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次世代電気自動車/自動運転車向けに 高い性能と安全性を提供する新プロセッサを発表【NXPセミコンダクターズN.V】
2018年6月19日
NXP、次世代電気自動車/自動運転車向けに 高い性能と安全性を提供する新プロセッサを発表
・ NXPの新S32車載プロセッシング・プラットフォームの初の製品
・ 新しい16nm 800MHzマルチコア・マイクロプロセッサ/マイクロコントローラ
・ マルチコアASIL-Dコンピューティング向けに新Arm® Cortex®-R52を初めて採用
世界最大の車載半導体サプライヤであるNXP Semiconductors N.V.注1は、次世代電気自動車/自動運転車でビークル・ダイナミクスを制御する新しい高性能セーフ・マイクロプロセッサ・ファミリを発表しました。NXPのS32Sマイクロプロセッサはドライバーによる直接制御や自動運転車による制御のいずれの場合にも、自動車の加速、ブレーキ、ステアリングを安全に行うシステムを管理します。
今日のクルマは、人間のドライバーからシンプルな指令を受け取る機械から、自動で検知、判断、動作を行い高度化の進むコンピューティング・プラットフォームへと進化しています。従来、自動車の制御システムはドライバーの指示に直接応答していました。対照的に、自動運転システムの場合、自動車がこうした指示を与え、支障なく指示を実行し、あらゆる条件下で安全を保証しなければなりません。安全が保証された制御というニーズは、すべてのモビリティに基本的な「始動、停止、ステアリング」機能を制御するための高性能で安全なコンピューティング・ソリューションに対する需要の急速な増加をけん引してきました。
Strategy Analyticsのグローバル・オートモーティブ・プラクティス担当エグゼクティブ・ダイレクターのIan Riches氏は、次のようにコメントしています。「次世代自動運転車/電気自動車への移行によって、自動車メーカーにとって非常に大きな技術的課題が生まれています。課題の1つが、自動運転と先進的なHEV/EVへの容易な移行を実現するために、性能面で十分な余裕を持つ半導体ソリューションをできるだけ早急に実用化することです。クルマは高いインテリジェント性能を持つことができますが、ある判断に基づいて安全に動作できなければ、自動運転システムをまったく信頼することはできません」。
NXPは新たに発表した800MHzマイクロプロセッサ/マイクロコントローラにより、未来の自動運転車/ハイブリッド電気自動車を開発している自動車メーカーのニーズに対応しました。新S32製品ライン初の製品であるS32Sマイクロプロセッサは、今日入手可能な製品の中で最高性能のASIL-D能力を提供します注2。
NXPのS32SプロセッサはArmプロセッサの中で最高レベルの安全機能を統合した新しいArm Cortex-R52コアを多数使用しています。同コアはパラレル・セーフ・コンピューティングをサポートする4つの完全独立型ASIL-D対応プロセッシング・パスを提供します。さらに、S32Sアーキテクチャは将来の自動運転アプリケーションに重要な能力となる新しい「フェイル・オペレーション」機能に対応しており、故障の検出と隔離後のデバイスの継続動作を可能にします。
NXPはOpenSynergyとのパートナーシップにより、NXPのS32S製品をサポートするフル機能のリアルタイム・ハイパーバイザを開発しました。OpenSynergyのCOQOS Micro SDKは、Arm Cortex-R52の特別ハードウェア機能を活用する初のハイパーバイザ・プラットフォームの1つです。高いレベルの安全性(最高ISO 26262 ASIL-D)を必要とするマイクロコントローラへの複数のリアルタイム・オペレーティング・システムの統合を可能にします。また、複数のベンダー独立型OS/スタックはシングル・マイクロコントローラ上で動作可能です。COQOS Micro SDKは従来のマイクロコントローラのソフトウェア単体ソリューションを凌駕するセキュアで安全な高速コンテクスト・スイッチングを提供します。
S32Sのさらなる特長と利点
・ 包括的な安全ソリューション:ASIL-Dに対応するNXPのシステム・ベーシス・チップ
[FS6600機能安全対応マルチ出力電源IC]
・ オンザフライのOTA(over-the-air)アップデートをゼロ・プロセッサ・ダウンタイムで
サポートする大容量統合型フラッシュ・メモリ(最大64メガバイト)
・ 秘密/公開鍵サポートを備えたユーザー・プログラマブルなハードウェア・セキュリティ・エンジン
・ ADASドメイン監視アプリケーションを想定したPCIeインターフェース
・ アドバンスド・モーター制御ペリフェラル群と制御ソフトウェア・ライブラリの提供
・ ソフトウェアとツール:Autosar MCAL/OS、セキュリティ・ファームウェア、セーフティSDKと、
NXPの「GreenBox」電気自動車開発リファレンス・プラットフォームを含むハードウェア開発ツール群
S32プラットフォーム
S32プラットフォームは世界初の完全にスケーラブルな車載コンピューティング・アーキテクチャです。このプラットフォームはプレミアム・カーや量産車のいずれにも採用されており、統一化されたアーキテクチャのマイクロコントローラ/マイクロプロセッサ(MCU/MPU)製品群と、開発負荷の軽減やさまざまな製品やアプリケーションでリユースできるソフトウェアの最大化を図る統合ソフトウェア環境を提供します。NXP S32プラットフォームのアーキテクチャ面での多数の技術革新が、未来の自動車開発の技術的課題への対処を可能にし、その結果、自動車メーカーが豊かな車内体験を提供するとともに、自動運転機能の市場投入期間を大幅に短縮できるようになります。
コメント
NXPのビークル・ダイナミクスおよびセーフティ担当副社長のRay Cornynは、次のようにコメントしています。「S32Sの開発開始時から、次世代の車両や自動運転車の安全/性能要件に対応するためにお客様が必要としているのは、単に性能や機能を向上しただけのマイクロコントローラの開発ではないことは明白でした。私たちの新しいセーフティ・プロセッサは従来のマイクロコントローラの持つ使いやすさと車載環境に向けた堅牢性をサポートしながら、S32 Armプラットフォームの高性能マルチコアの利点も活用しています」。
供給
S32Sは2018年第4四半期にNXPの車載分野のアルファ・カスタマー向けにサンプル供給を開始する予定です。詳細についてはNXPにお問い合わせください。
本発表に関する添付画像はhttp://www.globenewswire.com/NewsRoom/AttachmentNg/f25b1034-d40a-410c-87eb-bb3f4ee096b6 をご参照ください。
注
1. 出典:Strategy Analytics 2017
2. 公開情報に基づく性能
NXP Semiconductorsについて
NXP Semiconductorsは、よりスマートな世界を実現するセキュア・コネクションとセキュア・インフラを可能にし、人々の生活をより便利に、より良く、より安全にするソリューションを推進しています。組み込みアプリケーション向けのセキュアなコネクティビティ・ソリューションで世界をリードするNXPは、セキュアなコネクテッド・ビークル、エンド・ツー・エンドのセキュリティ/プライバシー、スマートなコネクテッド・ソリューションの市場における技術革新をけん引しています。60年以上にわたって蓄積した経験と技術を活かし、NXPでは世界30か国強で3万名を超える従業員が活動しています。2017年の売上高は92.6億米ドルでした。詳細はWebサイトhttp://www.nxp.com/jp/ (日本語)をご覧ください。
NXPジャパンはNXP Semiconductorsが開発および製造する車載、認証、インフラ/産業機器、コンシューマ向けのハイパフォーマンス・ミックスドシグナル製品やプロセッシング・ソリューション、高出力RF製品などを日本市場に提供しています。本社は東京都渋谷区で、大阪および名古屋に営業所があります。
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