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成長市場であるEモビリティに向け、革新技術を紹介【コンチネンタル・オートモーティブ】
2017年9月11日
● 高度に統合した高電圧システム、2019年に市場導入
● 48Vマイルドハイブリッド技術をガソリン車とディーゼル車向けに量産中
● 最新の充電システム「AllCharge」は、いかなる仕様の充電技術にも対応
● 最新のワイヤレス充電システムで、より快適な充電を実現
● 革新的なホイールコンセプトが、電気自動車のブレーキを最適化
● 航続距離をさらに伸ばす、効率的なホースライン、および切換え可能のエンジンマウント
● ポートフォリオの拡大:世界初Eバイク向け無段階変速機一体型48V駆動ユニット(48V Revolution)
テクノロジーカンパニー、コンチネンタルが2017年のIAAで紹介するのは、ドライブトレインの近未来ビジョン、そして、すでに生産段階に入っているテクノロジーの実例です。実用化したアプリケーション、幅広いソリューションがコンチネンタルを電動化分野におけるパイオニア企業にしています。そのポートフォリオは、48Vマイルドハイブリッド向けソリューションから、電気・ハイブリッド車向け高電圧システムに及びます。その1例として、コンチネンタルは、まもなく生産開始を迎える成熟した各種コンポーネントを利用し、小型・軽量としては、まったく新レベルの比出力レベルを備えた、強力かつ高電圧パワートレインモジュールを生産します。その量産開始は2019年を予定しています。IAAで紹介する技術的ソリューションには、電気自動車向け充電技術へのアプローチを含む、世界全体で展開する新しいアイデアも含みます。
「未来のモビリティは電動である」と述べるのは、コンチネンタルの取締役会メンバーで、パワートレイン部門の責任者を務めるホセ・アヴィラ(José Avila)です。「私たちは、そんな未来に向かう道を、環境にやさしく、電動化システムと完全電気駆動システムで、そして、新しい、独自の充電コンセプトをもって歩んで行きます。そこには、効率化と、とりわけ日常的な実用性が重視されます。」コンチネンタルでEモビリティに取り組むエンジニアは、未来の車両システムに求められる駆動システムを超える要件への取り組みも行っています。
「Eモビリティは車両全体に影響するテーマであり、電動化の中核にあるのが駆動システムです。」コンチネンタルのCEO、,エルマー・デゲンハート(Dr. Elmar Degenhart)は言います。「同時に、Eモビリティは、その他多くの分野に適正なソリューションが要求されます。例えばエンジンマウント、ブレーキ、ホイールやタイヤです。コンチネンタルは、必要不可欠なコンポーネント、そして幅広い技術力を、全部門を横断し、Eモビリティの全体的理解に統合しています。」
革新的な充電器技術により、電動ドライブトレインに、どのような技術仕様のケーブル式充電ステーションにも対応可能な「汎用充電器」機能を装備することができます。どの充電ステーションでも最大限の充電を行うことが可能です。
コンパクトでパワフルな革新的Eドライブ – 2019年に市場導入
電気のみで走行するEVのための革新的ソリューションの1例は、高度に統合された電動パワートレインモジュールです。 コンパクトカー、高級車、そして特に車両台数の多いミドルクラスの車両にも搭載可能となります。モーター、トランスミッション、パワーエレクトロニクスをひとつのユニットにまとめ、コンパクト化したことで、類似コンセプトと比較し、より軽量で、よりパワフルなEV・プラグインハイブリッド向け高電圧システム性能を実現しました。それによって同時に可能となるのは、高レベルの「走る歓び」を提供できる車両の実現で、Eモビリティの受容を後押しする重要な要素です。さらに、ケーブルやプラグ類を排除し、高度に統合したことで、コストが削減されます。この革新的システムはわずか75kgの重量で、150kWの極めて高比出力を実現します。コンチネンタルは、最大出力320kWで、速度比により、トルク最大6,400 Nmのモジュールとして提供します。コンチネンタルでは、数年前からEドライブシステムの量産を行っていますが、このシステムで、さらに小型で、高性能なものにしました。新しいEドライブの市場導入は、2019年に中国で予定しています。
ハイブリッド化のポテンシャル– 48V Eco Drive
48V技術は、ガソリンエンジン車にもディーゼル車にも搭載可能な、インテリジェントなハイブリッド駆動ストラテジーを可能にします。コンチネンタルのテクノロジーは、実際の市街地走行で約21%の燃費削減を実現しています。電動化における最近のブレークスルーの実例は、フランスメーカーの48Vディーゼルハイブリッド(Renault Scénic / Grand Scénic)です。このモデルでは、すでに高かった駆動効率が、コンチネンタルの電気駆動システムにより、さらにいっそう高められています。その他、2017年末にも別プログラム向けに量産開始を予定しています。
「Super Clean Eletrified Diesel」と名付けたデモ車両を、新たに紹介します。このデモ車両は、48Vハイブリッド化と革新的な触媒ソリューションが、いかに、車両の効率性改善と、ディーゼルエンジンの窒素酸化物の排出量を実走行で最大60%削減するか、その実例を示します。
充電をより簡単に – ケーブルから、コードレスでも
電気自動車を、日常生活でいかに手軽で、かつ快適に使用できるかという重要な課題には、充電技術が大きく関わっています。コンチネンタルは、Eモビリティのこの分野においても、世界初の革新的な取組みを紹介します。まったく新しい「AllCharge」システムにより、自動車メーカーは、車両の電気駆動システムを、わずかな労力で汎用の充電デバイスへと変えます。つまり、いかなる技術仕様であっても、ケーブル式充電ステーションまで走行すれば、常に最大限の充電を行うことが可能になります。特に都市部のAC充電システムにおいては、充電時間は最大で12倍の高速化が期待できます。さらに、双方向性のAllChargeシステムで、逆方向の電力供給機能が生まれ、車両搭載バッテリーの新たな利用方法が実現します。このシステムでは、移動中での電気・電子機器(ノートパソコン、電動ドリル、冷蔵庫など)への電力供給が可能です。
コンチネンタルはまた、最新の試作品で、業界初の自動電気自動車ワイヤレス充電技術をデモンストレーションします。この最新システムでは、最大11 kWの充電能力で、電気自動車を快適に充電することができます。ドライバーは、センチメートル単位で正確に充電ポイントに導かれます。誘導による充電では、充電や安全のための電子装置だけでなく、ドライバーに適正な情報を与えることが重要となります。
誘導による充電ソリューションには、電子通信技術による車両の正確なポジショニングから、充電管理、さらには安全性監視およびデータ照会などの機能が含まれます。
「新ホイールコンセプト」が、特に電気自動車のブレーキを最適化します
電気自動車には、ブレーキシステムに対する要求も変化します。徹底してエネルギー回生が行われるため、ファウンデーションブレーキが使われることはそうありません。コンチネンタルは、「新ホイールコンセプト」と名付けた、軽量ホイールと、ブレーキデザインを紹介します。耐腐食性のアルミニウム製ブレーキディスクに、適合するブレーキを組み合わせ、錆発生とブレーキ機能低下を防ぎます。軽量素材の使用することで、「新ホイールコンセプト」はホイールとブレーキの重量削減が可能になります。このコンセプトの利点は、ホイールとブレーキパッド交換が容易になり、ブレーキディスクが摩耗しないことがあげられます。
航続距離に貢献する効率的なホースライン、切換え可能のエンジンマウント
ホース開発者が、航続距離とバッテリー耐久性を高める電気自動車向けの効率的なホース・ラインを設計しました。ハイブリッドや電気自動車では、バッテリー冷却のために、全長ほぼ4メートルにもおよぶラインが車両の床下に配置されています。これはユニットが過熱せず、バッテリーの耐用年数を最大限に保持し、乗員に快適な温度を提供します。さらに、他のホースやラインの長さを合わせると一台の車両で最大で合計40メートルにもおよびます。
またハイブリッド車のエンジンマウントには、従来のエンジンとはまた別の課題があります。エンジンオフの状態から再始動するときには、振動の影響を受けないよう、十分な弾性が求められます。高速域では、カーブでの車両安定のために十分な硬さが求められます。このような対立する要求の両方に対応する、切換え可能なエンジンマウントを開発しました。
モビリティへの包括的アプローチ:Eバイク向け、革新的48V駆動システム
未来のマイクロモビリティ向けアプリケーションに向けても、48V技術分野での経験を投入し、先駆的な駆動システムを開発しました。IAAでは、電動自転車向けに2つの新しい48Vモーターユニットを紹介します。一体型無段階変速ドライブユニットの48V Revolution、従来のトランスミッション技術に組み合わせるモーターの48V Primeです。コンチネンタルは、未来のモビリティを見据え、マイクロモビリティ戦略をさらに推し進めます。
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