのSPACE DRIVEドライブバイワイヤー技術を取得します。Schaeffler Technologies AG & Co. KGは、新会社の90%の株式を所有します。先端技術であるSPACE DRIVEドライブバイワイヤー技術は、Paravan GmbHによって開発され、機械式の車両制御システムを100%信頼できる電動システムに置き換え、身体障がい者の運転を支援します。
SPACE DRIVEドライブバイワイヤーには、電制アクセルとブレーキに加え、安全で信頼性の高い車両操舵を完全に電動で実現するステアバイワイヤー機能が搭載されています。そのため、ハンドル、ステアリングコラム、および関連する機械的リンク機構は不要です。SPACE DRIVEステアバイワイヤーは、自動運転車を実現する重要な技術であり、安全で信頼性の高い操舵は基本要件となります。ハンドルを搭載した半自動運転車であっても、ステアリングコラムがなくなることでスペースが節約され、車両や車内の設計に新たな可能性が開かれます。SPACE DRIVEドライブバイワイヤーは3重冗長が特徴で、非常に厳しい機能安全基準であるISO 26262 ASIL Dによる認定など、最も高い品質および安全基準に従って製造されています。そのため、現在世界でただひとつの一体型ドライブバイワイヤーソリューションとなります。複数の国の公道での使用が許可されている唯一のシステムでもあり、同時に、自動車の大量生産における技術的、商業的な実現可能性を持っています。また、SPACE DRIVEドライブバイワイヤーには、5億km以上の無事故走行というすばらしい記録があります。
新しい合弁会社の事業本部は、アイヒェラウとヘルツォーゲンアウラッハに置かれます。Paravanの創設者であるローランド・アーノルドがCEOに就任し、シェフラーのシャシーシステム事業部門の責任者であるディルク・ケッセルグルーバー、シェフラーグループの従業員1名でチームが構成され指揮を執る予定となっています。
シェフラーAGのCEO代理でCTO(最高技術責任者)のペーター・グッツマーは次のようにコメントしています。「私たちはともに、アーノルド氏がこの先駆的なコラボレーションの有能で優秀なパートナーとして役員会に名を連ねることを喜ばしく、また誇らしく思います。本日の合意は、シェフラーにとって重要な節目です。この信頼できる、定評あるSPACE DRIVEドライブバイワイヤー技術を取得したことにより、弊社のシャシーシステム事業部門をシャシーシステムインテグレーターに発展させることが可能な重要な技術を利用できます。ローリングシャシー事業は、シェフラーにとって、自社のコアコンピテンシーを活用し、急成長する自動運転車市場での技術的な足掛かりを得る絶好の機会であり、自社のパワートレインおよびシャシー事業をさらに多様化することが可能になります。よって、本日の契約は、シェフラーの『未来のモビリティ社会のために』戦略を実現する、新たな大きな一歩です」
SPACE DRIVEドライブバイワイヤー 技術と信頼性の高いエレクトロニクスによる機能的安全性のコアコンピテンシーは、シェフラーのメカトロニクスのコアコンピテンシーを補完し、重要領域、特にシステムエンジニアリング、エレクトロニクス、機能ソフトウェアの専門知識を強化して、未来のバイワイヤーステアリングシステムの開発を促進します。
契約に基づいて、シェフラーグループは、重要な役割を担うSchaeffer Mover技術で合弁事業に貢献します。Schaeffer Moverは、完全電動の小型で汎用性の高いローリングシャシーのコンセプトで、さまざまな車体と組み合わせ、幅広いアーバンモビリティ、輸送アプリケーションをサポートすることができます。シェフラーは、2018年年次総会でこのSchaeffer Moverコンセプトを初披露しました。
ディルク・ケッセルグルーバーは次のように述べています。「Schaeffler Moverコンセプトは、メカトロニックシャシーシステムの革新的なパートナーになり、この能力をさらに高め、中期的にローリングシャシーシステムの大手プロバイダーとしての地位を確立する取り組みを示すものです。Schaeffler Moverは基本的には、自動車メーカーが未来の製品を開発し、産業化するためのプラットフォームです。私たちは、SPACE DRIVEドライブバイワイヤーをこれらの製品の機能的に安全で信頼できる基盤と見ており、合弁事業では、顧客を中心とした組織的な開発、改善を積極的に進めていきます。将来的には、物流会社やサービス企業向けの自動車プラットフォームを開発している可能性もあります」
ローランド・アーノルドは次のように述べています。「シェフラーは、弊社独自のSPACE DRIVEドライブバイワイヤー技術の開発、拡大、産業化を進める上で完璧なパートナーです。シェフラーには、幅広い分野、特にメカトロニクス、機械式アクチュエーターシステムという有望な領域における技術的な専門知識があります。私見ですが、両社が文化的にぴったり合っていることも重要です。同族所有企業である両社の価値観はよく似ています。この合意は、両社にとってWIN-WINです。シェフラーと同様、Paravan GmbHとその顧客も、本日締結されたパートナーシップの恩恵を受けることでしょう」
*本リリースは、2018年8月6日にドイツ・ヘルツォーゲンアウラッハで発表されたプレスリリースの抄訳です。
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