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中国FSAT社とインホイールモータ駆動システムに関する技術ライセンス契約を締結【NTN】

2016年4月19日

FSAT社の世界初*インホイールモータ搭載EVにNTN技術が採用
*乗用車として

NTN株式会社(以下、NTN)は、空冷式のインホイールモータ駆動システム(以下、IWM駆動システム)と車両運動制御技術(i2-Drive System)を開発し、中国自動車設計・製造メーカ「長春富晟汽車創新技術有限公司」(以下、FSAT社)とのライセンス契約を締結しました。NTNが技術支援し、FSAT社はIWM駆動システムを搭載した軽量化新エネルギー車(新エネ車)を量産します。FSAT社が量産する新エネ車には、CFRP製ボディとアルミ鋳造製シャーシを採用したFSAT社の軽量化技術と、NTNが開発したIWM駆動システムおよび、車両運動制御技術が搭載されます。

急速に電動化が進む自動車市場において、電気自動車(以下、EV)の主駆動方式は、エンジン部位に大型電動モータを搭載した1モータ駆動方式であり、インホイールモータを搭載した量産EVはありません。NTNは、2003年から次世代EV用にIWM駆動システムの研究開発に着手し、実証実験などを経て、軽量化、小型化に向けた改良を行ってきました。

このたび新エネ車に搭載されるIWM駆動システムは、前輪駆動車に多く採用される「マクファーソン・ストラット」レイアウトに搭載することが可能です。既存の基本レイアウトに対応するため、エンジン車のサスペンション部品等の兼用が可能であり、新規設計を必要としない優れた適用性を有しています。また、NTNの開発したIWM駆動システムは減速機の採用によりコンパクト化と軽量化を実現し、併せて空冷式を採用することで構造の簡素化を図っています。

さらに、IWM駆動システムを採用することで、駆動輪毎の直接制御が可能となります。NTNでは、ヨーモーメントを制御する独自の車両運動制御技術「i2-Drive System」を開発いたしました。「i2-Drive System」は、各駆動輪のトルクを直接コントロールし、左右輪に駆動力差を生じさせ、発生したヨーモーメント(車両が旋回しようとする力)を高精度に制御します。ドライバーのハンドル操作に合わせ、付与するヨーモーメントが旋回性能を向上させます。また、各種センサで車両挙動を検知し、車両姿勢が不安定になった場合にも、アシストし、安定性を維持します。さらに各輪独立の駆動力コントロールによるトラクション制御や回生ブレーキを利用したABS制御も実現できます。

NTNはIWM駆動システムの量産化と、車両運動制御技術「i2-Drive System」の新エネ車への搭載を支援いたします。新エネ車は2019年に量産開始し、2023年には年間30万台の量産が予定されています。NTNとFSAT社は、新エネ車を中国市場及びグローバルに展開し、低炭素社会の実現に貢献してまいります。

なお、NTNは4月25日から開催される「北京モーターショー2018」(Auto China)にFSAT社と共同で出展し、IWM駆動システム、ならびに本IWM駆動システムが搭載された新エネ車を展示いたします。(中国国際展覧中心(旧館)1A号館280ブース)

FSAT社総経理・劉蕴博氏(左)と
当社代表取締役社長・大久保博司(右)

軽量化新エネ車仕様について

図1 軽量化新エネ車

FSAT社について

参考資料

参考資料:車両適用例

  

    図6 前輪駆動車            図7 後輪駆動車            図8 四輪駆動車

参考資料:車両運動制御技術「i2-Drive System」について

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TEL : 06-6449-3579 FAX : 06-6443-3226
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