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当社初の計測用X線CTシステム「XDimensus 300」を発売【島津製作所】

2017年12月12日

国内トップレベルの計測精度と観察能力を実現
当社初の計測用X線CTシステム「XDimensus 300」を発売


計測用X線CTシステム「XDimensus 300」


島津製作所は、ワーク(検査対象物)のX線CT画像撮影と高精度な内部寸法の計測が可能な、当社としては初の計測用X線CTシステム「XDimensus 300」を12月13日に発売します。

計測用X線CTシステムは、セットしたワークに透過させたX線によってワーク内部の三次元透視画像(CT画像)を得られるとともに、CT画像から座標値を導き出すことでワークの内部寸法や外部寸法、体積を計測できる産業用のCTシステムです。

「XDimensus 300」は、国立研究開発法人産業技術総合研究所と共同で開発した製品です。当社のマイクロフォーカスX線CTシステムのフラッグシップモデル「inspeXio(インスペクシオ) SMX-225CT FPD HR」と同等となる国内トップクラスの解像度で観察が可能であるとともに、最大許容指示誤差±3.8~9.8µm(測定寸法による)という計測用X線CTシステムとして国内最高レベルの計測精度を実現しました。自動車業界や電子部品業界における図面の検証をはじめ、樹脂成形品やアルミ加工品の検査などにおいて、作業の効率化や品質精度向上への貢献が期待できます。

当社は、国立研究開発法人産業技術総合研究所の計量標準総合センター(NMIJ)に本製品のプロト機を納入しており、NMIJと共同で得た知見を製品化に生かしました。NMIJでは、このプロト機を利用して計測用X線CTシステムの性能評価法に関する国際標準の開発を推進しており、2020年を目処に計測用X線CTに関する国際規格ISO10360に同システムによる測定要件を制定できるよう取り組んでいます。


【開発の背景】
車載部品市場やスマートフォン部品市場の拡大、設計ツールの多様化、工作機械の精度向上などにともない、様々な工業製品の構造や形状の複雑化が進み、設計図面通りに製品が完成しているか検証する作業の時間が増加傾向にあります。そこで、X線と画像処理によって検査対象物の内部も含めた寸法や体積データを一度に取得できる計測用X線CTシステムに注目が集まっています。また、近年、複雑な構造の造形物を出力できる3Dプリンタが普及しつつあることから、内部計測の重要性が高まっています。

このような背景のもと、当社は長年培ってきたX線検査技術と画像処理技術を応用して国内トップレベルの観察能力と計測精度を両立する「XDimensus 300」を製品化し、計測用X線CTシステム市場に参入しました。


【新製品の特長】
1.国内トップレベルの計測精度

最大許容指示誤差±3.8~9.8µm(測定寸法による)以内での寸法計測を保証しています。この保証計測精度は、ドイツ技術者協会が定めるVDI/VDE 2630 Part 1.3に基づいて計算した値であり、計測用X線CTシステムとして国内最高レベルです。

2.国内トップレベルの観察能力
本製品は、2016年4月に発売した当社のマイクロフォーカスX線CTシステムのフラッグシップモデル「inspeXio SMX-225CT FPD HR」同様に、国内トップクラスの解像度で観察が可能です。透過力に優れる自社製X線発生装置を搭載しており、炭素繊維強化プラスチックのような樹脂からアルミのような金属まで、幅広い材質のワークを高コントラストに観察できます。

3.優れた計測能力や観察能力とともに操作性も確保
直径300mm×高さ300mm、最大質量10kgまでのワークをセットでき、複雑な条件設定無しでスムーズにX線撮影を開始できます。また、装置内温度を20℃に保つ機能やステータス異常を検知して通知する機能も標準搭載しており、計測能力や観察能力だけでなく使い勝手も兼ね備えています。



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掲載されている内容はすべて発表日当時のものです。その後予告なしに変更されることがありますのであらかじめご了承ください。








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