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電池材料などの粒子径分布を幅広い粒子濃度で測定可能なレーザ回折式粒子径分布測定装置SALD-2300を発売【島津製作所】

2012年3月12日

医薬、化粧品、食品、電池材料などの粒子径分布を幅広い粒子濃度で測定可能な
レーザ回折式粒子径分布測定装置SALD-2300を発売

島津製作所は、粒子の大きさと分布を測定するレーザ回折式粒子径分布測定装置の新製品「SALD-2300」を3月12日に発売します。原材料粉体の粒子径分布は、医薬品、化粧品、食品、二次電池などの最終製品の性能・機能に大きく影響することがわかっており、重要な品質管理項目の一つとなっています。当社は測定ニーズが多様な分野・領域に広がる中で、測定範囲を従来の30nm~1000μmから17nm~2500μmと大幅に拡大し、高性能・高機能な測定を簡便に行える装置を開発しました。さらに、当社従来比10倍の高感度化によって、0.1ppmの低濃度から200,000ppmの高濃度までの幅広い粒子濃度条件に対応し、最短1秒間隔での連続測定機能を備えることで、濃度や時間によって変化する粒子径分布の実態も正確に評価できるようになりました。
*粒子径分布とは、測定試料の中にどのような大きさの粒子がどのような割合で含まれているかを示すものです。レーザ回折式とは粒子群にレーザ光を照射し、そこから発せられる回折・散乱光の強度分布パターンを検出して解析することで、どれくらいの大きさの粒子がどれくらいの割合で含まれているかを求めることができます。

「粒子」は医薬、化粧品、食品、インク、二次電池の電極材、触媒、セラミックスなどの原材料として、生活や産業のさまざまな分野で用いられています。原材料の粒子径は製品の品質を大きく左右するため、粒子径の分布を正確に測定することが品質管理や商品開発において重要になっています。

たとえば、赤ワインや焼酎、お茶などの飲料に含まれる微量の粒子成分は、人間の微妙な感覚や、広い意味での「味覚」や「味わい」に影響するため、微量粒子の大きさやその分布により、飲料の「色合い」、「舌触り」、「のど越し」、「歯ざわり」などが微妙に変化します。しかし、飲料の「味わい」に関する評価や品質管理は、粒子成分があまりに微量なため、熟練した職人の感覚および経験や勘に頼るしかありませんでした。SALD-2300は、従来品に比べて10倍高感度であるため、0.1ppmという低濃度での測定が可能になり、このような評価を客観的かつ定量的に行うことができるようになります。また、個人差やノウハウの継承という問題の解決にも貢献できます。

粒子径はこのように製品の性能や効果、品質に大きな影響を与えており、粒子径分布を正確に測定することが重要です。その際、粒子径分布は希釈や濃縮によって変化してしまうため、希釈や濃縮をせず、実際に使用される状態で測定することが必要です。従来の粒子径分布測定装置は、測定できる濃度範囲が限定(10ppm~100ppm)されていたため、装置に合わせてサンプルの濃度を希釈・濃縮して調整しており製品や原料の本当の粒子径分布は測定できていませんでした。本装置は0.1ppmの低濃度から、200,000ppmの高濃度まで、幅広いサンプル濃度範囲でそのままの状態で測定することが可能です。

本製品では、様々な濃度のサンプルを希釈・濃縮せずに測定できるうえ、最短1秒間隔で連続測定もできますので、粒子濃度や時間によって変化する粒子径分布の実態を正確に評価できることも大きな特長です。

新製品の特長

(1) 測定粒子径範囲  17nm~2500μm
新センサーの採用とサンプラ機能の強化により、測定粒子径範囲を従来製品の30nm~1000μmから17nm~2500μmに拡大しました。これにより、例えば平均粒子径50nmのポリスチレンラテックス粒子から直径2mmのステンレスボールまで1台の装置で測定でき、汎用性が大きく広がりました。

(2) 0.1ppmから200,000ppmまでの幅広い粒子濃度への対応
散乱光検出系の感度アップとオプションの利用によって、0.1ppmの低濃度から最大200,000ppmの高濃度サンプルの測定が可能になりました。従来のレーザ回折式粒子径分布測定では10ppmから100ppmが対象濃度でしたが、これを大きく拡大することによって全く新しい測定対象や目的に対応できるようになります。たとえば、医薬品の溶解プロセスを、全ての粒子が溶けてしまう直前まで、粒子径分布の変化として観察することができます。

(3) 最短1秒間隔での連続測定機能によりリアルタイムで粒子径分布を観察
従来のレーザ回折式粒子径分布測定では10秒から30秒の測定時間を必要とするため、粒子径分布が変化しないことを前提に測定が行われてきました。しかし分散・凝集・溶解などの化学における基本的なプロセスを評価するためには、粒子径分布の時間的変化の測定はきわめて重要です。本製品では最短1秒間隔での高速連続測定を実現することにより、粒子径分布の変化をリアルタイムで連続測定することも可能にしました。


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