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全固体電池の研究開発を支える 世界初の「高周波インピーダンス測定システム」 【東陽テクニカ】

2018年2月26日

~固体電解質を、温度を自動制御しながら100MHzの測定を可能に~
全固体電池の研究開発を支える 世界初の「高周波インピーダンス測定システム」
“第9回 国際二次電池展 ~バッテリージャパン~”で展示


 株式会社東陽テクニカ(本社:東京都中央区、代表取締役社長:五味 勝)は、世界初※1 の全固体電池の電解質評価ソリューション「高周波インピーダンス測定システム」を自社開発し、販売しています。本システムは特許出願中で最先端の技術を搭載した、全自動で 100MHz の高周波インピーダンス測定が 80K~473K(-193℃~200℃)の広い温度範囲でできる他にはないシステムです。全固体電池の核である固体電解質のイオンや電子伝導評価に最適であり、全固体電池の研究開発を支えます。
 本システムを、2018年2月28日(水)~3月2日(金)に東京ビッグサイトで開催される「第9回 国際二次電池展 ~バッテリージャパン~」に展示いたします(ブース番号:W13-2)。

<全固体電池電解質評価ソリューション「高周波インピーダンス測定システム」>

 近年、携帯電話やノートパソコンなどのモバイル機器や電気自動車(EV)などにリチウムイオン二次電池が使 われています。さらなる高性能化への期待が大きい一方で、相次ぐ発火事故で危険性が問題視されています。全 固体電池はこのリチウム二次電池の電解質を可燃性のある液体から固体に変えた電池で、リチウムイオン二次電池より、高エネルギー密度・小型・軽量など優れた特性を持ち、次世代の電池として注目されています。リチウムイオン二次電池は液漏れや発火の恐れがあるのに対し、正極・負極・電解質の全てが固体で構成されている全固体二次電池は、安全性と信頼性が高く、大容量・高出力・長寿命が実現でき、特に、EV においては走行距離 を延ばす電池として期待されています。

 東陽テクニカは、全固体電池の核である固体電解質のイオンや電子伝導評価ソリューションとして「高周波インピーダンス測定システム」を自社開発し、2017年10月1日から販売しています(特許出願中)。インピーダンスアナライザと新開発のクライオスタット※2 機能付サンプルホルダとを組み合わせ、さらに専用の制御ソフトウェアによって、温度可変とインピーダンス測定を完全自動で行うシステムです。
 従来のインピーダンスアナライザは、サンプルをセットするサンプルホルダとの接続に使用する測定ケーブルの浮遊 容量※3の影響で、高周波側は数MHzまでしかサンプル特性を測定することができませんが、本システムは20Hz ~100MHzの周波数範囲でインピーダンス測定が可能で、従来に比べ2桁高い100MHzで正確にインピーダンスを測定することができます。全固体電池は高いイオン伝導度を示す電解質を使用することが重要で、それには 電解質の粒内、粒界、電極界面の各反応抵抗を正確に測り、電解質の導電率※4 測定することが必須です。し かし、高周波までインピーダンスを測定しなければ、電解質の粒内、粒界、電極界面の各反応抵抗を分離することができず、従来製品では評価が困難でした。本システムは、100MHz の高周波インピーダンス測定ができ、各反応抵抗を分離し正確に測定できるため、固体電解質の材料選択や作製方法を検討する上で重要なデータが取得できます。
 さらに、専用の制御ソフトウェアによって、全自動で 80K~473K(-193℃~200℃)の温度範囲を制御し、 各温度のインピーダンスを測定できます。各温度で得られたインピーダンスから活性化エネルギーを算出することもできます。
 温度を自動で変えながら100MHz の高周波のインピーダンス測定できるシステムは他にはなく、簡単に、各温度でのインピーダンスを測定し活性化エネルギーも算出できる本システムは、全固体電池の効率的な研究・開発 に寄与します。

【 「高周波インピーダンス測定システム」の主な特長 】
 ・ 100MHzの高周波特性をクライオスタット機能付サンプルホルダで実現
 ・ 80K~473K(-193℃~200℃)の広い温度範囲
 ・ 専用制御ソフトウェアで温度可変とインピーダンス測定を全自動化
 ・ 密閉/加圧式のサンプルホルダ(オプション)

【 製品データ 】
 ・製品名: 「高周波インピーダンス測定システム」
 ・製品構成: インピーダンスアナライザ(20Hz~120MHz) 高周波対応クライオスタット機能付サンプルホルダ
       (高周波ロッド・サンプルホルダ・温度コントローラ) EDMS制御ソフトウェア
 ・販売価格: 1,250万円(税別)~ ・発売日: 2017年10月1日

【 第9回 国際二次電池展 ~バッテリージャパン~に展示 】
  2018年2月28日(水)~3月2日(金)に東京ビッグサイトで開催される“第14回 スマートエネルギ ーWeek 2018”の構成展である“第9回 国際二次電池展 ~バッテリージャパン~”に、「高周波インピーダンス 測定システム」を展示します。
 ■会期: 2018年2月28日(水)~3月2日(金)
 ■会場: 東京ビッグサイト 西ホール
 ■ブース番号: W13-2
 ■「第9回 国際二次電池展 ~バッテリージャパン~」公式サイト: http://www.batteryjapan.jp/
 ■「スマートエネルギーWeek 2018 出展のお知らせ」:
          https://www.toyo.co.jp/material/seminar/detail/smart-energy_2018
 ※1 温度の自動制御をしながら100MHzの高周波測定ができるインピーダンス測定システムとして。
   2018年2月26日 時点。当社調べ。
 ※2 測定したい試料の物性測定や構造解析を行う目的で、試料を低温に保つ装置。低温実験には不可欠の装置。
 ※3 ケーブルの種類、配線、取り回しなどにより、ケーブルに発生する容量成分。
 ※4 電気の流れやすさ。

<株式会社東陽テクニカについて>
 東陽テクニカは 1953(昭和 28)年の創立以来、世界最高水準の“はかる”技術の提供をコアコンピタンスとし、日本の産業に貢献してきました。海外の最先端の測定機器や技術に加え、長年蓄積したノウハウを活かした 自社開発製品を、官公庁や大学、企業の研究開発機関に提供しています。取り扱い分野は、情報通信、自動車計測技術、環境エネルギー、EMC(電磁適合性)試験、海洋調査、ソフトウェア開発支援、メディカルなどと幅広く、米国と中国の現地法人を通じて世界にも提供しています。
 また、2016~2017年にかけ「セキュリティ&ラボカンパニー」「技術研究所」「ワン・テクノロジーズ・カンパニー」を 設立。サイバーセキュリティ対策の実現、自動運転技術やAI(人工知能)を使ったデータ解析など、新しいソリューションの創造に取り組んでいます。
「東陽テクニカは「“はかる”技術で未来を創る」のスローガンのもと、これからも産業界の発展と安全で環境にやさ しい社会づくりに貢献してまいります。
 株式会社東陽テクニカ Webサイト:https://www.toyo.co.jp/


★ 本件に関するお問い合わせ先 ★
株式会社東陽テクニカ 理化学計測部
TEL:03-3245-1103(直通) E-mail:keisoku@toyo.co.jp
東陽テクニカ「物性エネルギーTOP」ページ:http://www.toyo.co.jp/material/
「自動車計測ソリューションサイト」:http://www.toyo.co.jp/solution/car/


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 ど、予告なく変更する可能性がありますので、あらかじめご了承ください。
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