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五島列島沖の海底に突き刺さる潜水艦の発見に貢献【東陽テクニカ】

2017年6月2日

五島列島沖の海底に突き刺さる潜水艦の発見に貢献
〜サイドスキャンソナー「CM2」を使い、スキャニング画像を取得・データ解析〜


㈱東陽テクニカ(本社:東京都中央区、代表取締役社長:五味 勝、以下 東陽テクニカ)は、一般社団法人ラ・プロンジェ深海工学会(代表理事 浦 環・九州工業大学特別教授、以下 ラ・プロンジェ深海工学会)による、第二次世界戦後海没処分され長崎県五島列島沖に沈む旧日本海軍の潜水艦調査に協力し、東陽テクニカが販売する曳航式サイドスキャンソナー「CM2」を用いて、水深約200メートルに沈んでいる23艦の潜水艦の詳細なスキャニング画像を取得することに成功しました。さらに海底に突き刺さるようにそびえたっている潜水艦を確認しました。
東陽テクニカは、2015年に日本テレビが実施した同海域の沈没潜水艦調査にも協力し、大型潜水艦「伊402」の発見・撮影成功に大きく貢献しています。



第二次世界大戦終戦後、現存していた旧日本海軍の潜水艦は全て連合国軍総司令部(GHQ)により海没処分されています。そのうち約半数の24隻の潜水艦が五島列島沖合い5km四方の海域に沈められていることが、2015年に日本テレビによって実施された調査にて明らかとなりました。その時の調査では、東陽テクニカが販売する自律型無人潜水機「GAVIA」および遠隔操作水中ロボット「Seamor F2/4」を使用し、当時世界最大で水上攻撃機を3機搭載可能な「伊402」を特定しました。しかし、残りの23艦については詳細な位置は把握しているものの、艦名については特定されませんでした。
今回東陽テクニカは、全艦の艦名特定を目指すラ・プロンジェ深海工学会のプロジェクトに協力し、残りの23艦全ての詳細なスキャニング画像の取得に成功し、さらに海底に突き刺さるようにほぼ垂直にそびえたっている潜水艦を確認しました。


【調査内容】
2017年5月19日から21日まで、株式会社ウィンディネットワーク(本社:東京都港区)と協力し、当社納入の英C-MAX社製曳航式サイドスキャンソナー「CM2」を使用し調査を行いました。
サイドスキャンソナーは、母船からトウフィッシュと呼ばれるソナーを曳航して進行方向と直交する方向に音波を照射、海底から反射した音波の強度と時間を使用して、海底の画像データを取得する装置です。
調査は、サイドスキャンソナーを水中に投下後、本船後方約200m・水深150mに曳航しているソナーを、位置が特定されている各艦の直上を通過させスキャニング映像を取得しました。
詳細なスキャニング画像を取得するためには、できるだけ海底近くを曳航させソナーと潜水艦の距離を短くすることが求められます。使用した「CM2」は空中重量18kgとクラストップレベルの軽量小型のサイドスキャンソナーですが、4.7mmという細いワイヤーウィンチを使用してケーブルの揚力を最小にし、加えてウィングデプレッサーと呼ばれる翼により逆向きの揚力を得ることで、より深深度の調査に使用が可能になり、150mもの深度での曳航に成功しました。
これにより23艦全てについて詳細なスキャニング画像の取得と、さらに取得したデータを即時に解析することで、艦名の特定につながる海底での状態や形状を把握できる画像を得ることに貢献し、海底に突き刺さるようにほぼ垂直にそびえたっている潜水艦の大発見につながりました。


■「CM2」によるスキャニング画像■


東陽テクニカは、これまでにサミット警備や海底遺跡調査、津波遭難者捜索などに協力してまいりました。今後も、海洋調査機器の輸入・販売だけでなく、機器の運用・データ解析までをサポートすることにより、社会に貢献し続けてまいります。


★ 本件に関するお問い合わせ先 ★
㈱東陽テクニカ 海洋計測部
TEL:03-3245-1243(直通) E-mail:shibatam@toyo.co.jp

「CM2」製品サイト:http://www.toyo.co.jp/kaiyo/products/detail/cmx_cm2
五島列島調査風景 動画:https://www.youtube.com/watch?v=bAiHvnKsddA
サイドスキャン動画:https://www.youtube.com/watch?v=gfm3E4Ql9aA


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