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安全な次世代のインテリジェント義足 日本機械学会賞（技術）受賞【ナブテスコ】
2012年3月19日
階段や急な下り坂でも安心して歩行できる
安全な次世代のインテリジェント義足
『ハイブリッドニー』日本機械学会賞（技術）受賞
ナブテスコ㈱（本社：東京都千代田区、社長：小谷 和朗）住環境カンパニー福祉事業推進部は、このたびマイコン制御義足「インテリジェント膝継手」（以下 インテリジェント義足）の次世代製品『ハイブリッドニー（Hybrid Knee）』に関して、一般社団法人日本機械学会殿より2011年度日本機械学会賞（技術）を受賞しましたのでお知らせいたします。
1． 賞名 ： 2011年度日本機械学会賞（技術）
2． 受賞テーマ名 ： 油圧ダンパによる立位制御と空圧マイコン制御による遊動制御を融合した義足膝継手の開発
3． 製品名 ： インテリジェント義足『ハイブリッドニー（Hybrid Knee）』
当社は1993年に世界で初めてインテリジェント義足を製品化して以来、世界の福祉関係者に認知いただいているマイコン制御義足のパイオニアです。2006年から、従来の機能に加えて、階段や急な下り坂でも安全に安心して歩行できる次世代
のインテリジェント義足『ハイブリッドニー』を販売しております。
『ハイブリッドニー』は、従来のインテリジェント義足の最大の特長である歩行速度変化への瞬時の対応が可能なうえに、独自開発のMRS（Mechanism of Floor Reaction Force Sensing）システムとロータリー油圧ダンパにより、体重をかけながら膝を曲げられる機能（イールディング機能）を持った立脚相*制御と、空圧・マイコン制御による遊脚相*制御との組合せにより、急激な膝折れを防止し、階段や急な坂道での交互下りや椅子への座り動作など、いろいろな生活場面への対応を可能にしました。すでに、1,200本以上の販売実績をあげており、海外へも20カ国の代理店をとおして輸出されています。
* 立脚相：義足に体重をかけて前方移動する間
遊脚相：義足を地面から離して振り子運動をさせる間
当社は、今後も製品の改良・開発に取組み、義足使用者の生活の場を広げ、QOL（Quality of Life）向上に務め、多くの義足使用者の一助となるよう、ひいては国際的なノーマライゼーションの推進に貢献できるよう努めてまいります。
本製品についてのお問合せ先
ナブテスコ株式会社 住環境カンパニー
福祉事業推進部 担当 ： 中谷
〒658-0024 兵庫県神戸市東灘区魚崎浜町35 番地
TEL. 078-413-2724 FAX. 078-413-2725
URL. http://welfare.nabtesco.com
『ハイブリッドニー』開発の経緯
1993年に当社が世界で初めて開発・製品化したインテリジェント義足が登場するまでは、立位時に起こる膝折れや歩行速度の変化に対応できないなど、装着者に不安を与えていました。インテリジェント義足は、マイコンが歩く速度を検知し、膝継手に内蔵された空気圧シリンダの圧力を自動的に調整して、いろいろな歩行速度に瞬時に対応し、遊脚相での義足の振り出しが遅れることへの不安感を解消しました。また、立脚相においても、荷重ブレーキやリンク機構などによって膝折れの不安感を防止する機能を有し、発売以来、世界中の多くの大腿切断者の方々に使用されています。このインテリジェント義足の市場投入以降、義足使用者のニーズは急速に高まり、「階段や急な坂も健常者と同じように下りたい」「もっといろんな場面で、いろんな動作ができるようになりたい」などの要望が高まってきました。
当社は、こうした義足使用者の要望に応えるべく、従来のインテリジェント義足に、油圧抵抗を組合せることで、歩行速度への追従性を活かしながら、階段や急な坂の交互下りなど、いろいろな動作を可能にする膝継手の研究開発を行い、次世代のインテリジェント義足の開発に成功しました。
『ハイブリッドニー』の特長
1． 外観・構造
2． 『ハイブリッドニー』のメカニズム
1）MRSシステム
“MRS”システムは、リンク機構により床反力を検知し、油圧の切替えを行います。
2）立脚相制御と遊脚相制御
① 踵が接地すると、MRSシステムにより油圧ダンパの弁を閉じ、油圧の抵抗を大きくして急激な膝折れを防止します。
② 立脚中期においても油圧ダンパの弁は閉じられ、油圧の抵抗は持続され安定性を保ちます。
③ 立脚後期にはMRSシステムにより油圧ダンパの弁を開き、油圧の抵抗を小さくしてスムーズな膝の屈曲を実現します。
④ 遊脚期においてはマイコンにより歩行速度を検知し、自動的に空気圧を調整することで、様々な歩行速度に合った義足の振り出しを行います。
⑤ 階段ではMRSシステムにより油圧ダンパの弁を閉じて、油圧の抵抗を大きくすることでイールディング機能が働き、階段下りが可能になります。
この一連の動作で、歩行時の高い安定性と幅広い速度の追従性を実現すると共に、階段や急な坂でも、義足と健常足を交互に振りながら下りられるようになりました。
3． 仕 様
・ 名称 ： ハイブリッドニー（Hybrid Knee）
・ 型式 ： NI-C311
・ 重量 ： 1375g
・ 膝屈曲角度 ： 最大140度
・ 使用者体重制限 ： 125kg（ISO10328 P6 適合）
・ 電池寿命 ： 約2年間
4． 特 長
・ 立位の安定性が高く膝折れの不安を解消し、より安心で快適な歩行を可能にします。
・ 訓練次第で階段や急な坂でも、義足と健常足を交互に振りながら下りられるようになります。
・ 一歩ごとの速度変化に対応し、ゆっくり歩きから早歩きまで、速度を自在に変化させて歩くことができます。
・ 軽い振り出しで疲れを軽減できます。
・ 椅子に座る時、義足側で体重を支持しながら座ることができ、健常足側の負担を軽減します。
・ 電池が切れると、自動的に普通歩きのモードに設定されますので、安心して使用できます。
・ 電池が切れてもデータは保存されていますので、電池交換後、もとのとおり速度を変えて歩くことができます。
・ 省電力設計により、約2年間は電池の交換や充電は不要です。
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